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故(古)きを温(たず)ねて新しきを知る

あまり目先の出来事ばかり見ていると、次から次に起こる事件で頭が一杯になり、大事なことを持続的に考えることができなくなる。たまにはネットから離れることも必要だろうし、テレビや新聞など、普段はまったく見なくても私のような半世捨て人にはべつに不自由は無い。まあ、世間話のネタについて行けなくなるから、大方の人にとっては社交のためにそういう最新のトピックを知っておく必要もあるわけで、そうすると我々は「世間」のために自らの頭を汚染することを余儀なくされているという事実に改めて気づくわけだ。ならば、庶民がマスコミに洗脳されるのは、ほぼ必然に近い、となる。
マスコミを支配すれば世界を支配できるというこの大原則を早々と見つけて利用したユダ金は、邪悪ではあるが、やはり慧眼ではあったと言える。
毎日の仕事や雑務、社会的な騒ぎに取り紛れて朦朧状態になり、「自分の頭で考える」ということがほぼ不可能であるのが現代人なのだが、まずは自分のそういう状態を自覚するのがB層脱出の第一歩だろう。
もっとも、B層から脱出すると、他のB層とは話が合わなくなるから、家畜として群れの中で暮らすか、目ざめた人間として孤独に生きるかの選択をしなければならなくなる。どうにも、あちら立てればこちらが立たずである。前にも書いた山上たつひこの「光る風」のラストの場面が、そういう選択を強烈に提示していて、それを今でも私は覚えている。
さて、自分の頭を少しでも健全に保つ方法の一つは、常に過去に立ち戻ることである。ネット記事でも、最新のものを読むだけではなく、良ブログの過去記事などを読み返すと、その中には現在の指針となる良いヒントがたくさんある。

下の引用は「晴耕雨読」2010年12月29日の記事である。
長い記事なので、最後の部分だけを転載したが、ここに書かれたことは現在でも生きている。「理念的な改革推進派の民主党が勝つほうがより経済状況が悪化すると考えている。」という部分は、見事にその後の状況を予見していたと言えるだろう。もちろん、民主党革命が内部クーデターによって殺されなければ、また別の進展があったと思うのだが。
「万が一、本当にやばい政権交代や多数派形成が行われそうだったら、ブッシュ陣営が大統領選で行ったような不正が行われたり、「電子投票」の“結果操作”が行われるであろう。」という部分も、予測が当たったと見ていいのではないか。
そして、世界的大不況は、まさしく現在の状況であり、これから起こるのは「民衆の反乱」と、それに対して各国政府が「自国民に銃を向ける」という事態である、という予測が実現する可能性もかなり高いとは思う。しかし、羊のごとき日本国民だけは、それは絶対にしないとも思う。情けない話ではあるが、寄らば大樹の陰、泣く子と地頭には勝てぬ、というのが日本人の国民性なのである。とにかく、「お上」に対しては弱いし、権力者に反抗することなど頭から考えられないというのが日本人のDNAのようだ。まあ、そこが本来は日本人の良さでもあるのだが、草食獣は肉食獣の餌になるしかないのがこの世界の現実なのである。



(以下引用)


■ 「大不況」の仕掛けでもたらされる危機

大多数の国民が苦境に陥るため、「大不況」を仕掛ける方にも強い覚悟がいる。

「エンロン破綻詐欺」の後日談のように、“旧”中産階級や勤労者階級から憎悪や非難を浴びせられるだけなら「アホだから悪いんだ」と笑って済ませられるが、それが政治的な“反乱”に結びついていけば、命を失ったり、せっかく蓄積した財産を奪われることにもなりかねない。

政治的な“反乱”としては投票行動や直接行動が考えれるが、投票行動であれば、米国や日本など「文明諸国」では問題とならないだろう。

例えば米国の場合、共和党が負け民主党が勝っても、大衆が幻想でしかない変化に喜ぶという効果があるだけで、支配層にとっては痛くも痒くもない。

(日本でも、自民党が負けて民主党が勝っても同じことである。理念的な改革推進派の民主党が勝つほうがより経済状況が悪化すると考えている。欧州諸国も同じである)

政権が変わることで現状が改善されるのではないかと期待してもらったほうが、時間稼ぎもでき、支配層には好都合である。

万が一、本当にやばい政権交代や多数派形成が行われそうだったら、ブッシュ陣営が大統領選で行ったような不正が行われたり、「電子投票」の“結果操作”が行われるであろう。

問題なのは、既存政党や政治制度を無視した暴力を伴う反乱である。

9・11空爆テロ以降、米国のみならず「文明諸国」すべてが、対テロを名目にした国内治安態勢の強化を進めている。

日本も、有事法制の成立をめざしているだけではなく、警察官の自動小銃携帯が現実のものとなった。

このような動きを「対テロ対策」や「外敵への備え」だと考えるのは愚かである。

治安強化や軍隊の行動制限を取り払おうとする目的の第一は、国内“反乱者”の鎮圧である。

今後起きるであろう「世界同時大不況」は、世界の構造を根底から変えることも同時に企図されていると思っているが、それはここでは言及しない。

長い年月や大戦争が必要だったとは言え、「大恐慌」のあとにも好況期が巡ってきたように、「世界同時大不況」もいつかは終息することになる。

そうしなければ、日々の経済活動のなかで新たな儲けが難しいからである。しかし、そこで生きる多くの人は苛酷な生活を強いられることになるだろう。

(そうは言っても、失業率は25%の範囲内だろうから、みんながルンペンになるわけではない(笑))

アフガニスタンや中東の情勢も重要だし、日本の金融システム問題も重要だが、より根源的な問題である自分自身や家族の生存が脅かされかねない現実がひたひたと迫ってきている。

強欲な連中は、今、戦争=虐殺を拡大するだけでなく世界経済まで破壊しようとし、その結果生じるであろう“反乱”への備えまで強化している。

7/3/14






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