「ギャラリー酔いどれ」から転載。
私は墨子やキリストではないから、人間を無差別に愛したり、敵を愛したりはできない。と言って、「あいつは敵だ。敵は殺せ」という、現実政治や人間社会を支配する「憎悪と戦いの思想」にはもちろん与しない。まあ、敵に対しては、近づかない、こちらに関わってくれば戦う、という無難な思想である。もっとも、世間には「何となく嫌いなやつ=敵」と見做す好戦的な人間が無数にいることも承知している。だから、夏目漱石ではないが「とかく世間は住みにくい」ことになる。
さて、無駄話はさておき、例の人質事件だが、あれは「金を出してもムダ」というのが私の考えだ。心やさしい人々は、「金を出すべきだ」と主張なさっているようだが、そもそも、相手側は金を受け取る気は無いだろう。いくら日本政府が金のばら撒き外交をやっているとはいえ、「72時間以内に2億ドル準備しろ」は無茶苦茶だし、「いったいいつの時点から72時間なのか」という肝心の点が分からない。(これは2ちゃんねるでも揶揄されている。)それに、金の受け渡しはどうするのか。金を受け取りに来たら、その場で相手(犯人)を皆殺しにすればいい。口座振り込みなら、その口座の所有者を逮捕して死刑にすればいい。どちらも簡単なことだ。誘拐事件ならば、相手は明確な犯罪者であり、犯罪者にはそういう対応をするのが当然だ。「イスラム国」など国家でも何でもなく、犯罪者集団でしかないのである。そのことは彼ら自身、本当はよく知っているはずだ。で、金の受け取りができないことは先に書いたとおり自明であるから、この要求は最初から無理は承知の無茶振りであり、「日本政府が金を払わなかった。だから殺した」という口実のもとに日本を対テロ戦争に引きずり込んでいくというのがシナリオだろう。もちろん、シナリオを書いたのはISISではなく、その背後のユダヤ・イスラエル・米国である。
まあ、金は出してもいいが、私はケチなので、どうせ政府の金だから、とは思えない。政府の出す2億ドルは税金から出るものだ。それを軍事オタクのオカマのために使うのは気分が悪いのである。後藤氏は一見まともに見えるが、彼もどうも裏がありそうな存在だ。
だが、政府がとりあえず「2億ドルは出す」と言っておくのも交渉の上では悪くはない。「だが72時間では無理だ。人質解放手段と金の受け取り方法は話し合おう」と公式声明を出しておけば、人質奪回への時間稼ぎができるし、人質が殺されても(実はすでに死んでいる可能性が大だが)政府としては大義名分は立つ。もっとも、政府自身がこのやらせ事件のスタッフ・俳優である可能性の方が大きいから、私がここに書いたのはまったく無意味だろう。この事件自体は猿芝居である。ただ、その結果は「第三次世界大戦」への日本の参加というとんでもないことになる可能性が非常に大きいから、こうした警告記事を書く意義はあると考えている。
結論を言えば、日本政府は「2億ドルは払います。そして中東問題には二度と口出ししません」と声明文を出すのが(政府がまともなら)もっとも賢明だ、となるだろう。それだけが「テロとの戦争」から免れる方法ではないだろうか。
(以下引用)
いい分析だと思う、さもありなん、
◆http://my.shadowcity.jp/2015/01/post-6411.html#more
ネットゲリラ (2015年1月22日)
◎非正規雇用 使い捨てのスパイw
SISに捕まった二人なんだが、「アベシンゾーが雇った工作員」じゃないか?
