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風の中の鳥 26

第二十五章 戦後処理など

 昔の戦争にはいい所がいくつかあるが、その一つは、戦争は貴族や騎士(武士)階級の仕事であり、庶民生活とはほとんど関係が無かったことである。もちろん、戦に駆り出される庶民も一部にはいたのであるが。
 ルドルフ王の軍を倒したフリードの軍隊が、ルドルフ王の城に向かうために行進するその様子を、道に沿った畑で働く農民たちは眺めていたが、その大半は、まだ、何が起こったのかも分かっていなかった。
 城の中では、逃亡したルドルフ王に取り残された家族や貴族たちが右往左往していた。まもなく、野獣のような敵の兵士がやってきて、女たちは皆強姦され、男たちの大半は処刑されることはほぼ確実だと、誰もが考えていた。
 ルドルフ王には王妃との間に二人の子供がいた。上は男で、すでに成人していたが、今度の戦で戦死しており、下の女の子は、まだ十四歳であった。母親が中々の美人だったためか、この子もちょっと可愛い顔をしており、母親は、我が身を犠牲にしてもこの可愛い娘を野獣どもの手から何としても守ろうと悲壮な決意をしていた。
 フリードたちが入城してきたとき、敵の大将のあまりの若さに人々は驚いた。まだ、髭すら生えていない若者である。
 宰相のケスタは、敵の大将フリードを恭しく迎えた。商人上がりの彼は、頭を下げる事と世辞を言う事は大の得意である。頭を下げながら、心の中では相手を馬鹿にしていたが。
「今やこのローラン国は、あなた様のものです。当然のことですが、我々の財産もすべてあなた様に差し出しますので、どうか命だけはお助け下さいますようお願い申し上げます。あなた様の御仁慈のお噂はかねてから聞いておりますので、我々の期待が裏切られる事はないと信じております。さすれば、臣下たちも臣民たちも皆、あなた様に感謝し、崇拝するでありましょう」
 フリードとしても、無駄に人殺しをする気はないので、城内の人々の命の安全だけは保証してやった。
 やがて、貴族たちそれぞれの城や住居に兵士たちが向かい、目ぼしい財産を没収して回った。その間に女たちの何人かが強姦されたり、私的な略奪が行なわれたりしたのは言うまでもない。いくらフリードがそれを禁じていても、末端の兵士の中には、それだけが楽しみの連中が多いのだから、完全に禁止できるものではないのである。その一つひとつが悲劇ではあるが、いちいちその描写を読むのは読者も不快だろう。ここはただ、戦とはそういうものだ、と思ってもらえばいい。
 フリードの方も、決して道徳的にふるまっていたわけではない。そもそも、道徳などというものは庶民生活の秩序維持のためにあるものであり、権力者には道徳など関係のない話なのである。このことは、旧約聖書や歴史の本などを少し読めばすぐに分かることだ。
 フリードは、ルドルフ国王の王妃が、すでに四十を越しているにも関わらず美しいことに驚き、早速手を出した。このあたり、まるで源義経と建礼門院の猥談である。昔から、男というものは、高貴な女性が無力な状況にあるのを思いのままにするというシチュエーションに、性的な興奮を感じるものらしい。まあ、高貴な女性といったところで、裸にすれば、普通の女性と何も変わるわけでもないが。
 酒飲みのルドルフ王は、ここ数年は不能の状態だったので、王妃は、若く逞しいフリードに攻め立てられて歓喜した。この世にこんな喜びがあったかと思うと、ルドルフ王が戦に負けてくれたことを神に感謝したい気持ちにさえなったくらいである。
 王妃の心配は、フリードが娘に手を出さないかということだったが、その心配は杞憂のようであった。王の後宮には多くの美女がいて、何も子供に手を出す必要はなかったからだ。
 ケスタにも娘が一人いて、二十四歳と少し年増だが、こちらも中々の美人だった。ケスタの方は、この娘マリカをフリードの后にしようと画策していた。
 ケスタは当然、宰相の座を追われていたが、そのうちどうせ自分は返り咲くことになる、と読んでいた。その読みはやがて実現するのだが、要するに、一般に敗戦後の処理には、その国の事情に通じていない戦勝国の人間より、敗戦国の官僚の方が使いやすいということから、結局、戦争責任は棚上げにしても用いることになるのである。敗戦後の日本で、日本を戦争に導いた官僚の大半が、一時は公職追放されながら、やがて米国の都合によって政治に復帰し、戦前そのままの政治を結局は継続するのに成功しているのは、そのいい例だ。日本の場合は、戦争責任者の一人である岸信介が戦後の日本の総理大臣になり、日本を破滅に導いた大本営参謀の辻正信が国会議員になるという滅茶苦茶がまかり通る、あまりにも不思議な国ではあるが。まあ、これは生き残った人間はいくらでも自分たちの都合がいいように自己宣伝をし、無知な大衆を引きずり回せるからである。
 フリードの方は、フランシアとエルマニアの戦の方に関心は向いており、行政面でなにやかやとケスタに相談するうちに、彼の明晰な頭脳や判断の的確さに感心し、次第にケスタに政治の一部を任せるようになっていった。まさしくケスタの読みどおりであった。
 一方、フランシアに侵攻したエルマニア軍は、最初のローヌの戦いでフランシア軍を打ち破った後、一月以上もかけて、首都パーリャに向かってゆっくりと進んでいた。それには事情があったのであり、物語の進行の都合上、フリードたちがローラン国を破るのを待っていたわけではない。
 フリードは、字の書けるケスタに頼んで、フランシア王への親書を書かせた。その親書には、フランシアと同盟を結ぶ代わり、王女ジャンヌとの婚姻を許して欲しいと書いてあった。
自分の娘とフリードとの結婚を望んでいたケスタは渋い顔をしたが、この若僧の新国王がこの先どうなるかを見てから娘との結婚は考えてもいいだろうと思い直したのであった。

