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我々は他人の不幸に平然と耐えきれるほどに勇敢だ

井口和基氏のブログから転載。タイトルはラ・ロシュフーコーの言葉だったかと思う。

根本的に原発というのは「原爆の核反応を容器内に閉じ込めて制御する」という非常に無謀な行為であり、しかもその核廃棄物を処理する手段は無い(人間が居住していないところを見つけて捨てるしかない)のだから、その存在自体があってはならないものだろう。それが50年以上も稼働してきた中で、周囲には様々な放射能被害があり、小さな事故も無数にあったのだが、それらのほとんどは隠蔽されてきたために原発に反対する声は大きなものとならなかった。それが日本にとって最大の不幸である。
今回の福島原発事故は「起こるべくして起こった」ものであり、「想定外」の出来事でも何でもない。
科学教を信じる信者は、おそらく今回の大惨事にも何一つ反省はしないだろう。「科学の進歩に犠牲はつきものだ」と、彼らは心の底で思っているのだ。言いかえれば「金のためなら多少の犠牲は仕方がない」ということだ。「自分が安楽な暮らしができるなら、原発立地地帯の人間が放射能被害に遭ったってかまうものか」ということだ。だが、今や死の灰は日本全土に降りかかっている。
まあ、「ただちに健康に害はない」と政府は言っているし、「長期的に見れば、我々はみな死んでいる」(ケインズ)のだから、のんびりと死んでいくか。

これからの子供たちには、ただ自分たちの無力を詫びるしかない。


強欲資本主義のモットーになりそうな言葉。

「自分が一杯の紅茶を飲むためなら世界が滅んだってかまうものか」
(ドストエフスキー『地下生活者の手記』より)



(以下引用)



問題なのは、原子炉を直に設計し、現場監督として、その製造過程からすべて指揮し、監督して来たその本人が、地震のない国アメリカで設計された、GEの原子炉構造







(スカートとは、この図の金色の部分)

は地震国の日本には適さないと言っていることである。特に、格納容器と圧力調整プールを繋ぐ「スカート」と呼ぶ部分の構造は実に華奢で、地震による垂直の突き上げ振動や横揺れ振動を受けたらすぐに破損するというのである。さらに、格納容器の内部の冷却用配管や緊急時の調整用の配管などは、上から吊るす形で溶接設置されているため、振動に弱く、すぐに破断すると言っているのである。

これまで、日本のGE製の原子炉は、電源があれば何とかなる。だから、電源を異なる予備電源を備えれば何も問題ないと考えられて来た。東電も日本政府も官僚も東大エリートもみなそういって来た。しかしながら、設計し作製した本人が地震には非常にもろい構造であると主張しているというわけである。

以上のすべてを考慮しても、日本は全原発を即刻稼働停止、そして逐次廃炉にしてゆくべきだろう。私はそう結論せざるを得ないと思う。このまま地震やその余震が続くのであれば、今度は、新潟や六ヶ所村、福井など他の場所の原子炉も福島化しないともかぎらないからである。


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学者からも愛想をつかされた政府

「毎日jp」から転載。
このところ東大というと御用学者の巣窟という目で世間から見られていたが、中には良心的な学者もいる、ということか。


(以下引用)


. 福島第1原発:内閣官房参与、抗議の辞任
 東日本大震災発生後の3月16日に内閣官房参与に任命された小佐古敏荘・東京大教授(放射線安全学)が29日、菅直人首相あての辞表を首相官邸に出した。小佐古氏は国会内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故の政府対応を「場当たり的」と批判。特に小中学校などの屋外活動を制限する限界放射線量を年間20ミリシーベルトに決めたことに「容認すれば学者生命は終わり。自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と異論を唱えた。

 小佐古氏は、政府の原子力防災指針で「緊急事態の発生直後から速やかに開始されるべきもの」とされた「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」による影響予測がすぐに実施・公表されなかったことなどを指摘。「法律を軽視してその場限りの対応を行い、事態収束を遅らせている」と批判した。

 小佐古氏はまた、学校の放射線基準を、年間1ミリシーベルトとするよう主張したのに採用されなかったことを明かし、「年間20ミリシーベルト近い被ばくをする人は放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を小学生らに求めることは、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」と述べた。【吉永康朗】

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我々は言葉を事実と思いこむ

「阿修羅」経由で転載。
船井幸雄という人物については、私はまだ判断しかねているのだが、「人を信じやすい人間」であるという印象がある。たしか経営コンサルタントもしていたと思うが、自分で経営のできる人間だとは思われない。しかし、人間を信じること自体が悪いわけではないし、信じることから物事に意外な進展が生まれることもある。オカルトや陰謀論、擬似科学の中に本物の信仰や政治経済の真実、新しい科学が存在していることもあるだろう。しかし、信じることはその相手に対し盲目になることでもある。