と言ってる人がいます。まぁ、その可能性はある。
ジャーナリストと称する人間が怪しいというのは世界の常識で、
東南アジア行って「おいらはジャーナリスト」なんて言うと、
CIAのマワシモノだと思われるw
日本にもいますね。アメリカのTV局の特派員とか称してやたら出ているヤツがw
(デーブ・スペクター)
☆http://critic20.exblog.jp/23360557/
世に倦む日日 2015-01-21
◎後藤健二の疑惑 - マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係
私は、これは安倍晋三とJ-NSAがJ-CIAの海外拠点を創設し、
機関工作員を養成するプロジェクトの一端を示すものではないかと疑い、
Blogでそう書いてきた。湯川遙菜は、その機関工作員の初代の見習生で、
言わばテスト・パイロットだったのではないか。
最も危険な地域に送りこみ、リスクがどの程度あるか、
その瀬踏みをさせる使い捨ての派遣道具だったのではないかと、
そのように想像を巡らせている。
見習生を現地実習で教育するには上司たる教官が要る。
その中東における上司教官が、インディペンデント・プレスの
ジャーナリストである後藤健二ではなかったのか。
おいらは、自分の経験から書いている。
おいらも、自分のカネで、年間何回もアジアを歩いたんだが、バッグパッカーじゃない、
普通の旅行をするというのはカネがかかる。
それもその間、仕事を休んで、収入が減るわけで、
年収1000万以上あっても、貯金を使い果たす感じです。
ところが、やっていた自営業が破綻してカネのないはずの偽オカマが、
何度も渡航しているわけだ。英語もしゃべれないのに、どうやって旅行していたのか?
実は、後から捕まった「自称ジャーナリスト」が、常時、同行していた
というのが明らかにされているわけで、二人はセットだったんじゃないか?
もともと偽オカマは、タボガミ人脈で、偽オカマの「軍事会社」の顧問をやっているのが
自民党の元県議、タボガミの「全国行動委員会」支部代表だしw
政府が雇っている工作員というと、公務員wという事になるわけだが、
非正規雇用の公務員というのもいるわけで、
恩給も付かないし、いつカネが途切れるかも不安定。
それでも権力大好きで、権力者にすり寄って小銭で動く「自称ジャーナリスト」とか、
いくらでもいる。そういう人物、何人も知ってます。
なので、偽オカマがアベシンゾーの雇ったスパイだったとしても驚かない。
つうか、ISISの諜報能力は高いので、連中、最初から知ってますね。
ついでなんだが、ジャーナリストと同じように怪しいのは、
NPO関係者というヤツです。
(夢人追記)さきほど読んだ「世に倦む日々」の記事が素晴らしいので、転載しておく。ただ、「二重思考」の部分(後半)は、焦点がぼやけるので割愛した。また、中田考氏については、私は完全には信用していない。それこそCIAお抱えの道具ではないか、と疑っているのだが、現在、政府がこの人質事件を本気で解決する気があるのなら、ISISとのパイプとしては使える人材ではあるだろう。政府が「パイプが無い」と言っているし、中田本人も使われる気満々なんだから、それを使わないこと自体、政府の意図は見え見えだ、となる。
(以下引用)
私は墨子やキリストではないから、人間を無差別に愛したり、敵を愛したりはできない。と言って、「あいつは敵だ。敵は殺せ」という、現実政治や人間社会を支配する「憎悪と戦いの思想」にはもちろん与しない。まあ、敵に対しては、近づかない、こちらに関わってくれば戦う、という無難な思想である。もっとも、世間には「何となく嫌いなやつ=敵」と見做す好戦的な人間が無数にいることも承知している。だから、夏目漱石ではないが「とかく世間は住みにくい」ことになる。