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風の中の鳥 25

第二十四章 戦闘

 肥大漢のアルフォンスは特別誂えのプレートメイルを着て、通常の剣の三倍ほどもあるなぎなたを手にし、歩兵団の先頭に立った。同じくローダンも完全武装の姿で矛槍を担ぎ、もう一つの歩兵団を率いる。
「いいか、敵が投げ槍を投げ終わるまでは、無理に近づくなよ。その後は、槍部隊が先に立って進むのだ。その間を縫って入り込む敵は、俺がみんな片づけてやる。俺の手から逃れた敵に対しては、お前らは、二人三人がかりで立ち向かうのだ。危ない時は逃げてよいぞ」
 フリードに指示された通りに二人は部下たちに命令する。普通、戦で自軍兵士に「逃げてよい」などと言うことは無い。むしろ、自軍兵士の逃走をいかに防ぐかが常に問題とされるのである。だから、自軍の後ろで剣を構え、前線から逃走する者を斬り殺すという事がよく行われる。しかし、大半が素人である兵士たちに逃亡を禁じても無駄だとフリードたちは判断していた。むしろ、逃げてもよいという自由の中で、彼らを戦わせた方が、楽な動きができ、勝機も見つけやすいだろう。それに、もともと自由に戦に参加した連中を無理に死地に追いやる気はフリードたちには無かったのである。甘いと言えば甘いかもしれないが、そういう戦い方も可能だとライオネルもフリードも考えていた。
 空は真っ青に晴れ上がった初冬の日であった。風が穏やかにアルギアの野を吹いていく。
 野の一方に陣取った国王軍から鯨波(鬨の声)が上がり、軍がゆっくりとこちらに向かって動き出した。いよいよ開戦である。
 敵は両翼に騎兵を置いて左右を守らせ、背後に回られるのを防ぐ形である。フリード軍も右後方にジグムント、左後方にミルドレッドの騎兵隊が守っている。
 フリードは片手を上げ、一呼吸置いて大声で
「進め!」
と命じた。
 両軍ともゆっくりとした歩調で進んでいく。戦いの間合いに入るまでそのまま進んでいくのである。
 やがて国王軍の後方から矢が放たれた。矢はフリード軍の最前列に届き、楯で防ぐものの、何人かが矢に倒れた。同じようにフリード軍の歩兵隊の後方に位置していた弓部隊が矢を放つ。
 国王軍の騎馬隊が轟くような蹄の音を立てて、前面に出てきた。
 これこそライオネルが待ち望んでいた事だった。騎馬隊は確かに通常の歩兵部隊に対しては圧倒的な破壊力を持っている。しかし、槍ぶすまを作った歩兵隊に対しては、まったく無力である。騎馬隊の一部は、フリード軍に達する前に矢で射られて落馬し、あるいは馬を傷つけられて転落して怪我を負っている。そして、フリード軍に達した残りは、一面に構えられた槍の前に、為す術もなく立ち往生しているだけだ。馬の多くは棒立ちになって、乗り手を振り落とすものもいる。
 この様子を見た敵将は、ラッパを吹かせて騎兵隊を後方に下げようとした。その間にも弓で数頭の騎馬兵が射られて落ちている。
 フリードは手を上げて、騎馬隊に進撃を命じた。
 じりじりしながら出番を待っていたジグムントとミルドレッドは、鬨の声を上げて馬の腹を蹴った。二人に率いられ、騎馬隊が敵軍に向かって疾走する。この騎馬隊こそがフリード軍の精鋭の兵士たちである。しかも、この騎馬隊には秘策があった。彼らの乗っている馬は上から下まで鉄の網に覆われて体を保護されている上に、その網には長く突き出た鋭い刃が無数に付いていて、触れれば人の体を切る仕組みになっていた。アキムの別荘で兵たちを訓練している間にライオネルが数十人の鍛冶屋を使って作らせた秘密兵器である。しかも、彼らは二人ごとに組になって長さが五メートルほどもある鉄鎖を引っ張っていた。この鉄鎖にも鋭い棘が出ていて、それに触れた者に大怪我を与える。二頭の馬の間に入った者は鉄鎖に撥ね飛ばされ、鉄の棘で大怪我をすることになる。
 この異様な騎馬隊が敵陣に入ると、敵は大混乱して逃げまどった。なにしろ、馬に近づくことはできないし、離れて逃げようとしても鉄鎖に撥ね飛ばされてしまうのだから、まるで生身の人間が戦車にぶつかるようなものである。
 おそらく、この武器の噂が広がると、国王軍は警戒して対策を講じるだろうと思ったので、フリードたちはここまでこの武器を使わなかったのだが、その威力は絶大だった。
 敵のファランクスは今では滅茶苦茶だった。その間に、アルフォンスとローダンがその怪力で目の前の敵をばったばったと切り倒していく。二人を中心に、他の歩兵たちも奮戦している。
 戦闘はおよそ三時間ほどであっけなく終わった。
 形勢が圧倒的に不利になったことを悟った国王ルドルフは、数人の取り巻きだけを連れて逃亡し、その逃亡を知った国王軍はフリード軍に降伏したのであった。

