ただならぬ出演陣だが、ほとんどがかなり年配の役者である。老人ホームでも舞台のドラマかwww
脚本が倉本聡だから、一筋縄ではいかない作品のような気がする。この面々を集めたのも意図がありそうだ。テレビドラマは久しく見ていないが、興味をそそられるドラマである。私の持論だが、老人役者を使ったドラマは名作になることが多い。
月~金/12時30分/テレ朝/「やすらぎの郷」/4/3/倉本聰/石坂浩二、浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、草刈民代 、常盤貴子、名高達男、野際陽子、藤竜也、風吹ジュン、松岡茉優、ミッキー・カーチス、八千草薫、山本圭
(夢人追記)今、公式ホームページを見ると、案の定、老人ホームが舞台のようだwww なかなか面白そうである。もしかしたら、(倉本作品ではないが、近年の例だと)「あまちゃん」以来の国民ドラマになるのではないか。全26回のようだから、半年楽しめそうである。
2017年3月17日
倉本聰氏×テレビ朝日がシニア世代に贈る、帯ドラマ劇場・第1弾『やすらぎの郷』が制作発表記者会見を開催!
石坂浩二・浅丘ルリ子・有馬稲子・加賀まりこら、倉本ワールドに集結した奇跡のキャストが出席。倉本氏はゴールデンタイムに対抗し“シルバー革命”を宣言!
■倉本聰氏、シニア世代向けドラマに野望!「シルバー革命を起こす!!」
キャスト陣は倉本脚本に四苦八苦!? セリフさえなければ…(笑)楽しくも苦しい撮影を告白
倉本聰氏を含む登壇者は総勢15名。主演の石坂浩二をはじめ、浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、五月みどり、八千草薫、藤竜也、ミッキー・カーチス、山本圭といった、テレビ人専用の老人ホーム『やすらぎの郷 La Strada』の入居者を演じるベテラン俳優と、個性的な入居者を迎える側になる草刈民代、常盤貴子、名高達男、松岡茉優、そして一足先に人生を終えている役の風吹ジュンという、奇跡的ともいえる超豪華な役者陣が顔をそろえました。
会見の冒頭で倉本は、高齢者向けの番組が少ない今のテレビ界に対し、このドラマをもって「“シルバー革命”を起こせたら」と宣言。自らの企画提案をもとに誕生した『帯ドラマ劇場』への思いを語りました。
続いてマイクを握った役者陣からは、楽しくも手ごわい倉本脚本に関するコメントが続出。浅丘は「毎日、脚本を覚えることに追われて大変」、ミッキー・カーチスは「セリフがめんどうくさそう!(笑)なんて思いつつ読み始めたらとても面白い」としつつ、「まだまだ山のようにセリフがありますので、ここからが大変」、八千草は「膨大なセリフと長いシーンで緊張が続く日もあります。スタミナとの戦い(笑)」といった言葉が続きます。それを聞いていた石坂も、たまらず「皆さん苦しいとおっしゃっていますが、本当はわたしが一番苦しい!(笑)」と告白。そんな中、寡黙な元任侠スター役を演じる藤は、「時々、『うー』とか『あー』とか言うだけ」らしく、「セリフが少なくてうれしい(笑)。本当に楽しいです」と言って会場を笑わせました。
■「演じる人の短所をクローズアップすると面白い」…倉本氏、“当て書き”の妙が炸裂!
浅丘は石坂との16年ぶりの抱擁に、「長いこと抱き合わせていただきました(笑)」
今回の作品は、役を演じる俳優をあらかじめ決めてから脚本を書く、倉本が得意な“当て書き”のスタイルが取られています。
倉本は執筆を振り返り、「ここにいらっしゃる出演者の大半とは古い付き合いで、欠点も弱みもほとんど掴んでおりますので(笑)、そこをくすぐってあげると非常に面白いものになるんじゃないかな、と楽しみながら書かせていただきました」とにんまり。
その言葉を裏付けるかのように、倉本は今回、実生活で元夫婦だった石坂と浅丘の抱擁シーンをドラマ序盤に挿入しています! この大胆な倉本の戦略に浅丘は、「菊村栄と白川冴子は20年ぶりに会ったわけですが、実際に私自身と石坂さんは16年ぶりにお会いしました。その両方の思いを込めて長いこと抱き合わせていただきました(笑)」と満面の笑み。まさに、倉本にしか書けない脚本に、役者がもがきながらも楽しく、体当たりで挑んでいる現場の様子が伝わってきました。
いよいよスタートを切る『帯ドラマ劇場』第1弾の『やすらぎの郷』。倉本聰と豪華俳優陣で送るテレビ朝日の新しい挑戦に、ぜひご期待ください!