さて、無駄話はさておき、例の人質事件だが、あれは「金を出してもムダ」というのが私の考えだ。心やさしい人々は、「金を出すべきだ」と主張なさっているようだが、そもそも、相手側は金を受け取る気は無いだろう。いくら日本政府が金のばら撒き外交をやっているとはいえ、「72時間以内に2億ドル準備しろ」は無茶苦茶だし、「いったいいつの時点から72時間なのか」という肝心の点が分からない。(これは2ちゃんねるでも揶揄されている。)それに、金の受け渡しはどうするのか。金を受け取りに来たら、その場で相手(犯人)を皆殺しにすればいい。口座振り込みなら、その口座の所有者を逮捕して死刑にすればいい。どちらも簡単なことだ。誘拐事件ならば、相手は明確な犯罪者であり、犯罪者にはそういう対応をするのが当然だ。「イスラム国」など国家でも何でもなく、犯罪者集団でしかないのである。そのことは彼ら自身、本当はよく知っているはずだ。で、金の受け取りができないことは先に書いたとおり自明であるから、この要求は最初から無理は承知の無茶振りであり、「日本政府が金を払わなかった。だから殺した」という口実のもとに日本を対テロ戦争に引きずり込んでいくというのがシナリオだろう。もちろん、シナリオを書いたのはISISではなく、その背後のユダヤ・イスラエル・米国である。
まあ、金は出してもいいが、私はケチなので、どうせ政府の金だから、とは思えない。政府の出す2億ドルは税金から出るものだ。それを軍事オタクのオカマのために使うのは気分が悪いのである。後藤氏は一見まともに見えるが、彼もどうも裏がありそうな存在だ。
だが、政府がとりあえず「2億ドルは出す」と言っておくのも交渉の上では悪くはない。「だが72時間では無理だ。人質解放手段と金の受け取り方法は話し合おう」と公式声明を出しておけば、人質奪回への時間稼ぎができるし、人質が殺されても(実はすでに死んでいる可能性が大だが)政府としては大義名分は立つ。もっとも、政府自身がこのやらせ事件のスタッフ・俳優である可能性の方が大きいから、私がここに書いたのはまったく無意味だろう。この事件自体は猿芝居である。ただ、その結果は「第三次世界大戦」への日本の参加というとんでもないことになる可能性が非常に大きいから、こうした警告記事を書く意義はあると考えている。
結論を言えば、日本政府は「2億ドルは払います。そして中東問題には二度と口出ししません」と声明文を出すのが(政府がまともなら)もっとも賢明だ、となるだろう。それだけが「テロとの戦争」から免れる方法ではないだろうか。
(以下引用)
いい分析だと思う、さもありなん、
◆http://my.shadowcity.jp/2015/01/post-6411.html#more
ネットゲリラ (2015年1月22日)
◎非正規雇用 使い捨てのスパイw
SISに捕まった二人なんだが、「アベシンゾーが雇った工作員」じゃないか?
と言ってる人がいます。まぁ、その可能性はある。
ジャーナリストと称する人間が怪しいというのは世界の常識で、
東南アジア行って「おいらはジャーナリスト」なんて言うと、
CIAのマワシモノだと思われるw
日本にもいますね。アメリカのTV局の特派員とか称してやたら出ているヤツがw
(デーブ・スペクター)
☆http://critic20.exblog.jp/23360557/
世に倦む日日 2015-01-21
◎後藤健二の疑惑 - マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係
私は、これは安倍晋三とJ-NSAがJ-CIAの海外拠点を創設し、
機関工作員を養成するプロジェクトの一端を示すものではないかと疑い、
Blogでそう書いてきた。湯川遙菜は、その機関工作員の初代の見習生で、
言わばテスト・パイロットだったのではないか。
最も危険な地域に送りこみ、リスクがどの程度あるか、
その瀬踏みをさせる使い捨ての派遣道具だったのではないかと、
そのように想像を巡らせている。
見習生を現地実習で教育するには上司たる教官が要る。
その中東における上司教官が、インディペンデント・プレスの
ジャーナリストである後藤健二ではなかったのか。
おいらは、自分の経験から書いている。
おいらも、自分のカネで、年間何回もアジアを歩いたんだが、バッグパッカーじゃない、
普通の旅行をするというのはカネがかかる。
それもその間、仕事を休んで、収入が減るわけで、
年収1000万以上あっても、貯金を使い果たす感じです。
ところが、やっていた自営業が破綻してカネのないはずの偽オカマが、
何度も渡航しているわけだ。英語もしゃべれないのに、どうやって旅行していたのか?
実は、後から捕まった「自称ジャーナリスト」が、常時、同行していた
というのが明らかにされているわけで、二人はセットだったんじゃないか?