下記の記事の中の「入力より出力が大きい装置」は、科学の第一原則とも言うべきエネルギー保存の法則に反する、いわば「永久運動装置」などの「不可能装置」に近いものに思われるが、詳しい内容が分からないのでこれ以上の批評はできない。
松下幸之助については、最初から肯定的に見る結論から出発しているので、実態が見えていないように思われる。確かに松下幸之助は経営の天才だった。だが、彼がそれ以外の点で立派な人間だったかどうかは別問題だ。単なる金儲けの名人なら、称揚する必要などない。さらに、その残した松下政経塾の出身者が世間に害毒を流しているのは明らかである。ならば、松下幸之助はただ政治を利用して金儲けをしたかっただけだと思われてもしかたがあるまい。
松下幸之助語録は経営のバイブルかもしれないが、人間は「口ではどんなきれい事でも言える」ものだ。

東電のパンフレットの最初には、「東電は倫理観にあふれた人間の企業である」と清水社長のお言葉が麗々しく書いてあったそうだ。福島の人間にぜひ読んでもらいたいパンフレットである。


(以下引用)


松下政経塾と原子力発電 (船井幸雄)
http://www.asyura2.com/11/genpatu10/msg/137.html
投稿者 Orion星人 日時 2011 年 4 月 28 日 20:50:08: ccPhv3kJVUPSc


http://www.funaiyukio.com/funa_ima/

 4月23日の土曜日のことです。浜名湖の西隣り、静岡県湖西市の三上元市長から電話がありました。
 彼は何十年も私のところ(船井総研)で私の片腕として、名経営コンサルタントとしても大活躍してくれた人で、船井総研の社員、役員などを歴任後、退職して、生まれ故郷の湖西市の市長になったすばらしい人です。ストレートで絶対にウソも言わない人でした。
 いきなり「原子力発電所をどう思いますか?」と言ってきました。
 「そんなものいうまでもない。やめるべきだよ」と答えると、「そうでしょう。静岡県の市長会で、それが問題になっており、やめるべきだ……と思うんですが、ほとんどの市長は、態度を明らかにしないのです。原子力発電をやめないで、つづけるべきだという人々が50%はいますから」と彼は言うのです。
 経営者やトップというのは、「絶対に安全」と確信できないことにゴーサインを出してはいけないのです。これは経営者の常識です。というよりもこれは意志決定の原則なのです。「想定外の出来事がおこらない限り安全だ」と言っていた福島第一原発が、安全でなかったのですから、これを知っただけで、まともなトップなら「原子力発電所は止める」と意志決定するのが、トップとしての常識のはずです。
 「これからの電力供給は、原子力発電以外によい方法が、いまのところではない。だから、徹底的に安全策を取って、原子力発電を続行するべきだ」というのが、政治家や世界の首長たちの大多数の意見のもようですが、このような人たちは、トップとしての意志決定法を知らないのです。非常時のトップの経験がないか勉強不足だと思います。
 電力供給の方法というかエネルギーの供給の方法はいくらでもあります。
 『聖書の暗号』には、日本は「この3/11事故を機にメタン・ハイドレードに、エネルギー供給の主軸を移すだろう」と読める「愛のコード」があります。
 日本の近海には、多くのメタン・ハイドレードが埋まっているということです。
 詳しくは稲生雅之さんの本でも、ブログでも見てください。
 また、すでにフリーエネルギー技術が実験的には完成しています。それらは、いままで「闇の勢力」といわれている石油エネルギーを牛耳る一派に何百件もの特許を葬り去られ、開発者は脅され、なかには殺された人もいますが、現に私の友人にも、入力より出力の方が大きい装置の開発の成功者がいます。この面での闇の勢力(?)の圧力は、いま急減中です。
 発電などの方法はいくらでもあります。日本には戦前、600をこえる発電会社がありました。それをいまのような半官的な独占業者に全面的に委せることになったので、世界でも最高度に高い価格の電気を、われわれは買わされています。中国やアメリカと比べても2倍以上します。それに電力会社の客に対する態度は常識外です。役人の悪い面に似ています。
 たとえば東電の行なった計画停電のように(私の場合は病院の停電で緊急手術のためのCTやレントゲンが撮れず、危うく一命までキケンになるところでした)、まったくユーザー無視のとんでもないことが、一方的に行なわれました。ふつうの民間会社では、考えられないことです。
 ここで少し話を変えますが、公私ともにいろいろ教えていただいた松下幸之助さんが、なぜ「松下政経塾」という変なものをつくられたかは、私にはいままで分らなかったのです。
 私は創業者で、一代で大企業をつくった経営者から、もっとも学びました。
 前記、松下幸之助さんやソニーの井深さん、ホンダの本田さん、ウォルマートのサム・ウォルトンさん、三星(サムスン)グループの李秉喆さんなどからです。
これらの人々の意志決定法は特によく分りました。その中で分らなかったのは、松下さんが政経塾をなぜつくったのか? ……だけだったのです。
 松下政経塾の卒塾生には多くの知人がいます。そのほとんどの人が正しい意志決定ができないように思うからです。
 しかし考えてみれば、「政治家がいかに大事な仕事で、意志決定の原則がいかに大切か」を知りつくしていた松下さんは、それの分る人を創りたくて政経塾をつくったのでしょう。いま、ようやく分りました。
 松下政経塾の卒塾生の大半は、トップのあり方を覚えなくて政治家などになったようです。私は成功した創業経営者が政治家に最適だと思っています。
 松下さんは、その点についてはあの世で泣いておられるでしょう。
 意志決定は、「世のため、人のためになること」「100%の人を納得させられ説得できる自信のあること」「絶対と言ってよい良い面での成功の確信のあること」がゴーサインの必須条件なのです。菅直人首相はじめ、いまの日本の政治家はこれらを知らないようです。世界の政治家の大半もそのようです。日本では特に、原子力発電はすぐにストップして、今後のよいエネルギー方策をトップ自らの権限で決めるよう再出発するべきでしょう。三上湖西市長の言は正しいのです。
                                           =以上=  