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風の中の鳥 24

第二十三章 開戦の演説

 思えば、故郷を出てから今まで、まだ半年もたっていないのである。その間に思いがけぬ偶然から今はフランシアの皇太子妃となっているマリアを山賊の手から救い、その父のアキムの支援で小さいとはいえ一つの軍隊の隊長となった。その軍隊が今では五百人を超える人数に成長したのである。
 フリードは、ローラン国に向かって出発する前に王宮に忍び込んで抱いた王女ジャンヌの事を思い返していた。一国の王女を抱くというのは夢のような事であったが、それも不可能ではなかった。
 世の中には美しい女たちがおり、それを次々に物にする男もいれば、それに一生縁の無い男たちもいる。おそらくあのまま故郷にいたら、自分はその後者だっただろう。村の醜い娘と結婚し、何の魅力もないその体しか知らず、一生を終えたはずである。マリアやジャンヌ、そしてこのアリーのような美女を我が物とできただけでも、生きた甲斐はあった。
 翌日、ライオネル、ジグムントと共にフリードは全軍の前に立ち、最後の指示を与えた。
 国王軍の人数はおよそ千数百人、こちらは六百人にわずかに欠ける半分の戦力である。しかも、その大半は武器など手にしたこともない農民や町人の若者だ。しかし、ここまで征服してきた村や町の軍隊から武器は奪っており、一応それぞれに武器は持ってはいる。実際の戦闘の経験が無いという点では、国王軍も似たり寄ったりである。
 フリードは、その事を自分の兵士たちに言った。国王軍兵士は案山子に過ぎない。お互いに武器を持ちさえしたら、百姓と変わる事はないのだ。逆に、こちらには歴戦の勇者が何人もいる。アルフォンス、ローダン、ミルドレッドの名前はフランシアに鳴り響いている。それに参謀ライオネルは有名な騎士長だった男で、知恵の塊だ。ジグムントは老人だが、これも他国にまで知られた剣豪だ。これだけの勇士、猛将に率いられたこの戦が負けるわけはない。
 フリードは、だいぶ前から弟のヴァジルを弓隊の隊長に任命していた。この事に異存のある者はいない。ヴァジルは若いが、弓は名人であり、勘もいい。度胸があって喧嘩も強いから、部下を統率することはできるだろう。アルフォンスとローダンが歩兵隊の隊長、ジグムントとミルドレッドが騎兵を指揮している。ジラルダンは、今は将軍と名乗っているフリードの副官として戦の命令を各部署に伝える役目である。ラッパや太鼓で全軍の行動を指示する事も考えたが、戦場の騒ぎの中ではかえって誤りやすいとして、ジラルダンを伝令にしたのである。
 「お前達は、全軍の状況は知らなくても、とにかく自分の直接の指揮官の指示に従いさえすればよい。戦闘が始まったら勝手に戦えばよいのだ。中には怖くなって逃げ出す者もいるだろうが、それは問わない。お前たちは、この国を暴君の手から救うために立ち上がったのだが、それは自分自身のためでもあるはずだ。だから、命を捨ててまで戦えとは私は言わない。ただ、誰が勇敢に戦い、誰が逃げたかを覚えておくがよい。もっとも勇敢だと皆が認めた者には最大の褒賞をしよう。臆病者は勝手に逃げるがよい」
 フリードが言うと、兵士たちは怒ったように、
「俺は決して逃げない。死んでも戦ってみせる」
「そうだ、俺は死ぬ事など怖くない!」
と叫んだ。
 フリードは満足げに頷いた。
「お前達は立派な兵士だ。私はお前達を誇りに思う。では、今日がこの国の新しい夜明けになることを信じて戦おう」
 フリードはそう語って演説を終えた。
 ジグムントは感心したようにフリードに囁いた。
「お主、なかなかの役者だな。お主の演説で、兵士たちは死ぬ気で戦うぞ」
 アルギアの野の一方には国王軍が既に布陣を終えていた。小国の軍隊とはいえ、ローマ式の密集陣形を整然と整えた様はさすがに威圧感がある。大楯で前面を固く守り、投げ槍を構えているその様は、まるで甲羅の中の亀である。
「あれをどう打ち破る?」
 フリードはライオネルに聞いた。
「歩兵隊をまず進軍させましょう。彼らの投げ槍は一度使えばそれきりです。しかし、馬を倒されてはまずいから騎兵では分が悪い。また、弓も楯に防がれるでしょうから駄目です。騎兵と弓隊を後詰めにして、盾で投槍を防ぎながら、歩兵隊に切り込ませます。それも長槍部隊を前面にしてまずファランクスの前面を突き崩し、重装歩兵の肉弾戦に持ち込みます。その横から騎兵隊に切り込ませ、防御の薄くなったところや大将級の騎士に対しては集中して矢を射込ませましょう」
「分かった。良い考えだと思う」
 フリードはライオネルの案に従って各隊長に指示を伝えた。まず歩兵部隊が先陣を切ると聞いて、アルフォンスとローダンは満足げに「よしっ」と頷き、ジグムントとミルドレッドは不満そうな顔をした。しかし、国王軍を打ち破るにはこの手順が良いのだと言われて、二人はこの脇役に甘んじることにしたのであった。