もともと偽オカマは、タボガミ人脈で、偽オカマの「軍事会社」の顧問をやっているのが
自民党の元県議、タボガミの「全国行動委員会」支部代表だしw
政府が雇っている工作員というと、公務員wという事になるわけだが、
非正規雇用の公務員というのもいるわけで、
恩給も付かないし、いつカネが途切れるかも不安定。
それでも権力大好きで、権力者にすり寄って小銭で動く「自称ジャーナリスト」とか、
いくらでもいる。そういう人物、何人も知ってます。
なので、偽オカマがアベシンゾーの雇ったスパイだったとしても驚かない。
つうか、ISISの諜報能力は高いので、連中、最初から知ってますね。
ついでなんだが、ジャーナリストと同じように怪しいのは、
NPO関係者というヤツです。
(夢人追記)さきほど読んだ「世に倦む日々」の記事が素晴らしいので、転載しておく。ただ、「二重思考」の部分(後半)は、焦点がぼやけるので割愛した。また、中田考氏については、私は完全には信用していない。それこそCIAお抱えの道具ではないか、と疑っているのだが、現在、政府がこの人質事件を本気で解決する気があるのなら、ISISとのパイプとしては使える人材ではあるだろう。政府が「パイプが無い」と言っているし、中田本人も使われる気満々なんだから、それを使わないこと自体、政府の意図は見え見えだ、となる。
(以下引用)
人質を見殺しにする安倍晋三の不作為 - 「人命第一」の二重思考
政府から事件について厳重な報道管制を受けているマスコミは、2日目の昨日(1/21)、後藤健二を美化する特集でニュースを埋めた。本人がどこかの学校で講演した逸話を持ち上げ、10/25に自身がシリアで撮影した動画を出して、「何が起こっても責任は私自身にあります。どうか日本の皆さんもシリアの人たちに何も責任を負わせないでください」というメッセージを流し続けた。NHKも、テレ朝も、TBSも、判を押したように同じ映像を流し、後藤健二を絶賛するコメントを並べて論調を纏めた。日本のマスコミ報道ではよくあることで、慣例で常態の光景ではあるけれど、この報道が意図的な上からのお仕着せのもので、何度も畳みかけて国民に刷り込み、意味づけを一つにする情報操作であることは誰でも分かる。後藤健二が10/25に録画したビデオメッセージが残っていたのなら、その情報こそ、事件初日の1/20にマスコミが報道するべき素材だったはずだが、一日置いて、編集と演出を入念に一つに固めて、パッケージにして一斉に全放送局で流した。それは後藤健二を聖人に仕立て、英雄に祭り上げる<物語>の前編だ。本人が殺害された後、イスラム国を憎悪する国民感情が爆発するように、次の展開のために仕組んだ戦略的な布石である。昨夜の「特集」は明らかに政府が制作している。われわれは、政府とマスコミの魂胆を見抜く必要がある。情報操作に乗せられて後藤健二を英雄視するのはやめよう。
政府が全放送局を使って美談化のために流した映像の中で、後藤健二は、「責任は私自身にあります。どうか日本の皆さんもシリアの人たちに何も責任を負わせないでください」と言っている。マスコミはこの言葉にフォーカスし、たとえ殺されても相手を恨まない清浄な心ばえと、自己責任を素直に受け入れる姿勢を褒めちぎった。だが、不具合を感じたのは私だけだろうか。「責任は自分にあります」と言っているが、今回、イスラム国に捕縛されて身代金を要求され、仮に2億ドルが払われるときは税金なのである。後藤健二は自ら責任のとりようがないではないか。外務省が渡航を禁じているシリアに潜入し、イスラム国にのこのこ入って行って捕らえられ、世界中を騒がせ、家族と国民に心配をかけて、この男はどういう責任をとるという認識なのだろう。カネの問題や家族の問題だけではない。ジャーナリストを称する英米の者が幾人も首を斬られ、そのネット動画に刺激されて、厭戦気分だった米国の世論が変わり、「イスラム国」との全面戦争の情勢になった。同じ事件が日本人ジャーナリストを標的に起これば、日本が「イスラム国」との対テロ戦争に突入し、多くの日本人が命の危険にさらされる事態になるではないか。現に今、安倍晋三は、神風の到来とばかり、嬉々としてその方向へ動いている。そうなったとき、当の本人はどう責任をとれるのか。後藤健二の「責任は自分にあります」には何の意味もない。