登壇者あいさつ
石坂浩二…菊村 栄(きくむら・さかえ)役/国民的ドラマを何本も生み出したシナリオライター
わたしが演じる脚本家の役は、おそらくどなたも倉本聰先生ご自身のことだと思うでしょうが、ぜんぜん違います(笑)。
わたしも先生同様、ドラマらしいドラマがなくなったと感じていましたので、今回は本当に光栄に思っております。見かけは若いのですが年齢を重ねていますので、老骨に鞭を打って日々頑張っているところでございます。
浅丘ルリ子…白川冴子(しらかわ・さえこ)役/爆発的人気を誇った大女優、通称“お嬢”
テレビドラマに出演するのは何十年ぶりでしょうか。毎日、脚本を覚えることに追われて大変でございますが、皆さんと楽しく撮影をしております。でも、4話を撮ったと思ったら、10何話を撮り…とバラバラに撮影するものですから、もう何が何やら…(笑)。苦労しながらではありますが、毎日楽しく過ごさせていただいています。
有馬稲子…及川しのぶ(おいかわ・しのぶ)役/シャンソンの女王として名を馳せた大物歌手
先日、瀬戸内寂聴先生と林真理子先生が日本で一番男運の悪い女ということで、わたしの名前をあげてくださいました(笑)。それはそうだとは思うんですが、仕事運もあまり良くなかったのではないかと思うんです。今回のお話が来た時には「出たい!」と言ったんですが、なんとピアノの弾き語りのシーンがあるんです。声の枯れた元シャンソン歌手なので歌はいいんですが、ピアノは本当にダメで、辞めようかと思ったこともありました。1日に2小節ぐらいずつ勉強しまして、1曲は弾けるようになったんですが本当に苦労しました。でも、ドラマではとても面白い。変わった役で毎日演じていてとても楽しいです。
加賀まりこ…水谷マヤ(みずたに・まや)役/人気・実力共に定評がある大女優
侍JAPAN、勝ち上がりましたね! 私たちは『やすらぎJAPAN』です(笑)。選手と裏方のひとりひとりが力を合わせている侍JAPANのように、私たちも26週間、勝っていきたいと思っております!
草刈民代…名倉みどり(なくら・みどり)役/『やすらぎの郷 La Strada』の理事
わたしは『やすらぎの郷 La Strada』を取り仕切る役目を担う理事の役ですが、入居者たちに振り回されて、いろんな事件を一緒に経験します。そんな中で、「歳を重ねていくということはこういうことなのかな」と身につまされたり、こういうドラマに参加しなければ気が付かないような“思いやりの気持ち”に触れたり…。倉本先生の脚本から日々学ばせていただいています。この物語に参加することによって、人としてもちょっとずつ成長できている気がします。また、倉本先生の脚本はすごくユーモアがあると同時に、目を背けてはいけないことを気づかせてくれるんです。この両極要素のバランスが素晴らしいな、と感動しました。
五月みどり…三井路子(みつい・みちこ)役/歌手としてデビュー後、女優に転身
お芝居もドラマも随分やってきましたが、倉本先生のドラマには25年ほど前に一度出たきりでした。今回お話をいただきまして、ものすごくうれしかったのと同時に、とても怖くてできないと思い、先生にも率直にお話しました。でも、どうしてもやってみたいという思いも強くありましたので、最終的に三井路子という役をやらせていただくことになりました。ちょっと普通ではない役なので、ぜひ皆さんに見ていただきたいです。
常盤貴子…松岡伸子(まつおか・のぶこ)役/『やすらぎの郷 La Strada』のコンシェルジュ
この会見の幕が開いたとき、すでに「うるっ」としてしまったくらい、今ここにいるのが幸せでたまらないです。こんなに素晴らしい先輩方とご一緒できる機会を得られて、「今までずっとお仕事を頑張ってきてよかったな。すごいご褒美をいただいたな」と思っています。このドラマが少しでも長く続いてほしいと切に願っておりますので、倉本先生にはぜひ続編も作っていただきたいです(笑)。現場では、出演者みんなが「面白いね! 楽しいね!」と言いながら撮影しています。この楽しさは視聴者の方々にもきっと伝わると思います。
名高達男…名倉修平(なくら・しゅうへい)役/『やすらぎの郷 La Strada』の理事長