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風の中の鳥 23

第二十二章 進軍

 ジャンヌの体を手に入れた事で、もはやフリードには思い残す事はなかった。後は、思いのままに暴れて、戦に勝てば良し、負ければ死ぬまでのことである。死が日常であった時代の人間だから、フリードに限らず、当時の人間は死をそれほど怖がってはいない。
 フリードはライオネルと相談して、ローラン国に向かう事にした。アキムとの約束で、エルマニア国がパーリャに迫った場合は、駆け戻る事にしているが、都合良く戻れるかどうかは分からない。アキムにしても、フリードの軍にそれほど大きな望みを掛けているわけではない。これほどの商人になると、自らを護るための手段は、幾つか講じてはいる。
 フリードの軍勢は、今は百人を超えていた。そのうち、弓兵が二十人ほどで、後は皆、騎兵である。騎兵だけで八十人なら、立派な軍隊と言える。
 弓兵たちも、馬にこそ乗れないが、山の民で健脚であるから、一日に四十キロは歩ける。武器が軽い弓であるから、大して疲れることもない。
 この軍隊には、例の三人の女も付いて来ていた。そして、彼女たちは、兵士たちの夜の相手をした。今で言うなら、従軍慰安婦であり、世の人権主義者やフェミニストたちが眉を逆立てて怒りそうだが、これは彼女たちが望んでやっているものである。男好きの女にとって、一日に何人もの男を味わえるのは、願ってもないことである。しかし、女騎士である赤毛のミルドレッドは、その巨大な胸で男たちを悩殺し、生唾を飲み込ませたが、夫以外の男とは寝ようとしなかった。といっても、他の男と卑猥な冗談に打ち興じたり、若いハンサムな男に流し目を呉れたりすることはあったから、他の男に興味が無いわけでもなさそうだ。他の男と寝ないのは、亭主を傷つけたくないというだけのことのようである。
 ミルドレッドは、特にフリードには気があるようで、フリードはミルドレッドが自分に馴れ馴れしくするたびに、ライオネルをはばかってびくびくした。彼はライオネルが好きだったから、彼と揉め事は起こしたくなかったのである。
「ミルドレッドはお主に気があるようじゃな。隊長として、この危機をどう脱出するか、見物じゃわい」
 ジグムントは、そうした状況を面白がって、フリードをからかった。
 パーリャを出て数日後、フリードの軍はローラン国に入った。
 首都アルギアへ向かうその途中の村落や町で、彼らは早くもローラン国王の兵士たちに誰何され、衝突した。しかし、村や町を守る兵士は、わずか数十名ほどであり、百姓をいじめる能力しかない連中で、鍛えられたフリード軍の敵ではなかった。
「我々は、ルドルフ王の暴政に抗して立ち上がった者たちである。お前たちの命を無駄に奪おうとは思わない。降伏して我々の味方になるがよい。そうすれば、お前たちは悪王の手下から救国の英雄になれよう」
 例によって、ジラルダンが熱弁を振るって敵の兵士たちを説得すると、敵兵たちは動揺し、こちらに寝返る者も多かった。敢えて戦った者も、味方が圧倒的に劣勢であることを知ると、すぐに投降したのである。