あまりに軽薄で無責任な言葉であり、一人よがりな自己顕示の録画だろう。このビデオメッセージは、立入禁止の雪山に踏み込んでバックカントリーのスキーを愉しもうとする者が、規制ロープを跨ぐ前にスマホで自撮りし、「何が起こっても責任は私自身にあります」と言っているのと同じだ。傲慢な言い訳だ。遭難すれば、関係者が命がけで捜索しないといけない。ヘリを飛ばして救出活動しなくてはいけない。そこには過酷な職務があり、人命救助の責任があり、税金の出費が発生する。後藤健二の言う「責任」とはどういう意味なのか。今、後藤健二はジャーナリストの鏡のような立派な男だとマスコミは美化しているけれど、実は最も無責任で、思慮分別のない身勝手な行動で多くの者に迷惑をかけていて、教育材料としては反面教師なのがこの男の行動だ。美化できる余地などどこにもなく、模範にするなど狂気の沙汰なのだ。前の記事に書いたとり、私は、後藤健二が個人的な責任感や使命感の動機で、湯川遙菜の救出に動いたとは思えない。また、熟練の後藤健二があえなくイスラム国側に捕縛されたのには、かなり複雑な理由があっただろうと推理する。そして、そのことを日本政府はよく知っているはずだし、家族もよく知っているに違いない。一つの仮説は、後藤健二の正体がバレていたということで、湯川遙菜が尋問で真実を白状してしまっていたということだろう。ただのジャーナリストではない素顔を持っていたということだ。
残り時間は24時間を切ったが、安倍晋三と政府はこの事件の解決に向けて全く動こうとしていない。人質の救出に関心がない様子で、人命が奪われる焦燥感は微塵も感じられない。「テロには屈しない」「関係国に協力を依頼して解放に全力」のフレーズを機械的に繰り返しているだけだ。何もやってない。政府が何もやってないことをマスコミが叩かない。マスコミの論者たちは、藤岡信夫のように安倍晋三から指示された「解説」を垂れるか、惠村順一郎のように安倍晋三による制裁を恐れて無味乾燥なフレーズを並べるだけだ。マスコミは、政府が不作為を合理化するために言うところの「イスラム国とのパイプがない」を、そのまま「事実」として報道で認めている。政府とマスコミがこの事件への不作為と傍観を貫徹し、救助の具体策を話題にせず、殺害後の動きに関心を移してしまっている。その態度を「テロとの戦い」と自己責任論の二つの意義づけで正当化している。実は有効なパイプが存在し、中田考が全権でイスラム国に赴いて交渉すれば、人質は無事救出されるだろう。中田考はイスラム国の高官と信頼関係があり、スンニー派の学究として尊敬を受けている。本来なら、この非非常事態にこそ政府は中田考を活用すべきで、「文明の衝突」から局外中立に立つ日本の位置を明らかにして国益を守るべきなのだ。政府は中田考の経歴と能力を熟知しながら、眼中にないかのように無視と排斥を続けている。人質の命が刻々と危うくなっているのに、それを救うことに努力をしない。
安倍晋三と政府の言うことは、「テロに屈しない」と「人命第一で全力を」の二つだ。「テロに屈しない」には中身がある。だが、「人命第一」は嘘で空っぽだ。ただ期限までの時間稼ぎをしているだけで、早く処刑を済ませてくれと言わんばかりに無為無策を続けている。安倍晋三の頭の中は人質殺害後のプログラムでいっぱいで、どうやって犠牲の言い訳をするか、どうやって「テロとの戦争」を宣言して国民の支持を集めるか、どう集団的自衛権の行使第1号の実行に持ち込むか、中東での自衛隊の作戦と配置をどうするか等々、事件後の「対テロ戦争」の政治計画ばかりに熱中している。安倍晋三にとって今回のテロ事件はまさに天佑なのだ。