セリフが本当に多くて大変ですが、とてもいい作品になっていると思っております。半年間見ていただいたら分かると思いますが、『やすらぎの郷 La Strada』は本当にいいところで、僕も将来入りたいほど。入居者の皆さんが楽しそうで、こんな人生もいいな、と感じさせてくれるんです。視聴者の皆さんからも、こんな施設に入りたいという方が多々出てくるはず。ドラマを見たどなたかが将来、このような施設を作ってくださったときには、ぜひ僕をこっそり呼んでいただきたいです(笑)。
藤 竜也…高井秀次(たかい・ひでじ)役/男も惚れる伝説の大スター
毎回毎回、面白い話が爆発している。台本を読んでも楽しいし、演じていても楽しい。倉本先生の最新傑作で、ご覧のような素晴らしい方々と一緒に仕事ができる幸せ、これはおそらく役者じゃないとわからないでしょうね。というわけで、日々幸せで天国にいるような気分です(笑)。
風吹ジュン…菊村律子(きくむら・りつこ)役/菊村の妻でかつては女優として活躍
倉本さんの作品は『前略おふくろ様』(1976-1977)に出させていただいたのですが、そのときの役が「タヌ子」。そして、今度は「トロ子」(笑)。私は倉本さんの中ではあまり成長していないのかなと思いました(笑)。楽しく演じさせていただいているのですが、先に天国に行ってしまっている役なので皆さんと絡むことが少なく、石坂さんとほとんど一緒に過ごさせていただいています。1週間分のドラマを先に拝見しましたが、きっと見ている人をワクワクドキドキさせるのではないかと楽しみにしております。私も最後までどんな形で出てくるのか、楽しみにしていただければと思います。
松岡茉優…財前ゆかり(ざいぜん・ゆかり)役/施設内で働くバーテンダー、通称“ハッピー”
オファーをいただいたときも、ここに立っている今も足がすくむ思いです。撮影に入る前には先生と2人きりでお話しする機会をいただきました。ペンだこを触らせていただいたのですが、先生のペンだこはもはや指の一部になっていました。
この撮影に臨むにあたり、緊張や足を引っ張りたくないとの思いもありましたが、皆様に敵わないことは目に見えているのだから、若手俳優がたくさんいる中で私がここに居させていただいている意味を考えながら、22歳というフレッシュなパワーでやりたいと思っています。まだ撮影は続きます。これからもよろしくお願いします。
ミッキー・カーチス…真野六郎(まの・ろくろう)役/個性派俳優として活躍、通称“マロ”
個人的なことですが、わたくし寒いのがとても嫌いで、実はカミさんと犬とタイに移住したんです。やっとこれで暖かい人生が送れると思っていたら、東京から「ドラマに出てくれないか」との連絡がきました。脚本が倉本聰さんと聞いて「セリフがめんどうくさそう!(笑)」なんて思いつつ台本を送ってもらったら、全130話分もある“小包”が届いた! 読み始めたらとても面白くて、これは是非やらせていただきたいと思いました。
まだまだ山のようにセリフがありますので、ここからが大変だと思っておりますが、日々楽しくバカ言いながらやらせてもらっています。わたくしが演じる六郎っていうのはとってもいいかげんな野郎で、わたし自身そのままです(笑)。
八千草薫…九条摂子(くじょう・せつこ)役/戦前から活躍する大スター、通称“姫”
毎日楽しくやらせてもらっています。といっても、膨大なセリフと長いシーンで緊張が続く日もありますが、このドラマにはさまざまな深い意味が込められていて、大事に演じなくてはいけないと思っています。だんだんスタミナが衰えてくる歳になってきましたので、スタミナとの戦いでもあるんです(笑)。
わたしが演じる摂子は“姫”という愛称で呼ばれ、どこか子どもみたいなところが残っている役です。そんな子どものような気持ちも忘れず、何も考えずにやってみようと思って演じています。久しぶりに出会った素敵なドラマを皆さんと楽しくやっております。
山本圭…岩倉正臣(いわくら・まさおみ)役/時代劇で一世を風靡、通称“大納言”
“大納言”こと岩倉正臣を演じます。大納言というのは、かつて右大臣・左大臣を支えた人物。そんな“大納言”のドラマシリーズで大フィーバーを起こしたものの、いつしか芸能界から消え、この『やすらぎの郷 La Strada』にやってきたのが私の演じる岩倉です。今後、岩倉がどのようになっていくかを楽しみにしてください。
質疑応答
――(倉本聰へ)本作の当て書きは、どのようにイメージを膨らませたのですか?