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政府とは嘘をつくものだ

「マスコミに載らない海外記事」の4月19日記事全文を転載する。
何の説明もいらないだろう。「政府とは嘘をつくものだ」の一言がすべてである。アメリカも日本もどこの国も同じことだ。その政府の広報や政府の指示を受けたマスコミを信じる人間は、「風が吹くとき」のあの老夫婦のように死の灰の中で死んでいくことになる。
ついでながら、山崎行太郎は、この「政府とは嘘をつくものだ」を政府として当然の行為であり、「大本営発表」は当然だと発言している。

(以下引用)


2011年4月19日 (火)
O・J・シンプソン-プルトニウムファイル、そしてチェルノブイリ極秘
オトモダチの国のクリントン国務長官、韓国からの帰路、わざわざお寄り下さったが、早々と帰国された。TPP実施への念押しにこられたのだろうか。さすが、プルトニウムの恐ろしさ、原子炉事故の恐ろしさ、充分ご存じなのだ。

ご主人クリントン氏が大統領だった時に、アメリカが総力をあげ、長年にわたり、プルトニウムも使った大規模人体実験をしていたことが暴露されていたのだから。

トモダチ作戦でつめかけた特殊部隊の皆様も、工程表が公表されたので、めでたく早々ご帰国される。

『アルバカーキ・トリビューン』の記者アイリーン・ウェルサムがスクープ記事を書いた。彼女は、のちに『プルトニウム・ファイルズ』(邦題は『プルトニウム・ファイル』上・下、翔泳社、2000年8月1日刊、各1600円)にまとめた。



アイリーン・ウェルサム、この報道で、九四年のピユーリツァー賞を受賞している。

クリントン政権時代のエネルギー省長官、ヘイゼル・オリアリーが、軍部他の体制派勢力に真っ向から挑戦したことで、情報公開が進んだのだ。クリントンの指揮下で、調査委員会も設置され、一応、調査報告書も発表されている。調査報告書の発表に際しては、クリントン大統領、声明も出している。

ナチスや、日本の731部隊の人体実験と比較しても、決して劣らない恐るべき実験。読んでいて、いやになる。

多数のアメリカ人に、プルトニウムを注射したり、囚人の睾丸に放射線を浴びせたり、あるいは多くの兵士に原爆・水爆の爆発を見学させ、死の灰を浴びせ、実験したのだ。プルトニウムを注射した被験者の墓場まで暴き、骨を収集した。

これだけ長期間、大人数の自国民を犠牲にして平気な支配層なら、9/11も仕組む可能性も大きかろうと、勝手に納得してしまう。

しかし、それほどの大変な秘密実験に関するこの翻訳書、全くみかけない。そもそも、本国でも絶版か品切れのようだ。これも不思議ではないだろうか。

恥ずかしながら、こうしたスクープ、当時全く知らなかった。しかし、それには、見事な煙幕があったのだ。たしか、日本でも、マスコミという組織、しつこく報道していたのではないだろうか?どうして、どうでも良い選手の殺人事件裁判ばかり報道するのか、奇妙に思った記憶はあるのだが。

本書、四五章にこういう記述がある。

(大統領の謝罪から)二時間後のロサンゼルスで、評決を手にした陪審団が法廷に戻ってきた。フットボール界の星、0・J・シンプソンの殺人容疑の評決だ。無罪と決まってマスコミは蜂の巣をつついたように騒ぐ。ずっと重大な罪を語ったクリントンの言葉など、夕方のニュースにちょっと流れ、新聞もおざなりに書いただけ。そんな陽動作戦に救われようとは、マンハッタン計画の医師のいったい誰が予想しただろう?

