トランプ氏が下馬評を覆しての勝利を収めた米大統領選が11月8日、奇しくもその2日前の朝日新聞朝刊別刷り「Globe」11月6日付に、こんな記事が載っていた。
記事中のグラフが、とても印象的だった。記事によると、元世界銀行エコノミストのブランコ・ミラノビッチ氏が作成したものとのこと。
上掲記事より
現代の国際社会が途方もない複雑系であることは、肝に銘じておかなければならないと常々思っている。わかりやすすぎるものは、時として危険だ。しかし、このグラフはトランプ氏勝因の一端を、わかりやすく示唆しているとは言えないだろうか。
「サンダース上院議員が民主党の大統領候補予備選に敗れたので、共和党のトランプ氏を支持した」とされる層が、少なからず存在すると言われる。それらは、上掲グラフの横軸目盛り80~90%に相当する層だと想像すれば…サンダース氏への期待は100%付近の成長の再分配を期待したものであり、トランプ氏への鞍替えは同氏が50~60%付近を叩いてくれると期待してのことと…
上記は根拠のない私のただの想像である。「Globe」の記事は、米大統領選に直接言及したものではない。記事がどのような文脈でグラフに言及しているかは、直接リンク先を読んでもらうのが一番早いだろう(同日付「Globe」中には米大統領選の記事もあった「[Part3]トランプに託す過去の栄光/米国 -- 反発する民意 -- 朝日新聞GLOBE」)。
ただし、あえて想像を重ねるとしたら、もしトランプ氏が大統領就任後もこれまでの主張に固執するのであれば、同氏の政策が奏効するとは思えないことも述べておきたい。なぜなら上掲グラフ50~60%付近の成長著しい部分と、同氏が選挙戦において攻撃してきた相手は、とうてい一致しているとは言えないからだ。