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山本氏の「テロの平和利用」を讃える

「リテラ」からエンジョウ・トオルの記事の末尾だけ転載。(長い記事なので。)
文中のYは、言うまでもなくドローン事件の実行者山本氏である。
通常は文章内の人名に敬称はつけないのが私の習慣だが、彼は立派な考えの下に立派な、勇気ある憂国の行動・警世の行動を取った尊敬すべき人物だと現在の私は考えているので、敬称を付けておく。
その彼の「崇高な」行動が、同じく原発に抗議して焼身自殺を図ったあの人と同じように「一過性の事件」として処理され、埋もれていかないように、心ある人々は気をつけておくべきだろう。
「テロの平和利用」とは言っても、この事件では誰一人怪我一つしていない。テロですらないのである。だが、仮にこれが法的にはテロであったとしても、国家そのものがフクシマを放置し、原発事故による放射能被害を拡散するという「巨大テロ」に比べたら些細なことだろう。


(以下引用)


その意味で、Yの行為は加藤死刑囚の無差別殺戮とはまったくちがう、むしろ1960年代に前衛芸術家たちが行っていた反社会的パフォーマンスと通じる部分もある。ハイレッドセンターの赤瀬川原平が千円札を模写して起訴された千円札事件や、秋山祐徳太子、ゼロ次元が反万博の活動として全裸パフォーマンスを行い、逮捕された事件……。いや、ある種の狂気を孕んでいるという意味では、天皇参賀で昭和天皇に向かってパチンコ玉を放った奥崎謙三のほうが近いというべきか。

 だが、いずれにしても、Yと彼らの決定的なちがいは、それを取り巻く世間の反応だ。当局に逮捕されながらも、同世代若者からリスペクトを集め、メディアでも称賛された60年代の前衛芸術家とは異なり、あるいは、その狂気が一部の熱狂的な支持を集め、反天皇制と戦争責任追及のイコンともなった奥崎とはちがい、Yの行動は反原発の論議を呼び起こすこともなく、ただただ「アブナイ男のはた迷惑な犯行」として処理されようとしている。


 それは、たんに、パフォーマンスのクオリティや方法の問題でなく、「お上にたてつかない」「目立たずに同調する」ことこそが求められるようになった日本社会の変化が大きく関係しているはずだ。


 Yはブログで「官邸も守れない、汚染土も管理できない国が原発を・・・てのは多分マスコミが言ってくれるか・・・」と書いているが、そんなことを大々的に語るメディアは、今のところ皆無だ。


 この事件の結果、進行したのは、原発再稼動に反対する世論でも、政府の原発政策に対する議論の活性化でもなく、単にドローンの法規制だけだった。


 Yは、出頭の当日のエントリーでこんなことを書いていた。


〈去年退職してからずっと大きな迷いの中・・・/前例ない道を1人で歩くのはシンドイ・・・/核の平和利用vsテロの平和利用・・・/再稼動の進行にあわせてリミッターを解除していけばイスラム国と変わらなくなる・・・/自分の無能さが悲しい・・・〉(エントリー・「100gの倫理」より)


 そう、悲しいかな、Yのいう「テロの平和利用」は、不発に終わったのだ。しかし、だとしても、いやだからこそというべきか、私たちはYの行為を「アブナイ男のはた迷惑な犯行」と片付けるのは止めようと思う。「反原発運動の足をひっぱった」などとその存在を意識から排除するつもりもない。


 彼の真意はどこにあったのか。そして、彼のとった方法論に世の中を動かす可能性は1ミリもなかったのか。世界中から嘲笑されても、そのことを考え、伝えたいと思っている。


 Yよ、君がどのような人間であれ、最終的に、真実は君の口からこそ語られるべきだ。せいぜいが威力業務妨害、前科がなければ執行猶予ですぐに釈放される。


 君が望むのならば、本サイトはその機会を提供したい。約束しよう。
エンジョウトオル

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