また、本書の訳者あとがき(279-280ページ)にも、こうある。

いろいろ忙しいマスコミも、クリントン大統領の謝罪から二時間後に出た0・J・シンプソンの無罪評決のほうを華々しくとり上げます(四五章)。

エミー・グッドマンのデモクラシー・ナウ 2004年5月5日でも、このタイミングについて触れている。以下の該当部分だけ翻訳してみた。

プルトニウム・ファイルズ: アメリカは、どのようにして、何千人ものアメリカ人に、秘密裏に放射性物質を与えていたか

エミー・グッドマン: アイリーン・ウェルサムさんとお話しています。彼女の連載記事はアルバカーキ・トリビューン紙に掲載され、彼女は記事を、著書プルトニウム・ファイルズにまとめました。あなたの暴露記事はクリントン政権時代のことでしたね。クリントン大統領が放射能人体実験諮問委員会を設置し、それが放射能実験計画を徹底的に調べました。実に注目すべきことに、報告書、最終報告書は、1995年10月3日、O.J. シンプソン裁判の判決と同じ日に発表されました。結果が報道されたのを見た記憶が私はありません。

アイリーン・ウェルサム: 実に残念なことでした。アメリカでは、誰もがO.J. シンプソン問題に、気を取られていたので

エミー・グッドマン:うまくタイミングをあわせたのかも知れませんね? 毎日、皆シンプソンの判決を待っていたので、政府委員会だって、国民の注目が他を向いていたこと位は当然わかっていたでしょうから。

アイリーン・ウェルサム: それは考えていませんでした。エミーさん。それは単なる可能性ですよ。

属国の権力とマスコミがグルなのは、宗主国の実態の反映なのだろう。

プルトニウムファイル 下巻 31ページに、官房長官の常套句のような表現がある。

志願兵が今の許容値以上の被曝を受けたとき、ただちに悪影響が出ないとしても、いずれ死者や病人が出るかもしれない。そうなると国を相手どった訴訟が起き、まずい世論が生まれてしまう。

 案の定そうなった。ネヴァダや太平洋の演習に駆り出された兵士は、除隊のあと発疹、水ぶくれ、アレルギーなどに見舞われ、今なおそれが続いている。髪や歯が抜け、吐き気に苦しむ退役軍人が多い。細胞が傷つき、数十年後にがんを発症した人もいる。放射能で遺伝子が冒され、子や孫にさまざまな病気が出たケースも多い。

ちなみに、「ただちに悪影響が出ないとしても」、原文は以下の通り。

may not produce immediate deleterious effects

多くの方々が、この話題、以前からとりあげておられる。

米の放射能人体実験 次々崩れた機密の壁 地方紙記者が追跡6年 1994年2月1日朝日新聞

なんと、授業でとりあげる大学もある。

第5回 米国における人体実験と政策

書評では以下。

プルトニウムファイル

【米国ナチファシズムの狂った信奉者達!】 プルトニウムファイル・米国の人体実験

磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

『プルトニウムファイル 上 The plutonium files』

『プルトニウムファイル 下 The plutonium files』

プルトニウムファイル 上・下

「内部被曝」について  (その2)アメリカの「内部被曝」を認めない態度(続

このアメリカ政府の偽善暴露で連想されるのが、ソ連政府の虚偽を暴露する下記の本。

『チェルノブイリ・極秘』



アラ・ヤロシンスカヤ著
和田あき子訳
平凡社 1994.4刊

これも、女性ジャーナリストによる傑作。事故そのものではなく、事故の庶民生活に対する余波、無責任な政治家、学者の様子が余すところなく描かれている。

今の放射性物質放出、汚染報道、疎開問題を考える上で、これほど参考になる書物は少ないだろう。ところが、これも不思議なことに入手困難。平凡社には、緊急大増刷をお願いしたいものだ。避難されている当事者の皆様にも、是非お読み頂きたいものだ。

•システム上の欠陥ではなく、人間による操作ミスに、強引にもってゆく政府
•なんと、汚染地域に疎開させてしまう無責任さ
•子供たちが、ヨウ素を摂取してしまうのを、放置する政府
•食物や環境に関する放射性物質の基準を、どんどん都合よく緩和してゆく政府
今の日本そのまま。目次は以下の通り。

第1部わが内なるチェルノブイリ
1 世界ではじめての体験 17
2 ルードゥニャ=オソシニヤ村-偽りのゾーン 29
3 廃墟のそばで 39
4 ジトーミルでの政治戦 65
5 議会での虚しい叫び声 77
6 体制の秘密主義-情報はいかに統制されたか 89
7 罰なき罪 107
8 イズラエリは告白する 127
9 「子どもたちの健康は心配ない」 141
10 真理の瞬間 177
11「地球規模の大惨事(カタストロフ)である」 201
12 IAEAはそれでいいのか? 229
13 チェチャ川は流れる─ウラル核惨事の警告 259
14 溺れる者を救うのは、溺れる者自身の手である 273
15 汚染地域再訪 301
16「子どもたちが死にかかっています、助けて下さい!」 333

第2部 極秘
1 クレムリンの賢人たちの四〇の機密議事録 367
 ─「秘密の対策本部」は何を決めたのか
  ウソ1─放射能汚染について
  ウソ2─汚染された農地の「きれいな」農産物について 
  ウソ3─新聞向け報道について
2 この世の生活は原子炉とともにあるのか 381
 ─共産党政治局の白熱の議論
   一味の利益
  「炉の安全性は組織面や技術面の対策によってではなく、
   物理法則によって保証されなければならない」
  「あなたはどの原子炉を選ぶのか」
解説(今中哲二) 404
機密議事録解題/年表 413
訳者あとがき 416

