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一粒の麦

「世に倦む日々」ツィッターから転載。
市民運動というものが、この日本では線香花火のようにあっけなく消える一過性のものだ、ということは事実である。つまり、一時の流行だ。ファッションの一つである。そういう意味では私も、「世に倦む日々」氏と同様にデモの有効性については懐疑的だ。
その一方で、こうした市民運動は「見ている人々」の心に与える良い影響というものがある、と私は考えている。
たとえば、私の場合、高校生のころには大学生の学生運動には嫌悪感しか感じていなかった。ただの暴力行為、治安紊乱行為にしか見えなかったのだ。彼らが何に対して抗議しているのか、何と戦っているのか、ということすら知らず、知ろうという気持ちも無かった。むしろ、そういう「暴力学生」は全部逮捕して刑務所に入れてしまえ、と思っていた。
はたして、これは無知な私だけのことだっただろうか。案外、日本の大衆のほとんどはそういう目で学生運動を見ていたのではなかったか。いわゆるB層というものはそんなものだろう。
私が学生運動や安保闘争の意味を理解できるようになったのは何と、40歳過ぎるころからであった。だが、世間の大半の人は、幾つになっても、高校生のころの私と同様な目で市民運動を見ていたのではないか。
それが「戦争法案」反対デモや原発反対デモでは変わりつつあるような感じもある。つまり、「政治運動」は特別な人々のすることではなく、我々の日常と地続きなのだ、という感覚が社会に生まれつつある、と私には思えるのである。
その原因は、今のデモの持つ「非暴力性」にあるのではないか。
かつての学生運動が多くの人に嫌悪感しか与えなかったのは、その「暴力性」に理由があったのではないか。
そういう変化を私は感じているのである。
今のデモによって「戦争法案」を防ぐことは不可能だろう。だが、それが無意味かというと、絶対にそんなことは無い、と私は思う。
種を蒔く人がいて、収穫がある。種を蒔かないと収穫は無い。
市民デモは、そういう種を蒔く行為ではないだろうか。収穫は、まだまだ先のことだが、種を蒔くことを無意味だとしてやめれば、この国には永遠に民主主義は育たないだろう。
革命は、国民の心に蒔かれた種から発するのである。


(以下引用)

内田樹が、最近ゴニョゴニョ言っていて、従来のシステムが崩壊してどうのと、ゴニョゴニョ口ごもって何か言おうとしている。内田樹が、革命という言葉を知っていて、自在に使いこなせる学識を持っていれば、今の彼の問題意識をクリアに論理化・言語化できるだろうにと、つい苦笑してしまう。
沖縄の人たちは今でもきちんと「闘争」と言う。その言葉を死語にしない。言い換えや置き換えをしない。6年前、都内の講演の場で、今の政治学こそ革命論が必要なのだと私は説いた。それが正しかったとあらためて確信する。日本人は「革命」の語を言わなくなった。が、口にしないといけないときだ。
7月14日に「戦争か革命か」という記事を書いたが、本質的に、やはりそのとおりだと思う。NEWS23の古庄幸一と石川健治の話は「戦争か革命か」の問題設定が正しかったことを確信させた。石川健治の問題意識を政治学的に焼き直せば、革命せよという結論になる。蜂起してクーデターを元に戻せと。
喉元過ぎれば熱さ忘れる。8月11日に川内原発が呆気なく再稼働したけれど、これが3年前の2012年8月11日だったらどうだろう。2年前の2013年8月11日でも、こんなに無抵抗ではなかったはずだ。日本の場合、デモが抵抗持続性の基礎となるのではなく、ガス抜きになっている。
例えば、2か月後、11月18日に安倍晋三が衆院を解散して総選挙に出たとして、安保法案が争点になって、安倍晋三が負けるという図はあるだろうか。私は懐疑的だ。前回より投票率が下がって自民党が勝つ可能性が高い。例えば、1か月後、10月16日にSEALDsは国会前でデモしているだろうか。
今夜はデモの人数が減った。昨夜はもっと多かった。「これで終わりじゃない」「私たちは声を上げ続ける」という声がニュースで出ているけれど、本当だろうか。秘密保護法のときもそんなことを言っていた。でも、喉元過ぎれば熱さ忘れるで、衆院選では過去最低の投票率で安倍晋三に大敗した。

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酔生夢人
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