 フリードとライオネルは、味方の兵士たちに、民百姓の物は奪うな、女は犯すな、と固く戒めていた。もちろん、それが大半の兵士の戦に加わった目的だったから、この指示に対して兵士たちの不満は大きかったが、二人が、それが戦を勝利に導く手段なのだと説得すると、大半は納得して指示に従った。だが、もちろん、中には指示に従わない者もいる。明らかに暴行略奪をした自軍兵士を、フリードは占領地の人民の前で斬り殺した。今で言えば、もちろんパフォーマンスである。これによって、フリードの軍は侵略者ではなく正義の軍隊であり、悪政を行なう国王から全国民を救い出す存在なのだという事をアピールしたのである。
 この噂は、やがてローラン全土に広がった。これはライオネルの策であり、占領地の住民から何人かを選んで、フリードの軍は救国軍だ、という噂を述べ広めさせたのである。
 こうして、フリードの軍は雪だるま式に膨れ上がっていった。投降した国王軍の兵士や、占領地の住民から兵士を希望する者が加わって、今では五百名を超える軍隊に成長していた。もちろん、全員に渡すだけの武器はないから、装備は貧弱だが、人数がいるというだけでも大きな戦力である。装備は使い廻しできるし、敵から奪うこともできる。しかし、人間の命は簡単には補充できない。
 フリードの軍には女もいると知って、従軍を希望する女たちも多かった。大半は、町や村で貧困にあえぎ、あるいはいわれのない差別に苦しむ女たちである。中には、驚くほどの美貌の娘もおり、これはもちろん隊長の特権で、フリードが自分専属の女にした。それに対して文句が出るほど民主主義的な時代ではない。偉い人間は、それなりの特権を持って当然だ、というのがこの当時の人間の考え方なのである。
 娘の名はアリーと言った。父が泥棒をした廉で死刑にされ、母は父の弟と再婚したが、アリーが美しいのに血迷った義父に強姦された後、二人の関係に気づいた母親から毎日のように折檻されるのに耐えかねて、従軍を希望したのである。
 マリアにどことなく似た寂しげな風貌で、境遇も似ている。なまじ美しいために酷い目に遭ったという点も同じである。今なら芸能界や水商売で体を売って金を稼ぐこともできるが、下層階級の美貌の娘は、男の慰み者になるしかない時代である。
 フリードに女が出来たことでミルドレッドは機嫌を損ねるかと思われたが、そうでもなかった。逆に彼女はアリーを自分の妹のように可愛がったのである。孤独に生まれ育ったミルドレッドは、妹が欲しかったらしい。人形のように可愛く大人しいアリーはある意味ではミルドレッドの理想の玩具なのかもしれない。
 アリーにとっては、生まれてからもっとも幸福な日々が、この軍隊に入ってからであった。つまり、それほど彼女の人生は酷いものであったというわけだが。
 夜、フリードに抱かれることも快いものだった。義父に抱かれている時は、母親に見つかる恐怖と罪悪感しか無く、義父の中年男の臭い匂いや弛んだ腹も嫌悪感しか抱かせなかったが、今、この若い男に抱かれる事は、何かに守られているような安心感を彼女に与えた。ある意味では、世界の中で、ここが彼女の居場所だ、という気分になれたのである。
 やがて、フリードの軍隊は、アルギアまであと五十キロという地点まで来た。そして、国王軍がフリード軍を迎え撃つためにアルギアの野に軍勢を進めているという情報が偵察部隊からの報告で分かった。いよいよ、決戦の時が迫ってきたのである。