佐藤栄佐久元福島県知事が、外国特派員協会での会見で、いっておられる。

「日本の原発事故、チェルノブイリ事故を起こしたロシアのような、ファシスト的構造がひきおこした。」というようなご意見だ。ごもっとも。ご本は英語版が必要だろう。

(個人的には「ソ連の衛星国政権のようなファシスト的構造」か、「アメリカというファシスト宗主国の属国ファシスト支配構造」の方がより適切と思うが、些細な違い。)

つまりは、ハワード・ジンが講演で語っている通り「ひとつだけ覚えておくように、国家は嘘をつくものなのです。」

アラ・ヤロシンスカヤ チェルノブイリ・極秘 感想

DOL特別レポート・ダイヤモンド・オンライン 2011/4/20記事は、チェルノブイリ事故処理班の生存者が語る凄惨な過去と放射能汚染への正しい危機感
「政府発表を鵜呑みにせず自分の身は自分で守れ」

この二つの本をまとめて絵に描いたような、下記のビデオがある。

Chernobyl:A Million Casualties

JapaneseNUDGE TEXT
2011年4月19日 (火) アメリカ, ロシア, 地震・津波・原発・核 | 固定リンク

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インドでの反原発運動弾圧

「毎日jp」からの転載。記事の存在は「東海アマ」ツイッターで知った。

インドやパキスタンはイギリスから独立した後もイギリス(欧米支配勢力)の間接支配を受けているというのが私の持論である。アジア・アフリカの旧植民地の政権のほとんどは旧宗主国の傀儡政権だろう。現代の世界はいまだに「帝国主義」であり、露骨な植民地支配から、現地人政権を使った間接的植民地になっているにすぎない。日本も第二次大戦後に米国に占領され、その後はずっと米国の植民地扱いなのである。サンフランシスコ平和条約での「独立」は、「間接支配」に変更したというだけにすぎない。
このインドでの反原発運動弾圧は「欧米の商売の邪魔をする者は殺す」というアングロサクソンの意思を示しているわけである。


(以下引用)



インド 「子供らのため阻止」 西部の原発建設予定地ルポ
毎日新聞 4月25日(月)1時51分配信


拡大写真
「フクシマの漁民はどうなっているのか」と詰め寄る漁師たち。ほとんどが18日の警察襲撃などの暴動デモに参加したという=インド西部のナテ村で2011年4月22日、杉尾直哉撮影

 世界最大の発電量となる「ジャイタプール原発」(総出力990万キロワット)の建設予定地、インド西部ラトナギリ地区。18日に起きた反対デモで住民1人が警察に射殺された現地を訪ねると、住民たちは、東京電力福島第1原発の事故に不安を募らせ、「子供たちの未来のために必ず阻止する」と言った。日本や米国など原発先進各国が本格参入を狙うインドだが、政府は「世界最大の民主国」をうたうだけに、原発推進策の見直しを求められる可能性が出てきた。【ジャイタプール(インド西部)で杉尾直哉】

 「ノーモア・チェルノブイリ、ノーモア・フクシマ(チェルノブイリ原発や福島第1原発のような事故はこれ以上ゴメンだ)」

 原発計画地の北方のタラプール。23日、市民ら約150人が集まり、インド政府の原子力推進策の見直しを求めた。地元マハラシュトラ州政府が「デモ禁止」を通告し、警察がうち100人を拘束した。しかし、被拘束者の中には元最高裁判事や元海軍高官らもおり、脱原発機運の多様な層への広がりに政府は衝撃を受けた。

           ◇

 ジャイタプール原発の予定地は、アラビア海に突き出した高台だ。周囲には特産品のマンゴー畑やココナツ林が広がり、良好な漁港が点在する。マンゴーやエビは日本にも輸出されている。

 政府によると、ここにフランスなどの技術で原子炉6基を造り、最初の2基を6年後に稼働させる計画だ。

 18日の抗議デモは、4月中旬、地元住民に通告なく重機やセメントなどの資材が予定地に持ち込まれたのがきっかけだった。福島第1原発から海に放出された汚染水や土壌汚染の問題が関心を集めており、予定地に近いマドバン村の農民らが工事を阻止しようと立ち上がった。

 参加者の中には女性や子供も多くいたが、警察が警棒で殴ったという話が周辺住民の間に広がり、漁師ら数百人が警察署を襲撃、車両に放火する騒ぎに発展。ナテ村の漁師タブレズ・アブドル・サタールさん(30)が警察に射殺された。

 タブレズさんの自宅では、男たち十数人が父アブドルさん(55)を囲み、悲しみに沈んでいた。アブドルさんは「息子は騒ぎを傍観していただけ。なのになぜ……」と声を震わせた。タブレズさんの妻はショックで家の奥に引っ込んだままだ。