- 倉本
- 僕は当て書きすることが多いんですが、その人の短所や欠点をクローズアップして書くようにしている。ここにいらっしゃる出演者の大半とは古い付き合いで、欠点も弱みもほとんど掴んでおりますので(笑)、そこをくすぐってあげると非常に面白いものになるんじゃないかな、と楽しみながら書かせていただきました。
- 石坂
- 短所を演じると自分になる。先生は僕の短所を分かっているということなので、そのまま演じればいいんだと思っています。先生はこんな思いで書かれているのかな…と考えながら演じるのは、意外に楽しいです。
――(入居者を演じる皆さんへ)撮影中の楽しかったエピソードor不満に思っていることは?
- 石坂
- 楽しくやりたいとの思いから、皆さんにはご迷惑をかけつつ本番直前までしゃべっています(笑)。テレビというのは空気が伝わるものと信じているので、楽しい雰囲気で作られたドラマには楽しい風が流れると思っております。わたしは皆さんと1対1のシーンがずいぶん多く、皆さん苦しいとおっしゃっていますが、本当はわたしが一番苦しい!(笑) そんな中でも冗談を言いながら、スタッフたちとも明るく撮影をしています。温かくやすらいだ風が流れるドラマになっていると思いますので、12時半からその風に当たっていただければと思います。
- 浅丘
- 不満はまったくありません。楽しいことばかり! セリフがなければより楽しいです(笑)。最初に石坂さんと抱き合うシーンがあったんです。台本には「お嬢(浅丘)と栄(石坂)、長~く抱き合う」と書いてありました。菊村栄と白川冴子は20年ぶりに会ったわけですが、実際に私自身と石坂さんは16年ぶりにお会いしました。その両方の思いを込めて長いこと抱き合わせていただきました(笑)。楽しゅうございました。そしたらマヤ(加賀まりこ)がじろーっと私たちのことを見ておりました。もちろん、“芝居で”ですよ(笑)
- 加賀
- 八千草さん演じる“姫”があまりにも可愛らしく描かれているんです。私と浅丘さんが藤竜也さん演じる高井のことを「私が男として育ててやった」「いや、私のほうが先だ」なんてふたりで言い合いをしていると、真ん中で寝ていたはずの姫が「あら、あたしが先よ」って言って全部持っていっちゃう(笑)。どんなに私と浅丘さんがセリフを覚え、テンポよく芝居をしても、八千草さんのひと言でガラリと変わる。それで成立しているのがこのドラマなんだと思っております。
- 八千草
- 加賀さんの役はなんでもパッパッパっとしているのに対して、わたしの役はのんびりしていて、セリフで加賀さんに「なんだか叱られているみたい…」って言うんですけど、名高さん演じる理事長のセリフによれば、わたしは「血管の中を流れている血の速度が遅い」らしいんです(笑)。だから許して下さいね、って言いながら撮影をしています(笑)。
- 有馬
- わたしは皆さんとお会いできたことがすごくうれしかったです。ずっと舞台をやっておりまして、お会いすることがなかったので。ステキな方たちに会えてうれしかったです。あとは先ほど言いましたピアノのこと、これが一番印象に残っております。
- 藤
- わたしの役は寡黙でならした元任侠スター。ですからセリフが少なくてうれしいですね(笑)。時々「うー」とか「あー」とか言うだけですから、本当に楽しいです。昨日は八千草さんが、もし自分だったら覚えられるかしらと思うぐらいのセリフを素敵に演じられていて…。あれは圧倒されました。僕はうっとりして見とれてしまいました(笑)。
- ミッキー
- セリフを覚えるのが大変! 朝ごはんに何を食べたかも覚えてないのに(笑)。面白いことに、60年以上この仕事をしているのに、初めましての人が多いんです。八千草さん、風吹さんとは映画でご一緒したことがあって、有馬さんとは舞台でご一緒して以来、48年ぶりの共演。けっこう古いでしょ?(笑) 撮影はセリフを覚えること以外は、とても楽しいです!