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風の中の鳥 22

第二十一章 ロイヤル・ファック

 エルマニア国の侵攻の噂で、パーリャの町は慌てふためいており、町の通りは、戦乱を避けて地方にしばらく逃れようとする人々で溢れていた。そのほとんどは商人で、町の無頼漢たちはむしろ、戦の混乱に乗じてあわよくば女を犯し、財物を奪う機会を狙っていた。こうした機会なら、普通なら一生手の届かない貴族の婦人や姫君を犯すことも可能である。なにしろ、普段なら女たちを護っている男たちはみんな戦場に出ているのだから。
 もちろん、身分の高い者たちや金持ちたちはその辺のことは重々承知していて、家には警護の者を残しているが、実のところ、その警護の人間も怪しいもので、その家の奥方や娘と通じる者、強盗に早変わりする者も少なくない。
 要するに、戦という物は男にとっても女にとっても割に合わないもので、戦が割に合うのは、それで商売をする人間と無頼漢にとってだけだということである。自分が戦場で命を賭けて戦っている間に、家では自分の女房や娘が浮気をしたり強姦されたりしているわけで、戦場になど出ないに越したことはない。もちろん、自分自身が戦場で敵国の女たちを犯そうと思うのなら、それはお互い様、ということで、ひどい目に遭うのは女だけ、ということになる。まあ、いずれにせよ、自分が戦で死んでしまえばそれまでだが。
 フリードは、戦に出るに際して一つ心残りがあった。王女ジャンヌの事である。戦に出たら、いつ死ぬか分からない身、ならば、死ぬ前にジャンヌを一度抱いてみたい、と彼は考えた。庶民が王女を抱くなど、現代では、途方もない夢想だが、昔ならありえない事ではない。古代のギリシアだかローマだかでは、王が何かの情報を手に入れるため王女を娼婦にして目的を果たした話もあるし、王妃自身が自分の好みで娼婦になっていた例もある。また、中世の封建領主の娘、つまり姫君の役目の一つは騎士の世話をすることで、その中には当然夜の勤めもあったようである。お伽噺とは違って、姫君と言っても、それほど大事にされていたわけでもないのである。
 フリードが王宮に入る手蔓としては、当然、今は皇太子妃となっているマリアしかいないが、さすがに皇太子妃と連絡を取るのは難しい。しかし、アキムの妻サラを通じて、フリードはマリアと面会する機会を得ることができた。
 マリアは、ジャンヌに会いたいというフリードの願いに小首をかしげたが、やがてあっさりと
「いいわ」
と言った。
「戦の準備で宮中が騒がしい今なら、あなたが紛れ込んでも分からないでしょう。夕方まで兵士の中に紛れて、日が暮れたら私の部屋にいらっしゃい」
 フリードは、この言葉を聞いて、天国にも昇るような気持ちになった。マリアがどんな気持ちで彼の望みを聞いたかは分からないが、フリードはそんなことなど気にも留めなかった。
 王宮の中庭で出陣の準備をしている兵士たちに紛れて、フリードは日暮れを待った。
 やがて日が落ちて、あたりが薄暗くなった頃、フリードはこっそりと王妃の部屋に向かった。
「ここよ、ここから王女たちの部屋に行けるわ。ジャンヌの部屋は廊下の手前から三番目の部屋。しっかりね」
 マリアは、フリードの手を握って、そう囁いた。フリードはその柔らかな手の感触に欲情し、思わず彼女を抱きしめてしまった。
 柔らかな体は、以前よりも少し豊満になったようだ。マリアの体も、電気に打たれたようにすぐに反応した。実のところ、皇太子は性的に虚弱で、マリアの体は男に飢えていたのである。しかし、さすがに皇太子妃としての慎みが彼女に我慢させた。
「あん、駄目。皇太子が間もなく来るわ。さあ、行きなさい」
 フリードは、マリアに心を残しながらそこを離れた。
 王女ジャンヌの部屋のドアをフリードは開いた。もちろん、錠などない。
 壁に掛かった松明は薄暗いが、豪華な室内の調度は見える。そして、天蓋の掛かったベッドでうたた寝をしているジャンヌの姿も。
 フリードは、ジャンヌの寝顔を見下ろした。金髪の巻き毛に埋もれるように眠っているその寝顔の美しいこと。まさに、天使である。フリードは、ジャンヌの寝姿を上から下まで眺め下ろしながら、この美しい存在のすべてが今、自分の手中にあることにぞっとするような興奮と欲望を覚えていた。
……
(以下半ページほど、エロシーンになるので、再び割愛する。実に健全な物語作法ではないか。)
……
ジャンヌは目を覚ました。そして彼女は、自分が男にのし掛かられているのに気づいて、恐怖に駆られた。
(エロシーンはまだ半ページ続く。)
……
ジャンヌは男の体を持ち上げて逃げ出そうとした。
 しかし、男の太い腕が彼女を捕らえて放さない。凄い力である。
「王女様、お静かに。あなたの処女はもう私が頂いた。この事が他人に知られるのは、あなたにとってはまずいでしょう。私の名前はフリード、あなたをお慕いするあまりに、このような無礼に及びました。許せ、とは申しません。私はいずれ一国の国王になってあなたを王妃として迎えます。その時までお待ちください」
 男はズボンをはき直すと、一礼して立ち上がった。
 松明の光で見えたその顔は、ジャンヌの見たことのない顔だったが、ハンサムな若者だったので、ジャンヌは一安心した。これなら、突然の夜這いで犯されて処女を失っても、まあ、幾分か我慢はできる。(我慢などできるか! と柳眉を逆立てている女性の読者もいるかもしれないが)それにしても、この男は一体何者だろう。ジャンヌはフリードというその若者の名前と顔をしっかり心に焼き付けた。
 フリードは、今の出来事を反芻しながら、皇太子妃マリアの所に戻った。マリアの方は、先ほどフリードに抱きしめられた時から体に火がついていた。皇太子は例によって、マリアと短い交接をした後、自分だけ満足して眠りについている。
 フリードが戻ってきたのを知ってマリアは寝床から立ち上がった。
 闇の中でフリードを探し、マリアは自分からフリードを求めた。続き部屋にフリードを導き、真っ暗な中でふたりは口づけをした。もちろん、若いフリードの体はとっくに元気回復している。
 (以下、約半ページ割愛。)
 マリアと二回交接した後、フリードはこっそりと宮廷を抜け出した。かくして、一晩のうちに国王の娘は処女を失い、皇太子妃は結婚後最初の浮気をしたのであった。

