運転手“認知症の症状”で通院 宮崎市暴走

写真拡大



 宮崎市で28日、軽乗用車が歩行者らをはねながら歩道を暴走し、女性2人が死亡した事故で、軽乗用車を運転していた男性は認知症の症状があり、病院へ通っていたことが新たにわかった。

 この事故は28日、宮崎市内で男性(73)が運転する軽乗用車が歩道に乗り上げ、歩行者ら6人をはねながら約700メートル暴走したもの。この事故で、宮崎市に住む藤本みどりさん(66)と高木喜久枝さん(50)が死亡し、車を運転していた男性を含む5人が重軽傷を負った。その後の捜査関係者への取材で、男性は数年前から認知症の症状があり、病院へ通っていたことが新たにわかった。

 目撃者の女性「信号待ちをしていたら、歩道を走っている車が見えたので、自転車がバーってなぎ倒されて、車があっという間に横転するのを見たので、ただ事じゃないと思って」

 認知症だったという運転手の男性。警察は29日、危険運転致死傷の疑いで、鹿児島県にある男性の自宅に捜査に入った。警察によると、男性は28日朝、妻に目的地を告げずに鹿児島県の自宅を出発。その後、約100キロ離れた宮崎市で事故を起こした。目撃者によると、軽乗用車は時速60キロ近いスピードが出ていたという。

 暴走している最中の運転手を見た男性「ばーっとこちらを走っていった。この前を通っていって。(Q:運転手はどんな様子?)意識はあったと思いますね。ちゃんと前向いていたし。意識がなかったらふらついたりしませんかね。駅までかなり距離ありますから。まっすぐ行ってますんで」

 警察によると、男性は事故当時、会話がままならず、救急隊員や警察官の問いかけに対して、すべて「はい」と答え、「車道と歩道を間違ったのか」の質問にも「はい」と答えたという。警察は男性の回復を待ち、詳しく事情を聞く方針。