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「桟」と「ぼっち」

アマリア・ロドリゲスのファド(ポルトガルの民族的歌謡)に、「暗いはしけ」という歌があるが、私は「はしけ」というのが何か分からず、「桟橋」をイメージしていたのだが、「はしけ」は「艀」と書き、小舟のようである。と、さっき、国語辞書を引いて知ったのだが、ここでクイズだ。

「工事現場などで、上にのぼるための傾斜のついた板の足場」を何と言うか、お知りだろうか。

実は、「船客の乗り降りや貨物の積みおろしのために、岸から水上につきだした橋」同様に「桟橋」と言うらしいのである。つまり、水平だろうが斜めだろうが、橋は橋でいいようだ。
「桟橋」の「桟」は、障子の桟と同様に「何かと何かをつなぐもの、間にあるもの、区切るもの」あるいは「端にあるもの」「突き出たもの」の意味かと思う。桟俵は、俵の蓋で、これも俵の端にある。
なお、桟俵を「さんだらぼっち」と言うようだ。「ぼっち」が何を意味するかは分からない(辞書によれば、数が少ないことを意味するようだ)が、「だいだらぼっち」(伝説の巨人)の語尾のように妖怪的なイメージがある。(今調べると、「だいだらぼっち」の「ぼっち」は「法師」の意味のようだ。「法師」そのものが、怪力乱神と縁が深い、妖怪的イメージである。)「ひとりぼっち」は人間の妖怪化か。
少し前の某アニメの「ぼっち」ちゃんは、時々脳が崩壊すると顔も溶解して視覚的には妖怪化する。(アニメや漫画の常套的描写法のひとつだが、この巧拙で、印象が上品にも下品にもなる、なかなか難しい表現である。美男美女も描き方次第で上品にも下品にもなる。レディースコミック的な絵柄はだいたい下品。まあ、その方面に進む漫画家の質のせいだろう。秋アニメの中に、そういう下品絵柄が数点ある。悪質なウィルスの感染である。)

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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