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癌治療の進歩(w)の「理由」

「逝きし世の面影」から転載。
長い記事を書いたのだが、なぜか途中で消えた(消された?)ので、記事紹介のみにする。


(以下引用)




「リードタイム・バイアス」って何?

2019年05月22日 | 放射能と情報操作
図1 リードタイム・バイアス

検診発見がんと外来発見がんとの間で生存率を比較する際に問題となる偏り。がんの発生から死亡までの時間が検診発見群と外来発見群の両群で等しい(すなわち検診の効果がない)場合でも、検診で早期診断された時間の分(リードタイム)だけ、検診発見がん患者の生存時間は見かけ上長いことになり、したがって見かけ上の生存率もあがることになるという偏りである。生存期間の始点が早期発見の分だけずれるという意味から、ゼロタイム・シフトとも呼ばれる。

■なぜ「生存率」ではだめなのか 国立研究開発法人国立がん研究センター検診研究部 検診評価研究室

「生存率」を用いて、がん検診の評価を行うことがありますが、この場合もがん検診特有のバイアスが紛れ込む可能性があります。
バイアスとは偏りのことで、真の状況からはかけ離れた状態を示すものです。
生存率の評価にはリードタイム・バイアスやレングス・バイアスが紛れ込みます。リードタイム・バイアスは、がんの成長や進展に関与するもので、検診によって発見された患者は有症状のために外来を受診した患者に比べ、がん発見が早いことから、見かけ上生存率が増加することで生じます。(図1)。また、レングス・バイアスは、検診は成長のゆっくりしたがんを見つけやすく、外来患者のがんに比べ予後が良くなる可能性を示しています(図2)。
「発見率」や「生存率」を根拠に新しい検診方法の導入を検討する場合には、こうした問題点を考慮する必要があります。


この国立がんセンターの図2 レングス・バイアスには最初の●がん発生、最後の■が死亡だった図1と比べれば一目稜線、重大な欠陥がある。(人マークと■が入れ替わり間違った結論に誘導)

がんの成長速度の差によるバイアスである。検診では成長速度の遅いがんのグループが発見される可能性が高くなる(レングス・バイアスド・サンプリングとも呼ばれる)。成長速度の遅いがんは、成長速度の速いがんに比べて一般に予後が良好である。したがって、検診発見がんと外来発見がんとで予後や生存率が異なっていたとしても、それが検診の効果なのか、あるいは各々で発見されるがんの成長速度の違いに由来するものなのか判別し難いというバイアスである。

『リード・タイム・バイアスとレングス・バイアスとは』 資本主義社会で生き残るために -不確実を財宝に変える発想

生存率と死亡率について。
生存という言葉は医療界にとってメリットがある。 何故生存という言葉は医療界にとってメリットがあるのでしょうか。 その一端を示すものとして、"リード・タイム・バイアス"と"レングス・バイアス"について説明します。
リード・タイム・バイアスやレングス・バイアスによって、見えないところで生存率を現実より高く見せ、私たちに医療の進歩を印象付けることができるのです。

リード・タイム・バイアスとは
リード・タイム・バイアス(Lead time bias)とは、生存期間が長くなることによって"医療が進歩した"と思わせるトリックを指します。
ここで生存期間とは医者に病気だと診断されてから亡くなるまでの期間を表します。
例えば55歳のときに胃がんと診断されて、その後5年後に胃がんで亡くなったら生存期間は5年ということになります。 しかし現代は医療の進歩によって、CTスキャンなどを駆使してがんを早期発見することができます。 その結果50歳の若さで胃がんを見つけられたとしましょう。

手術とか抗がん剤治療とかを駆使して、なんと最初に胃がんが見つかってから10年も生きられることができた! つまり生存期間が10年となって、昔に比べて2倍も延びています。
だけどちょっと待ってください。 上の二つ、よくよく見るとどちらも同じ60歳で亡くなっていますよね。 つまりがんの早期発見によって生存期間が長くなっただけで、亡くなる年齢は何一つ変わっていません
これがリード・タイム・バイアスです。

リード・タイム・バイアス
ポイントは「生存期間のスタート=病気だと診断されたとき」だということです。
これによってがんを早期発見するだけで、死亡年齢は変わらない(つまり医療は進歩していない)のに生存期間だけが延びてしまい、医療が進歩しているように見えてしまうのです。

リード・タイム・バイアスを利用した悪質な例
医療の進歩により、ガン患者の生存期間は年々増加しています。 例えば2009年に国立がんセンター中央病院によるシンポジウムで、大腸がんの生存期間が1980年の6ヶ月から2005年には4倍の24ヶ月にまで延びていることを紹介しています。
そして国立がんセンターはこれを抗がん剤の成果だと述べています。

大腸がんの生存期間の増加
一見すると抗がん剤によって生存期間が延びた、やったー!ということになります。 しかしここにも実はリード・タイム・バイアスのマジックが関わっているのです。
「がんもどき理論」で有名な放射線治療医の近藤誠氏は、著書「余命3ヶ月のウソ」の中で以下のように述べています。

『 1980年代あたりまでは大腸がんと判断するための肝転移は、がんの直径が8cm以上にならないと中々区別できなかったとのことです。 そして肝転移が発見されてからの生存期間中央値は大体6ヶ月程度でした。
しかしがん早期発見技術の進歩によって、2005年には直径1cmの転移したがんを発見できるようになりました。
直径1cm→8cmになるためには大体18ヶ月かかるので、医療技術の進歩によって従来より肝転移を18ヶ月早く見つけられるようになったのです。 』

2005年の大腸がん生存期間中央値は大体24ヶ月。 よって肝転移したがんが直径8cmになってからの生存期間は、24-18=6ヶ月。
つまり1990年も2005年も、肝転移した直径8cmのがんが見つかってから亡くなるまでの期間は一緒なのです。 これは大腸がんの薬が死亡率の低下にほとんど役に立っていないことを意味します。
生存期間が延びただけで、亡くなる年齢、死亡率はほとんど改善されていないのです。
つまり抗がん剤の効果は全くと言っていいほどないのです。
リード・タイム・バイアスを利用して抗がん剤の効果を不当に吊り上げた、悪質な例です。

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