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風の中の鳥 21

第二十章 戦いの決意

 村での募兵活動を終えてフリードたちはフランシアに戻った。来た時はフリードとティモシーの二名に途中で拾った三人の娘の五人だったが、今は二十七名の大所帯である。馬は二頭しかいないから、旅も来た時よりは遅い。
 彼らがパーリャに戻ったのは、もう秋も深まった頃であった。そして、彼らが戻るとほとんど同時に、エルマニア国がレヌール河を渡ってフランシアとの国境のアルーザ地方を侵略したという情報がパーリャにもたらされた。
 パーリャ郊外のアキムの別荘に着いたフリードは、ジグムントたちとの再会の喜びもそこそこに、戦への対応についてライオネルと話し合った。
「おそらく、エルマニア国は、アルーザからローヌを通ってパーリャに向かうでしょう。エルマニア軍の進軍速度が通常通りなら、最初の大きな戦いは、二週間から半月後、戦場はローヌかカロになります。問題は、ローラン国がどう出るかですが、フリード殿は、フランシアと同盟を結ぶようにローラン国王を説得できるでしょうか」
「その事だが、実は……」
 ライオネルに向かってフリードは、実は自分はローラン国の貴族ではなく、むしろローラン国王に恨みを持つ庶民の人間である事を打ち明けた。
 あっけに取られた顔のライオネルは、彼には珍しく大笑いした。
「そうですか。本当の所、あなたの振る舞いには貴族らしい所がないな、とは思っていたのですが、やはりそうでしたか。だが、そんな事はかまいません。今の世の中は、力のある人間が腕でのし上がれる時代です。我々は、戦に勝って、これから貴族になればいいのです」
 笑いをやめて真面目な顔になり、ライオネルは、ならば話は簡単だ、まず我々だけでローラン国を攻め落とそう、と言った。
「もちろん、ローラン国がいくら小国でも、千人以上の軍隊を相手に戦うのは簡単ではありませんが、エルマニア国を相手に戦うよりはましでしょう。我々がのし上がるためには、どうせどこかで冒険をしなければなりません。その相手として、ローラン国は手頃です」
「しかし、百人足らずで一国を相手に戦えるかな」
「我々の百人は、普通の軍隊の二百人に相当します。これは自惚れではなく、そのように鍛えてきたのですし、また、私には大敵を打ち破る秘策があります」
 ライオネルの力強い言葉にフリードは頷いた。
 いよいよ、父や母の仇、ローラン国王と戦うのだ、と思うと、フリードの胸の中には熱く沸き立ってくるものがあった。