 漁師たちは記者が日本人だと知ると、「フクシマには漁場はあるのか」「漁師は今どうなっているのか」などと質問攻めにした。リアズ・サルカルさん(41)は「福島第1(1号機)の出力は約45万キロワットだが、ここは1基で165万キロワット。事故が起これば影響は日本の比ではない」と言った。

 ジャイタプール原発では、冷却水をくみ上げる電力節約のため、高台を海抜7メートルまで掘り下げて設置する計画で、漁師たちは「(東日本大震災のような)ツナミには耐えられない」と訴えた。

 デモに参加したマドバン村の女性ランジェナさん(61)は、「私たちは、フクシマの事故とその後の悲惨な状況を知り、『これでインド政府も計画を見直すだろう』と安心していた」と話す。そこに突然、重機が入ったことで住民を動揺させ、混乱に発展したというのだ。

 ナテの警察署では住民によって窓ガラスが割られ、破壊されたパソコンなどが外に積み上げられていた。

 匿名を条件に取材に応じた警察幹部は、「我々は法と秩序の維持だけが目的。今後、同じようなデモがあっても今回のような混乱は招かない」と語り、デモの阻止に全力を挙げると強調した。

 別の農村に、今回のデモを主導した活動家(41)を訪ねた。「暴力的な運動で支持が得られるのか」と尋ねると、「我々はガンジーの非暴力主義でやってきたが、政府から無視された。今、彼らは我々を殺そうとしている。暴力以外に手段はない」と言い切った。

         ◇

 79年の米スリーマイル島原発事故や86年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故以降、世界に反原発の潮流が広がったが、21世紀に入り、欧米諸国で原発が見直され、「原発ルネサンス」と言われるようになった。特に米国のブッシュ前大統領が06年、「石油中毒」からの脱却を訴え、国内で凍結されていた原発新設を打ち出し、高成長国のインドと民生用原子力協定に合意したのが流れを作った。

 オバマ米政権もこれを踏襲し、インドは、フランスやロシア、日本からも「原発新市場」とみられていく。インドのシン首相は今回の騒乱の直前、「温暖化問題などを冷静に考えるべきだ」と述べ、福島の事故にかかわらず原発を推進する姿勢を見せた。

 しかし、当局がジャイタプール原発建設を強行すれば、混乱は全国に波及する可能性がある。今年2月、同原発に関するマハラシュトラ州政府主催の住民集会で反対を公言し、警察に拘束されたミリンド・デサイ医師(40)は、「原発ルネサンスはインドから終わりにする」と語った。

 土地収用を求められている地主2335世帯のうち、補償金の受け取りに同意したのはムンバイなどに住む70世帯のみ。計画地周辺に住む農家らは100%反対している。

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確実に起こること

私にとって気になる記事を二つ掲載しておく。両方とも「ダイヤモンドオンライン」からである。一つは食料問題、もう一つは雇用問題だ。両方とも夏頃から顕在化してくる。特に雇用問題は、派遣社員の雇用が6月打ち切りとなっているところが多いようだから、その頃に大量の失業者が出ることになるだろう。食料問題は、東北地方の田畑が津波被害に遭っているから、今年の秋の米は例年より収穫量がかなり落ち込むはずだ。
この二つの問題について政府は今から対策を講じる必要があるが、おそらく何もしないで、問題が表面化してから「有識者会議」でも開いて、「まず調査のうえ、善処します」ということになりそうである。そして、調査のための新しい機関を作り、その調査報告書が出たら、それで政府の仕事は終わり、ということになる。その間、国民はどんどん首吊り自殺をし、政府は「これで無駄飯食いが減った」とほくそえむわけである。


(以下引用)