これまで、9条改憲の理由づけについては、「日本をめぐる安全保障環境の変化」と抽象的に言い、具体的には中国の脅威を誇張して敵意を煽り、右傾化し反中化した世論の下でその政策を正当化してきた。人質殺害後は、それに加えて「テロの脅威」を柱に据えることができる。集団的自衛権の行使が地球の裏側に及ぶ問題についても、従来は急所で弱点であったものが、事件により意味づけが一変して、逆に反論を押しのけて正当化できる根拠となる。北岡伸一と谷内正太郎は笑いが止まらない神風だろう。昨年末、報ステの映像に登場した新米のジャパンハンドラーが、米国がイスラム国を軍事壊滅させた後、イラクでのPKFを日本に担当してもらうと、そう任務を「マスコミ辞令」する場面があった。イラク戦争のときの米軍の役割だ。自衛隊にとって初のブーツ・オン・ザ・グラウンド。
今回のテロ事件と、オバマの対イスラム国戦争の宣言と、二つが重なった状況で、この集団的自衛権行使の「任務」を回避すべしとする国内の反戦世論がどこまで高まるか、マスコミの言論がどうなるか、今後の状況は予断を許さない。2/18にはDCで主要国の首脳が集まり、イスラム過激派に対して「対テロ戦争」で連携する会議が予定されている。議事進行をリードするホストはオバマとオランドだったが、おそらく安倍晋三を加えたトロイカとなり、日本の軍隊の派遣が組み込まれたシナリオとなるだろう。
政府が全放送局を使って美談化のために流した映像の中で、後藤健二は、「責任は私自身にあります。どうか日本の皆さんもシリアの人たちに何も責任を負わせないでください」と言っている。マスコミはこの言葉にフォーカスし、たとえ殺されても相手を恨まない清浄な心ばえと、自己責任を素直に受け入れる姿勢を褒めちぎった。だが、不具合を感じたのは私だけだろうか。「責任は自分にあります」と言っているが、今回、イスラム国に捕縛されて身代金を要求され、仮に2億ドルが払われるときは税金なのである。後藤健二は自ら責任のとりようがないではないか。外務省が渡航を禁じているシリアに潜入し、イスラム国にのこのこ入って行って捕らえられ、世界中を騒がせ、家族と国民に心配をかけて、この男はどういう責任をとるという認識なのだろう。カネの問題や家族の問題だけではない。ジャーナリストを称する英米の者が幾人も首を斬られ、そのネット動画に刺激されて、厭戦気分だった米国の世論が変わり、「イスラム国」との全面戦争の情勢になった。同じ事件が日本人ジャーナリストを標的に起これば、日本が「イスラム国」との対テロ戦争に突入し、多くの日本人が命の危険にさらされる事態になるではないか。現に今、安倍晋三は、神風の到来とばかり、嬉々としてその方向へ動いている。そうなったとき、当の本人はどう責任をとれるのか。後藤健二の「責任は自分にあります」には何の意味もない。
あまりに軽薄で無責任な言葉であり、一人よがりな自己顕示の録画だろう。このビデオメッセージは、立入禁止の雪山に踏み込んでバックカントリーのスキーを愉しもうとする者が、規制ロープを跨ぐ前にスマホで自撮りし、「何が起こっても責任は私自身にあります」と言っているのと同じだ。傲慢な言い訳だ。遭難すれば、関係者が命がけで捜索しないといけない。ヘリを飛ばして救出活動しなくてはいけない。そこには過酷な職務があり、人命救助の責任があり、税金の出費が発生する。後藤健二の言う「責任」とはどういう意味なのか。今、後藤健二はジャーナリストの鏡のような立派な男だとマスコミは美化しているけれど、実は最も無責任で、思慮分別のない身勝手な行動で多くの者に迷惑をかけていて、教育材料としては反面教師なのがこの男の行動だ。美化できる余地などどこにもなく、模範にするなど狂気の沙汰なのだ。前の記事に書いたとり、私は、後藤健二が個人的な責任感や使命感の動機で、湯川遙菜の救出に動いたとは思えない。また、熟練の後藤健二があえなくイスラム国側に捕縛されたのには、かなり複雑な理由があっただろうと推理する。そして、そのことを日本政府はよく知っているはずだし、家族もよく知っているに違いない。一つの仮説は、後藤健二の正体がバレていたということで、湯川遙菜が尋問で真実を白状してしまっていたということだろう。ただのジャーナリストではない素顔を持っていたということだ。
