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ヤクザと白人の交渉術

「晴耕雨読」から、想田和弘の文章を転載する。
これを読むと、欧米流の交渉術の本質が分かる。橋下がこれをどのようにして学んだか不明だが、はっきりとこれは欧米流の交渉術である。簡単な例で言えば、ペリーが江戸幕府に開国を迫った時の交渉術であり、「素朴な現地土人を威嚇と恫喝で支配する」という、植民地侵略と統治における白人の支配術である。
一言で言えば、「論理で説得するのではなく、相手の感情を支配する」ということだ。相手は最初の恫喝に怯え、恐怖から相手のわずかな「見せかけの譲歩」に大喜びして自分にとって不利な提案を容易に受け入れることになる。これは白人の土人相手の交渉術であると同時に、ヤクザの交渉術でもある。もともとがほとんどヤクザである橋下にとっては、容易に身に付けられた技術だろう。
橋下の主張の大半が論理的には滅茶苦茶であることを心ある人は知っているが、テレビ画面などでの「橋下の議論での勝利場面」を見ている人には、その議論の中身はほとんど分からず、橋下が「議論で勝利したらしい」という印象しか伝わらない。その結果、橋下は正しい、橋下は強い、というイメージが怪物的に肥大していくわけである。
もう一つ重要なのは、下記文章の最初に書かれていることだ。「相手が一部だけ正しいことを言っていたり、時には正しいことをしたりする、というだけで相手を受け入れてはいけない」ということである。日本人は心優しい人が多いから、できるだけ他人を良く思いたい、という心情があるわけだが、こうした悪党どもはそんな善人の優しさに付け込み、相手を骨までしゃぶるのである。
私自身、現実生活では、かなりの甘ちゃんであり、「お人好し」とも言われているので、上に書いたようなことは、実は頭で考えただけのことである。こうした「人間の中の狼」に現実で出会ったら、たぶんひとたまりもないだろう。それらしい人には、最初から近づかないことである。幸い、私は人を見る目だけはある(と思う)ので、これまでそんな人間にはあまり近づかずに済んできた。
過去のブログの中で、私が「悪人認定」をしてきた人間について、その後、評価を変えたことはほとんど無いはずだし、世評の高い有名人の中であやしげな人間については、その人間がマスコミに登場した初期から警告してきたと思う。この点では、有名ブログの書き手の中にも、結構人を見る目のいい加減な筆者が多いので、私はマシな方かと自負している。
その中でも橋下という人間の人間性は、彼がマスコミに登場した最初から丸分かりであった。それが見えない人間がいることの方が不思議なくらいである。
また、彼は悪党だが、政治的才能があるから評価する、という意見も危険な考え方だと思う。悪党が、自分以外の利益のために政治をやるはずはない。それは社会に害悪を与えることになるのは、当たり前の話である。



(以下引用)





2013/2/2


「橋下の措置が体罰的であると見抜けない人は、体罰の本質を理解していない:想田和弘氏」  その他

https://twitter.com/KazuhiroSoda

ほうら、おいでなすった。

体罰問題で強硬手段をとる橋下の本当の目的はこれだよ。

→橋下市長が検証強調…市教委の体制改めるべきだ(読売新聞) http://bit.ly/Ykn76o

みんな忘れちゃだめだよ。

橋下徹はずーっと体罰を容認してきた。 @navermatome3: 橋下徹は体罰についてどんな発言をしてきたか―05年~13年 (979 views) http://bit.ly/11iiGxl



体罰は、事態の深刻さを痛みで思い知らせるという発想のもとに行われる。

橋下徹は、事態の深刻さを現場に思い知らせるために入試の中止が必要だと言っている。

相似形である。

この相似形に気づかないと、橋下徹の詭弁に騙されてしまう。

ずーっと体罰を容認して来た橋下徹が、いつの間にか、体罰追放運動の急先鋒のように振る舞い、彼の体罰的で横暴な措置を批判する本当の体罰反対派が、「市長に反対するお前は体罰を容認するのか!」と罵られている。