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風の中の鳥 20

第十九章 弟との再会

 フリードが故郷のムルドの村に着いたのは、パーリャを出てから二週間後だった。前にムルドからパーリャまで行った時にくらべると、随分早い。前の時には当てもなくぶらぶら歩いただけだし、途中で山賊に囚われた娘たちと関わったため、長くかかったのである。
 ムルドの村は、残暑の厳しい中、ひっそりと静まり、周りの木々で鳴くセミの声だけがやかましく響いていた。
 村の広場には子供たちが数人遊んでいたが、彼らはフリードの姿を見て驚いて家の中に隠れてしまった。この立派な騎士姿の男が自分たちの知っているフリードだとは気づかなかったのである。
 フリードは自分の家に行ってみた。
 村の家の中では一番大きくて頑丈に作られた家だが、只の百姓家である。家の中に鶏や山羊まで飼っていて、中は藁と家畜の匂いがする。
「お父さん! 僕です、フリードです」
 薄暗い家の中には誰もいないようであったが、家の裏庭の方から誰かが入ってきた。
「誰だ? この家に何の用だ」
 その男が弟のヴァジルである事をフリードはすぐに見て取った。
「ヴァジル! 僕だよ、フリードだ」
 その男は、薄暗い中でしばらくフリードを注視していたが、やがてつかつかとフリードの所に歩み寄った。
 フリードは弟を抱きしめようと両手を上げた。
 しかし、男はいきなり拳を振り上げて、フリードを殴りつけ、フリードを地面に打ち倒した。
「ヴァジル、何をする!」
 フリードは殴られた顔を押さえて叫んだ。
「訳は自分の胸に聞け。お前の為にお父さんもお母さんも国王の兵士に殺されたんだぞ」
 フリードは呆然となった。村を脱出した時からある程度予想していた事ではあったが、まさか本当にそうなるとは思っていなかったのである。
「そうか……。お父さんもお母さんも死んだのか。お前はどうして助かった?」
「俺が狩りに出ている間に兵士たちは来たんだ。お父さんとお母さんを殺し、村の財産をすべて奪い、若い娘たちを犯し、兵士たちは去って行った。この村の人間は、今は皆、生きる気力も失っている」
「しかし、お父さんは、国王の命令を受ける気は無かった。いずれにしても、獲物の半分を年貢に取られてはこの村の者は生きていけん」
「だが、お前が国王の兵士を殺さなければ、お父さんが報復に殺される事も無かった。みんなお前のせいだ」
「よし、分かった。その罪は認めよう。だが、こんな言い合いをしていて何になる。俺とお前が争って何になる。悪いのは国王だろう。なぜ、国王を倒そうと思わないのだ」
「馬鹿な事を言うな。鎧を着た千名もの兵士に、どうして立ち向かえるというのだ。皆殺しにされるのが落ちだ」
「では、ここで飢え死にするのを待つのか。いくら獲物を取ったところで、みんな王に横取りされるだけではないか。それでも戦わないのか。それでも男か!」
 ヴァジルは、フリードの言葉に黙り込んだ。もともと血の気の多いヴァジルには、男らしくないという非難は一番応えるのである。
 やがてヴァジルは口を開いた。
「もしもお前が国王を倒すために戦うというのなら、お前を許そう、フリード。俺達で父と母の仇を取るのだ」
 ヴァジルの差し出した手をフリードは握りしめた。
 それまで家の玄関で二人の様子を怖々眺めていたフリードの連れの娘たちが、二人が和解したらしいのに安心して、家の中に入って来た。
 ヴァジルは娘たちにびっくりして、フリードを問うように見た。
「俺の連れの娘たちだ」
 フリードはヴァジルに娘たちを紹介した。
「まあ、ハンサムな人。お兄さんもいい男だけど、こっちが可愛いわ」
 実際、ヴァジルは村中の娘の誰よりもきれいな顔をしていると評判の少年だったのだが、本人はそう言われるのを嫌がっていたのである。
 しかし、そう言われたヴァジルは怒るどころか、顔を赤くしてもじもじしている。なにしろ、村では見たことがないほど可愛い娘たちだったからである。
 フリードが戻って来たという噂を聞いて、村の者たちがやがて集まってきた。中にはヴァジルと同じように、村の受けた災難をフリードのせいにして怒っている者もいたが、大半は昔からのフリードの仲間や友人、先輩たちであり、フリードに対して暖かい友情と愛情を持っていた。彼らはその夜、フリードたちを迎える宴会を開いてくれたのであった。
 宴会の席で、フリードは国王軍と戦うという考えを皆の前で述べた。
 大半の者は、ヴァジルと同様、最初はその考えに否定的であったが、このままではこの冬を越す事も難しい、ということ、また娘や女房や姉妹を国王軍の兵士たちに犯された恨みが彼らに、フリードの考えに耳を傾けさせた。
「俺はやるぜ。他の者が厭だと言っても、俺はフリードの軍に入る。こんな貧乏暮らしにはもううんざりだ。まるで虫けらの暮らしじゃねえか。いくら働いても、みんな上の人間に取り上げられるばかりだ。死んだっていいさ。ここにいたって惨めに死んでいくだけじゃねえか」
 若者の一人が立ち上がって叫んだ。他の若者たちも「そうだ、そうだ」と同調する。
 年寄りや家族持ちはさすがに首を横に振って不賛成の様子だったが、その場にいた人間のうち、フリードの軍に参加すると決めた者は十二人いた。中には、家族持ちのくせに、フリードの軍に入ることを申し出る者もいる。
「俺は戦で稼いで、この村に帰ってくるぜ。その間はお前達だけで何とかして食っていってくれ」
 その男は女房に向かってそう言ったが、女房は夫の胸を叩いて、馬鹿なことはやめろと泣き叫んでいる。
 フリードは懐から金の入った袋を出して、その中から金貨五枚を取りだし、その女房に与えた。
「この金で、亭主が帰るまで食っていけるだろう。それで我慢してくれ」
 周りの者たちは目の玉が飛び出るような顔で、その金貨を眺めていた。金貨一枚は、およそこの村の人間の半年分の収入に当たる。
 フリードは、徴兵に応じた者たちにそれぞれ金貨五枚ずつを与え、彼らはそれを自分の家族に渡した。それを見て、徴兵に応じる者がさらに十名増えた。結局、村の働き盛りの男のおよそ三分の二が徴兵に応じたのである。

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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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