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「仁侠の心」の無い日本人、日本政府

中国にも国内政治の矛盾や欠陥はいろいろあるだろうが、こういう記事を見ると、政治の基本「政治は人民のためにある」はしっかりしていると思う。つまり、道義を重視する、ということだ。自国民であれ他国民であれ、危急の際は助ける、という「仁と義」を大事にするところがある。「仁侠の心」と言ってもいい。日本政府に同じようなことができるだろうか。
同じ状況で日本の軍艦に中国人が同船することを許したかどうか。私はまったくありえないと思う。「それは規則に無い」の一点張りで拒否しただろう。自衛隊内部で「中国否定」の教育が行われているかどうかは別問題として、乗船を拒否したためにその人々が死んでいくだろうことも自衛隊員たちは平気で無視するだろうし、それで咎められることも無いだろう。
人間であることより組織の人間であることを優先してしまうのが日本人の通有性ではないか。それが、秩序維持のための様々な(たいていは不可視の)残虐行為が日本社会で平気で行われる根本原因だろう。
ブラック企業を成り立たせているのも、いじめ問題が解決しないのも、おそらくそれである。

ところで、「中国人は面子を大事にする」ということを否定的に言う人がいるが、「面子」とは社会に向けた顔、看板である。それを大事にするのは当然の話で、看板に泥を塗ることを許すわけにはいかないのも当然だ。最近の日本の政治家たち(自民党や維新の党など)の「自分で自分の顔や看板に泥を塗って恥じない姿」こそ、最低ではないか。
面子を大事にすることを別の言葉で言えば、「礼」である。相手の面子を立てることを礼と言うのである。「水滸伝」のようなヤクザやアウトローの世界ですら、面子を重んじ、相手への礼を重んじる。それが中国社会の伝統だ。
なお、日本の「仁侠(任侠)」もルーツは水滸伝などにある。
私はヤクザは大嫌いだが、「仁侠心」は大事だと思っている。「仁」を行動として示すことが「仁侠」であり、それができるのが「仁侠心」のある立派な人物だ。中国でも日本でもそうした人物をヒーローとしてきたのである。(今の日本の大衆小説やアニメでは卑怯卑劣酷薄な行為をする主人公すら当たり前に目にするのだが、これも仁侠心を失った日本社会の反映だろう。)


(以下引用)

日本人をイエメンから移送=脱出支援の外国人279人に―中国軍艦

時事通信 4月7日(火)15時34分配信


 【北京時事】新華社電によると、混乱の続くイエメンからの避難支援に当たっている中国海軍の補給艦「微山湖」は7日、日本人1人と中国人9人を乗せ、イエメンのソコトラ島からオマーンのサララ港に到着した。
 中国メディアによれば、この日本人は旅行者という。中国人9人のうち7人はソコトラ島で医療支援に当たっていたチームで、残り2人は旅行者。独特の生態系を持つソコトラ島は世界遺産として登録され、観光地として知られる。
 別の中国海軍艦船も7日、中国大使館員ら中国人38人とスリランカ人45人をイエメンのホデイダ港からジブチに移送した。
 イエメンの治安悪化を受け、中国政府は3月末にソマリア沖で海賊対策に従事していた中国軍艦をイエメンに急派し、脱出支援を開始。これまでにイエメンから中国人629人のほか、外国人279人を移送した。 


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