世界が不安視する日本の食糧輸入
今後重視すべきは「ムダの削減」
――需給バランスを安定させ、穀物価格の上昇を防ぐためには、どうすればよいか。
 国内での増産に加え、先進国が協力して備蓄を増やしていくことが必要だ。とりわけ日本については、「ムダの削減」が重要になる。
 日本は国内でコメ、小麦などの穀物を年間1000万トン生産しているが、一方でその3倍となる3000万トンの穀物を輸入している。つまり国内では、合わせて4000万トンが供給されていることになる。
 ところが、実際人々の口に入るのはその半分の2000万トンに過ぎない。残りは残菜や賞味期限切れなどの理由で、捨てられてしまうという。これは、全くもって大きなムダである。
 人口1億3000万人弱、国土38万平方キロメートルの日本が1000万トンの穀物しか生産していないことに対して、人口も国土も日本の半分程度の英国では3000万トン、日本より国土が1割小さいドイツも5500万トンの穀物を生産している。国際マーケットがこれだけきつくなっている時代に、日本が3000万トンも穀物を輸入し、しかもその多くがムダになっている状況は、明らかにおかしい。
 これを見ても、日本人は食糧不足に対する危機感が薄いと思う。むしろ、「コメや小麦は余っているから、もっと備蓄を減らしたほうがよい」と言う人さえいる。しかし、国内でコメが余る理由は、食糧の自給体制が整っているからではなく、3000万トンもの穀物が当たり前のように輸入されているからだ。中国と共に、日本の過剰な穀物の輸入は国際マーケットで不安視されている。
 今後、食糧が高騰すれば、ムダの削減や食育が浸透する可能性はある。ゆくゆくは食糧不足が顕在化し、国内で大増産へと舵を切ることになるだろう。
 ただしそうなったときに、日本に弾力的な農業生産力があるかどうかは甚だ疑問だ。多くの農家が資金不足や人手不足に悩んでいるし、水利施設の管理費は事業仕分けで6割も削られてしまった。こんな状態で、来るべき危機にどうやって対処するつもりだろうか。この機会に、日本も食糧に対する考え方を改めるべきだろう。
穀物は単なる商品でなく「政治財」
大震災を機に危機感を取り戻せるか
――3月中旬に発生した東日本大震災では、被災地の農業が大きな打撃を受けた。大震災は日本の食糧市場にも影響を与えるだろうか。
 今回の大震災では、不安を募らせた消費者の買い占めにより、スーパーやコンビニの店頭から、おにぎり、弁当、カップ麺、パンなどの食糧が一斉になくなった。商品の原料ベースで見ると、これは穀物が消えたことに他ならない。異常事態における穀物は、足りないとなるとパニックを引き起こすことから、単なる商品ではなく「政治財」に変わり得る重要なものなのだと感じた。
 震災の影響で一時的に食糧不足が顕在化すれば、穀倉地帯では「まず自分たちの食糧を確保しよう」という意識が強まり、都会への「売り惜しみ」が生じるかもしれない。ライフラインが完全に復旧していない影響もあり、品薄でパニックになればさらなる買い占めが起きる可能性もある。
 その結果、「食糧の自給にもっと力を入れるべき」という議論が盛り上がる可能性はある。

質問1 食糧不足を解消するにはどうしたらいいと思う?
国内でもっと増産する さらに輸入を増やす 先進国が協力して需給をコントロールする 個人レベルでムダを出さないように心がける その他






東京で、愛知で「大規模派遣切り」が進行中
非正規社員を襲う“6月危機”と“9月危機”
「このままだと、6月末には全国に失業者が溢れることになります」
 派遣ユニオン書記長の関根秀一郎さんはこう予測している。
 工場城下町として知られる群馬県伊勢崎市。ここには、派遣会社の寮として使われるワンルームマンションがかなりあるが、4月9日、関根さんが訪れてみると半分以上がガラ空きの状態だったという。すでに派遣切りは始まっているのだ。
派遣ユニオン書記長・関根秀一郎さん
「会社や工場が被災し、自宅待機を命じられている派遣社員は数知れない。その多くが近く失職に追い込まれる可能性が高い」と関根さん。1ヵ月、もしくは3ヵ月という細切れ契約が多いことを考えると、Xデーは震災の3ヵ月後、つまり6月末という計算になる。
 しかも、これは被災地に限った話ではない。
「震災にともなう労働相談は東京が最多。愛知や埼玉、神奈川も多い。とくに大手自動車メーカー部品工場従業員からの相談が目立っています。
 下請け部品工場が被災して稼働をストップすると、在庫がないから親請け工場も身動きが取れなくなる。まさに“ジャストインタイム”の弊害が出た格好です。部品の“ジャストインタイム”の流れがストップすると、人間の“ジャストインタイム”、派遣による労働力の調達がまっ先に止められる。
 必要な時に必要な人材を、という派遣制度は、“必要がなくなればすぐ切れる制度”でもある。こんな制度を放置しておいちゃ絶対にダメだ」
 被害は派遣社員にとどまらない。“6月危機”の次に到来が予想されるのは“9月危機”だ。半年契約をしている工場の期間工たちが大量解雇される危険がある。さらに来年春、そして再来年春には正社員のリストラが進む可能性もある。「最終的に失業者の規模はリーマンショックを超えるのではないか」と関根さんは見ている。
未曾有の大失業時代を迎えるかもしれない日本。非正規雇用の若者たちはそんな時代をどう生き抜けばいいのだろう。
 ひとつだけはっきりしているのは、「国はアテにできない」という現実だ。
「厚生労働省ではこのほど、雇用保険失業給付の特例措置を設けた。これは、『会社が震災で直接被害を受け、無給で休業することになった場合は、離職してなくても失業給付が受けられる』というもの。一方、会社が直接被害を受けていない場合は、労働基準法26条にしたがって休業中の賃金が支払われなければいけない。
 ところがここに大きな隙間があるんですね。計画停電で休業している会社はその間の賃金を支払わなくていいのか、という問題です。厚生労働省は『26条には該当しないので、賃金を払わなくていい』という通達を出している。これは昭和26年に出された通達にならったものとか。だけどね、60年も前の通達ですよ?」
 昭和のシステムをいまだに踏襲しつづけている国。おかげで計画停電中、無給状態に陥った多くの人々の間では「家賃が払えない」といった悲鳴が相次いだ。この問題に限らず、老朽化したシステムの“隙間”は今後次々に露わになる可能性もある。
「その場しのぎの施策も多すぎる」と関根さん。たとえば「緊急雇用創出事業」。国の交付金を原資に、自治体などが失業者に働き口を提供するというものだ。とはいえ、就労できる期間は最長でも原則1年。
「期間が満了するとしかたなく生活保護を受ける人が多い。結局、解決にならないんですよ」
小さなパイを上手に分け合う知恵
「国をアテにできないからこそ自分たちの安心は自分たちで守らなければ。それには孤立せずみんなで危機に立ち向かうことだ」と関根さんは表情を引き締めた。
「労働需要はしばらく元通りになることはないでしょうね。復興景気も一部の産業に限られるでしょうし。僕らが今、考えなければいけないのは、経済を回復させてバリバリ稼ぐ方法じゃない。安心して働き続けられる社会をみんなで作ることではないでしょうか。
 停電でネオンの消えた渋谷の街を歩いていると、『この方がなんか落ち着くな』と感じるんですよね。豊富に電気を使える便利な世の中は悪くないけど、便利になればなるほど、人は生産活動に駆り立てられる。“増やす”のでなく“維持していく”。低成長・低消費時代に合った生き方、価値観に、今こそ転換するチャンスかもしれません」
 そのためには、小さなパイを上手に分け合う仕組みが必要だ。具体的には、労働者派遣法や有期雇用に関する法律を改正し、働く人を簡単に切り捨てられないようにすべき、という。お手本になるのは、合理的な理由なくして有期雇用契約ができないフランスやドイツ。とくにフランスでは働く人の均等待遇が進んでいる。
 キーワードは“シェア”。一人勝ちをめざすのでなく、みんなで痛みを分かち合う時代が到来している、ということなのだろうか。







