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公務員の生活保護はやるけれど


BLOGOSから転載。
まあBLOGOSは植草教授の執筆記事を理由を示さずにボツにするようなサイトだから、あまり信頼はしていないが、時々いい記事も出る。下記記事の筆者は、記事内容からして弁護士のようだが、今の社会システムの矛盾や悪に押しつぶされた庶民が犯罪に追い込まれることも多いわけで、弁護士はそういう人々を目にしているわけである。下記記事の中で、生活保護の話があるが、これは今や中流から下流の人々にとって他人事ではない。
かなり前に、どこかの県で、生活保護を申請して却下された女性が餓死した事件があったが、生活保護を申請しても窓口がなかなか受け付けてくれない(下記記事の「水際作戦」)というのは常識である。では、国に金が無いかというと、埋蔵金はたくさんあるし、公務員関係支出のような無駄もたくさんある。しかも、ある人が言っているが、株の取引に1%の課税をするだけで巨額の税収が生まれ、それでほとんどの福祉関係出費は賄えるという。あるいは輸出企業に対する消費税の「配当」を無くすだけでも生活保護くらいの金は作れるだろう。つまり金は偏在する形で膨大にあるのである。無ければ政府が日銀に命令して印刷させればいいだけのことだ。
生活保護の不当申請というものもあるかもしれないが、最初から窓口で申請を拒否する姿勢を持っていたのでは、何のための制度なのかわからない。それに、それは役人の金ではなく、国民の金なのだから、正当な事由のある国民がそれを申請して断わられるのも変な話である。生活保護を申請する際に味わわされる(「味あわされる」と書く人もいるが、「味わう」の未然形は「味わわ」だからそれに受身の「される」をつければ「味わわされる」である)屈辱が嫌で、死んでも生活保護は受けないという人もいる。そうなるのが役所の狙いなのである。金は国民から搾り取り、それを国民のためには使わない、というのが役人の習性というものだ。もちろん、これは下っ端公務員の話ではない。まあ、下っ端公務員の中にも役人風を吹かせる低能はいるが、最近は下級公務員の質は向上し、それに反比例して上級公務員の質は最悪になっているようだ。


(以下引用)

人間の尊厳と生存 - 川口創
2011年10月12日00時00分
 国選の刑事弁護で、窃盗事件を受けることがありますが、貧困を背景にした事件が少なくありません。

 以前担当した方(Aさんとします)は50代の方でしたが、かつては医療機関の事務長として勤務しており、それなりの収入を得ていました。しかし、リストラとなり、再就職もかなわず、失業保険も切れ、生活保護も門前払いを受け、住むところも追われ、あっという間にホームレスに転落してしまいます。

 Aさんはスーツを着て鞄を持っており、一見ホームレスには見えません。昼に図書館などで睡眠を取り、夜はとにかく歩く。そういった生活を1年以上続けます。

 一度住所不定となれば、まず職には就けません。携帯電話もなく、年齢も50を超えていたことも就職の壁となりました。

 Aさんは、ホームレスの知人から時々日雇いの仕事を回してもらうなどして食いつないでいきますが、ついにお金が底をつき、コンビニで弁当を盗み、逮捕となります。

 確かに、窃盗は犯罪です。許されることではありません。

 しかし、Aさんは、飢え死にをするか、弁当に手を出すか、の選択を強いられた上での行為です。一度ホームレスに転落したとき、一人で這い上がっていくことは極めて困難です。そして不安定雇用が恒常化した今日、誰にでも起こりうる現実でもあります。自分がAさんと同じ状況に置かれたとき、弁当に手を出さずにいられたとは思えません。 

 また、数年前に担当した方(Bさんとします)は、当時34歳。妻子もいました。派遣の仕事を転々とし、家族を養っていけるか、強い不安にさいなまれる中で、強いストレスにさらされます。その「ストレス発散」のために、「万引き」をするようになります。

 そして、逮捕となりました。その時、Bさんが「もう僕は35になる。35を超えたら、仕事がますます見つからなくなる。その恐怖、分かりますか」と私に話しました。

 確かにこれは「言い訳」ですし、「甘えだ」と批判するのは簡単です。

 しかし、不安定な生活の中で年を重ね、「使い捨て労働力」としての自分の価値がどんどん下がっていくとBさんは考え、恐怖を抱えていました。

 こういった不安に押しつぶされそうになりながら働いている人が、この世の中に少なくないように思います。

 AさんもBさんも、窃盗事件では加害者であることに間違いありません。しかし、その背景を見たとき、彼らは格差社会の被害者である面もあるのではないか、そう思わずにはいられません。

 また、生活保護の申請に同行することもたびたびありますが、多くの役所の対応はとにかく申請を拒もうと、法律に書かれてもいない注文をつけ、なかなか申請を受け付けようとしません。いわゆる「水際作戦」の前に、受給が認められるべき多くの人が切り捨てられています。

 労働相談を受けていても、労働実態は深刻です。

 相談に来られる多くは、低賃金で、不安定な状況で、長時間労働を強いられています。

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