- 山本
- セリフが、とにかく長い(笑)。何ページもしゃべらなくてはいけなくて、どうしてこんなに長いのかと思うこともありますが、セリフを覚えること以外はとても楽しいですよ(笑)。
――(入居者以外の皆さんへ)倉本作品に出演する思いは?
- 草刈
- こんなにも大勢の、キャリアを積んだ俳優さんとご一緒するのは初めて。皆さんとお芝居や時間を共有する中で、わたし自身がこの先どういうものを目指していけばいいのか、見えてきた部分がありました。すごく大きな経験になっていると思います。
- 常盤
- 先日、ある映画監督と「昔のような面白いドラマがなぜ減ったんだろう…」という話題になったときに、「昔はもっと追い込まれていた」と言われたんです。その言葉が、『やすらぎの郷』の撮影状況にバッチリ合うなと思っています。このドラマはすごくセリフが多く、シーンも長いので、小手先のお芝居では通用しない! 毎日、追い詰められた状態で撮影に臨まなければならないんです。それが、この作品の緩急をつけた面白さにつながっているんじゃないかと思います。
- 名高
- 出演が決まったときは本当にうれしかったのですが、届いた何十冊もの台本を見たときに、「これ、全部やるんだ…えらいことになったな」と(笑)。でも、台本を読み始めたら、とても面白かったり、泣けてきたり、人間のいろんな“性(さが)”みたいなものも伝わってきたりして、どんどんドラマの中に自分がのめり込んでいくのを感じました。同時に、責任の重さも痛感しました。この作品を通して、僕もまた一歩でも成長できればいいなと思いますし、倉本先生には本当に感謝しております。
- 風吹
- 以前、出演させていただいた倉本さんの作品では、撮影現場にいらした倉本さんが、役者のセリフに対して手をぐるぐる回しながら「リング、リング!」とよくおっしゃっていました。今回の台本を読むと、その当時と変わらず、筆のスピードがまったく落ちてないんじゃないかと思うほど素晴らしい。わたしは石坂さん演じる栄さんが思い出してくれないと出て来ることができないので、客観的に見ることが出来るのですが、皆さんのセリフがとても素敵です。ドラマが話題になると期待しております。
- 松岡
- ドラマへの出演はただただ光栄。わたしの母、父が倉本先生のドラマを見て育っていて、特に母は北海道出身なのでなみなみならぬ思いがありました。先生の伝説に「一語一句セリフを変えるな」というのがあって、今回、先生にお尋ねしたら、「語尾を変えてほしくない」のだとうかがいました。今まで語尾のことをちゃんと考えたことがなかったのですが、「でしょ」なのか、「だよね」なのか、それだけで本当にキャラクターが変わってしまう。脚本家さんが思い描いている役のイメージは語尾にこそ詰まっているんだということを、勉強させていただきました。
倉本 聰…脚本
今、僕の周囲は高齢者ばかりで、朝5時半か6時には起きてしまうという。その後、テレビを見ても情報番組ばかりでやることがないというんです。そんな中、どうして老人が見られるドラマがないのか、ゴールデンに対抗して“シルバータイム”というものができないかと思い、今回の企画を立てました。周囲の俳優さんたちにもお声掛けをしたら、皆さん大変賛成してくださいまして、このようにビックリするような豪華な方々が集ってくださいました。若者向けになってしまったテレビに“シルバー革命”を起こせたらいいな、と考えております。