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星の界(よ)

他人の夢の話ほどつまらないものはないと言うが、備忘のために書いておく。
今朝の起床前の夢である。(私が覚えている夢は、すべて起床直前の夢で、場合によっては自分で夢の成り行きをコントロールしようと努めることもあり、それに少し成功することもある。)
それは、(記憶に残っている時点からの話だが)戦争の夢で、私は戦場には出ていないが、家の近所が爆撃に遭って、その後処理だか今後の爆撃対策だかをしている、という夢だった。
私はなぜだか被爆地を穴掘りしていて、その穴は「現在の戦争」ではなく、「先の戦争」で死んだ人間の骸骨で一杯だった。もはや骸骨とも見えないのだが、骸骨であると私には分かっていた。
その骸骨だらけの穴の中に、「先の戦争」の「遺跡」があって、コンクリートの土台と、「隠匿物資」の中で腐敗を免れた物などがたくさんあった。なぜかビニールシートのようなものがあって、私はそれとコンクリート土台で即席の倉庫ができるのではないか、と「隣組組長」のようなオッサンに言うが、オッサンは(偉そうな態度の男だったが)それになぜか賛同しない、というところまで覚えている。
で、話が飛んで、なぜか私は小学校唱歌(元歌は賛美歌)の「星の界(よ)」を夢の中で聞いて、なぜか異常に感動して涙を流しているうちに目が覚めたのであった。

手元にある川端康成・増沢健美編「世界歌曲集」から引用しておく。


月なきみ空に きらめく光
ああその星影 希望の姿
人智は果てなし 無窮の遠(おち)に
いざ その星影
きわめも行かん

雲なきみ空に 横たう光
ああ洋々たる 銀河の流れ
仰ぎて眺むる 万里のあなた
いざ 棹させよや
窮理の船に

(コンヴァース作曲 杉谷代水作詩)


私が感動したのは、「人智は果てなし 無窮の遠に」という部分であった。
個々の人間には限界がある。だが、人智には果てはない。人智は無窮の遠を極め行くだろう。
戦争の話と、「人智は果てなし」に何の関係があるかは分からない。人間の理想の素晴らしさと、人間の現実のくだらなさ。無窮の遠方を極められるはずの人智が、戦争などという愚劣なもので消耗させられていることへの憤り、多分、そんなところではないだろうか。





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酔生夢人
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趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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