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「神田川」の謎

未明の散歩の終わりごろに、なぜか「神田川」の一節が頭に浮かび、その歌詞をたどっているうちに「大きな疑問」に逢着したので、それを書いておく。
先に、その歌詞をネットで調べて書いておく。どこがその疑問点か、慧眼な人はすぐに分かるかもしれない。あるいは、この歌が大ヒットしていた当時からその疑問を口にした人はいたかもしれないが、今のようなネット時代とは違って、「一般人」がその種の疑問を公開する機会は少なかった、いや、ほとんど無かったのである。
まあ、その疑問自体、私という馬鹿な男の疑問であり、女性などには疑問ですらない、という可能性もある。


「神田川」

貴方はもう忘れたかしら
赤い手ぬぐいマフラーにして
二人で行った横丁の風呂屋
一緒に出ようねって言ったのに
いつも私が待たされた
洗い髪が芯まで冷えて
小さな石鹸カタカタ鳴った
貴方は私のからだを抱いて
冷たいねって言ったのよ

若かったあの頃 何も怖くなかった
ただ貴方のやさしさが 怖かった




では、私の疑問点である。

「一緒に出ようねって言ったのに」なぜ、「いつも私が待たされた」のか。

しかも、この女性は髪を洗っているのである。私は知らないが、ふつう、男が入浴するのに要する時間より、女性の入浴に要する時間のほうが長いのではないか。まあ、髪を洗う件に関しては、当時の若者には女まがいの長髪の男も多かったとしよう。しかし、それでも女より洗髪に時間がかかるか? しかも、男はこの女性と「一緒に出ようね」と約束しているのである。そういう約束を気にしない「豪快さ」こそ男らしさだという向きもいるだろうが、そういう「他人(しかも恋人)を考慮しない」生き方は少なくとも優しさではないだろう。それを「洗い髪が芯まで冷えて」「(手が震えて)小さな石鹸カタカタ鳴った」という状態になるまで相手を待たせているのである。まあ、「大急ぎで髪を洗い、男より先に出て相手を待たせないようにする」のがこの女の「優しさ」だったにしても、男の優しさではない。
しかも、この男は「私の体を抱いて」」「冷たいね」と言っている。つまり、女の体が冷たくなっているにも関わらず、それが「自分が待たせた」ためだと分かっていないか、分かっていてもそれを当然視しているのである。そのどこが「貴方のやさしさが怖かった」になるのか、意味不明すぎる。「私のからだを抱いて」、「冷たいね」と一見優し気な言葉を口にすればそれでOKか?
もしそうなら、ホストにカネを貢ぐ女性がワンサカいるのも当然だろう。女性の頭脳レベルはそんなものか? もちろんホステスにカネを貢ぐ男もワンサカいるのであり、お互い様だが。

まあ、そういう「亭主関白」的なところこそ男の魅力だと言うなら、私には何も言うことはない。だが、この歌を好きだという女性は本当にいるのだろうか。女性は概して優しいから、案外「男に尽くすヒロイン」というのも、女性の恋愛幻想の中にはあるのかもしれないが、この歌の場合は、このヒロインはあまりにも馬鹿すぎる。その純情さを可憐だという向きもあるだろう。男は、馬鹿なのか詐欺師なのか分からない。その行為から見て利己主義者であることは確かだ。
まあ、愛して別れるまでがドラマ、というだけの話か。だが、ある意味、現実にも多そうな話であるところが不愉快である。一番不愉快なのは、善意(純情)が悪(エゴイズム)に利用されることだ。

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自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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