橋下の措置が体罰的であると見抜けない人は、体罰の本質を理解していない。

体罰をなくすために体罰をするという本末転倒が起きるのは、平和のために戦争をするという本末転倒が起きる構造と同じである。

橋下徹に対して是々非々で臨む態度は、不合理と言わざるを得ない。

なぜなら、たとえ彼が何か素晴らしい提案をしたとしても、詐欺的テクニックを活用する彼の言葉をそのまま信じるのは、ナイーヴとしかいいようがないからだ。

http://bit.ly/sbvQsU

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http://bit.ly/sbvQsU

抜粋*

 橋下氏が本書の中で最も強調するのが「仮装の利益」という概念です。彼は次のように言います。

交渉において相手を思い通りに動かし、説得していくには、はっきり言って三通りの方法しかない。
“合法的に脅す”“利益を与える”“ひたすらお願いする”の三つだ。そのなかで、最も有効なのは“利益を与える”ことである。

この場合の利益には二通りある。一つは文字通り相手方の利益。もう一つは、実際には存在しないレトリックによる利益だ。不利益の回避によって感じさせる“実在しない利益”とも言える(6頁)。

 橋下氏は「実際には存在しないレトリックによる利益」を作為的に創出することによって、相手に要求を飲ませるべきであると述べています。そして、この「仮装の利益」をより有効に起動させるためには、「譲歩の演出法」が重要になると説きます。

相手方に利益を与えるということはこちらの譲歩を示すということだ。譲歩とそれに伴う苦労は、徹底的に強調し、演出すべきだ。譲歩とはよべない些細なことであっても、さも大きな譲歩であるように仕立て上げるのである。そうすることで、相手方の得る利益が大きいものであると錯覚させることができるからだ。これも交渉の技術である(10頁)。

橋下氏は、譲歩に伴う苦労を徹底的に演出せよと説きます。相手に譲歩するために、多大な労力と努力を伴ったことを強調することが重要で、本当に苦労したかどうかは別問題だといいます。

大きな利益を得た、と相手方に感じさせるように、こちら側の苦労を強調するのである。その演出に、タフネゴシエーターは腕をふるっている。詐欺にならない程度に、ではあるが(10頁)。

 さらに橋下氏は、交渉に際して「譲れるもの・譲れないものを明確に分別しておく」ことが重要であると説きます。彼は、あらゆる主張を「譲歩できるもの」と「譲歩できないもの」の二種類に徹底的に分別し、「二者択一の法則で自己の利益を絞り込む」必要があると言います。

物々交換の基本にのっとって、自分の主張を絞り込んでいく。どうしても通したい主張と、譲歩できる主張を明確に区別する必要がある。
 できることならこの主張も通したい、交渉の流れのなかで判断しよう、そんなグレーゾーンを持ったままで交渉に臨むことだけは避けたい。それが交渉をこじらせ、長期化させる原因にもなるのだ(12頁)。

 以上のような「交渉テクニック」から見えてくる政治手法は、どのようなものでしょうか。

 橋下氏は、はじめにハードルを高く設定した提案を掲げます。もちろん、この提案の中には「譲歩できるもの」と「譲歩できないもの」が含まれています。

 突然、提案を突き付けられた利害関係者は、当然反発します。そして、橋下氏が提示した提案に依拠しながら、問題点を列挙し抵抗します。

 しかし、この時点ですでに勝負は決しています。それは橋下氏の舞台に乗ってしまっているからです。橋下氏の提案に基づいて交渉がスタートさせることこそが、彼の「交渉テクニック」だからです。

 橋下氏は、ここから「譲歩できるもの」のカードを切っていきます。そして、このカードの付与によって「仮装の利益」を分配していきます。「実際には存在しないレトリックによる利益」のため、橋下氏側にダメージはありません。「譲歩の演出」によって相手が利益を得たと錯覚させることが目的であり、この錯覚を駆使することによって「本当の利益」を獲得していくのです。

 結果、相手はあたかも「利益を得たかのような感覚」を持ちながら、実際は重要なものを損なっているという結果が生じます。これが、橋下氏が繰り返し用いる政治手法です。







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