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権利の上に眠る者

「独りファシズム」から転載。
記事の前半は放射能障害がどのようなものかが書かれていたが、ネットに触れる程度の情報リテラシーのある人間なら常識だろうから省略する。

大事なのは、冒頭に書かれた「国家賠償法第一条」である。役人というものは、自己保身を第一義とする連中だから、こういう法律を作る場合には、まっ先にこの条項を入れたわけである。どうせ国民の99%は一生読むこともない文章なのだから、これに文句をつけられることもないというわけ。
要するに、丸山真男の「であることとすること」という有名な文章に引用されている「『権利の上に眠る者』はやがてその権利を失う」、という趣旨の言葉が現実化したわけである。
我々は民主主義を上から与えられたが、その民主主義を守る努力をしてこなかった。そしてやがて日本の民主主義は「国民主権」から「役人主権」に書き換えられていたのである。


(以下引用)


国家賠償法第1条には、行政上の瑕疵があろうとすべからく役人は免責となることが謳われています。厚生労働省の役人が4000万人の年金台帳記入漏れをしようが、財務省の役人が外貨準備金運用で30兆円の為替損をだそうが財政投融資で260兆円規模の焦げ付きをつくろうが、経済産業省の役人が原発の監督行政で下手うって1000万人を被爆させようが、公務員個々へ責務は遡及されず、賠償責任は国、つまり国民の税金に依拠するものと規程されているわけです。

いかなる社会や時代においても、結果責任を問われない組織や個人が腐敗するのは常でしょ。いずれにしろ福島原発を発端とする未曾有の惨劇は、特権階級と化した公務員を頂点とする利権複合体のジェノサイドでありホロコーストであり、ガタガタ屁理屈をぬかしたところでポルポトやスターリンに匹敵する自国民の大量殺戮です。

電力会社に非難が集中しているようですが、利権構造において連中は底辺の属性であり、本丸の悪党は連綿と無軌道な原発行政を推進した経済産業省エネルギー庁を筆頭とする官僚機構でしょ。利権ヒエラルキーにおいて、これに連なる推進派議員やマスコミは所詮連中の実働部隊にすぎません。つまり公務員が親と子供を殺し、土壌と水を汚染し、財産と仕事を奪い、文化と共同体を破壊し、経済と産業を遺滅させているわけです。

くりかえしますが利権複合体のマネーロンダリングシステム中核にあるのが独立・特殊・公益法人群です。これらに貸し付けられた財政投融資債(年金・郵貯・簡保マネー)約360兆円のうち推計75%が不良債権と化し、過去7年だけでも欠損穴埋めと利払のため国庫=税金から約18兆円が拠出されています。これだけの金があれば、国民負担なく震災の復興に使うこともできたわけです。さらに特別会計から金の流れを遡及してみれば、各種租税の引き上げ目的は暫定的な復興財源ではなく、官僚の不労所得のために起債された財政投融資債の償還が主眼であるとわかります。

結局のところ、強者はとことんまで貪り、弱者はどこまでも喰われるという、この醜悪な現実こそが我々の社会の基本原理であり、国家の本質とはすなわちノーメンクラツーラ(官僚支配階級)の私物に他ならないということです。

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酔生夢人
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趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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