残り時間は24時間を切ったが、安倍晋三と政府はこの事件の解決に向けて全く動こうとしていない。人質の救出に関心がない様子で、人命が奪われる焦燥感は微塵も感じられない。「テロには屈しない」「関係国に協力を依頼して解放に全力」のフレーズを機械的に繰り返しているだけだ。何もやってない。政府が何もやってないことをマスコミが叩かない。マスコミの論者たちは、藤岡信夫のように安倍晋三から指示された「解説」を垂れるか、惠村順一郎のように安倍晋三による制裁を恐れて無味乾燥なフレーズを並べるだけだ。マスコミは、政府が不作為を合理化するために言うところの「イスラム国とのパイプがない」を、そのまま「事実」として報道で認めている。政府とマスコミがこの事件への不作為と傍観を貫徹し、救助の具体策を話題にせず、殺害後の動きに関心を移してしまっている。その態度を「テロとの戦い」と自己責任論の二つの意義づけで正当化している。実は有効なパイプが存在し、中田考が全権でイスラム国に赴いて交渉すれば、人質は無事救出されるだろう。中田考はイスラム国の高官と信頼関係があり、スンニー派の学究として尊敬を受けている。本来なら、この非非常事態にこそ政府は中田考を活用すべきで、「文明の衝突」から局外中立に立つ日本の位置を明らかにして国益を守るべきなのだ。政府は中田考の経歴と能力を熟知しながら、眼中にないかのように無視と排斥を続けている。人質の命が刻々と危うくなっているのに、それを救うことに努力をしない。
安倍晋三と政府の言うことは、「テロに屈しない」と「人命第一で全力を」の二つだ。「テロに屈しない」には中身がある。だが、「人命第一」は嘘で空っぽだ。ただ期限までの時間稼ぎをしているだけで、早く処刑を済ませてくれと言わんばかりに無為無策を続けている。安倍晋三の頭の中は人質殺害後のプログラムでいっぱいで、どうやって犠牲の言い訳をするか、どうやって「テロとの戦争」を宣言して国民の支持を集めるか、どう集団的自衛権の行使第1号の実行に持ち込むか、中東での自衛隊の作戦と配置をどうするか等々、事件後の「対テロ戦争」の政治計画ばかりに熱中している。安倍晋三にとって今回のテロ事件はまさに天佑なのだ。これまで、9条改憲の理由づけについては、「日本をめぐる安全保障環境の変化」と抽象的に言い、具体的には中国の脅威を誇張して敵意を煽り、右傾化し反中化した世論の下でその政策を正当化してきた。人質殺害後は、それに加えて「テロの脅威」を柱に据えることができる。集団的自衛権の行使が地球の裏側に及ぶ問題についても、従来は急所で弱点であったものが、事件により意味づけが一変して、逆に反論を押しのけて正当化できる根拠となる。北岡伸一と谷内正太郎は笑いが止まらない神風だろう。昨年末、報ステの映像に登場した新米のジャパンハンドラーが、米国がイスラム国を軍事壊滅させた後、イラクでのPKFを日本に担当してもらうと、そう任務を「マスコミ辞令」する場面があった。イラク戦争のときの米軍の役割だ。自衛隊にとって初のブーツ・オン・ザ・グラウンド。
今回のテロ事件と、オバマの対イスラム国戦争の宣言と、二つが重なった状況で、この集団的自衛権行使の「任務」を回避すべしとする国内の反戦世論がどこまで高まるか、マスコミの言論がどうなるか、今後の状況は予断を許さない。2/18にはDCで主要国の首脳が集まり、イスラム過激派に対して「対テロ戦争」で連携する会議が予定されている。議事進行をリードするホストはオバマとオランドだったが、おそらく安倍晋三を加えたトロイカとなり、日本の軍隊の派遣が組み込まれたシナリオとなるだろう。
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