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ジャバウォッキーの謎

私は「どうでもいい些細な謎」を考えるのが好きなのだが、今日、たまたま「鏡の国のアリス(Through the Loooking-Glass)」を少しめくって、ジャバウォッキーの詩のところを読んでいたら、その詩の中の主人公らしき騎士が、詩の中ではheと書かれているのに、テニエルの挿絵では少女騎士になっているのが気になった。テニエルの挿絵は常にキャロルの文章の正確かつイメージ豊かな視覚化であるのに、なぜここだけ「不正確」にhe がsheになってしまったのか。
少し考えて、実は、これは不正確どころか、正確なのだ、という結論になった。
つまり、この詩を読んだ時点ではアリスはこの詩の内容をほとんど理解できず「要するに、誰かが何かを殺したのね」くらいの理解でしかなかった。とすれば、この「英雄詩」の主人公を、アリスが子供らしく自分に重ね合わせて少女騎士としたのは無理もない、というわけで、実はこの挿絵は「アリスの理解した詩」として書かれているという、実に高度な挿絵になったいるわけである。
なお、このジャバウォッキーの詩の、怪物に立ち向かう少女騎士の挿絵は非常に魅力的で、その怪物ジャバウォックあるいはジャバウォッキーのイメージも素晴らしい。「指輪物語」のドラゴンの絵は、この挿絵の怪物を発展させたものではないだろうか。

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酔生夢人
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男性
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仙人
趣味:
考えること
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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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