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これからの銀行はどうあるべきか

「耕助のブログ(賀茂川耕助のブログ)」から転載。
「徽宗皇帝のブログ」向きの経済の話題だが、あちらには別記事を載せたので、こちらにしたわけだ。
銀行の仕事は金を預かること、金を貸すことだが、今の民間銀行がその仕事を誠実にやっているようには見えないから、こうした意見が出てくるのだろう。(経済システムの最大の問題である、中央銀行の問題は、また別の話だ。)
ほとんどの中小企業が銀行から借金して経営しているというのが現実だと思うが、銀行側にも「貸した金を取りはぐれる」という問題が常につきまとうから、「担保のある者にしか貸さない」となる。すると最初から担保も資金も無い貧しい人間は永久に浮かび上がれないことになる。
出勤前で時間が無いので、この問題は後日考えたい。



(以下引用)


No. 1048 公共の銀行を
投稿日: 2013年10月1日 投稿者: 耕助



北海道の夕張市が負債総額632億円で財政破綻したのは2006年のことだったが、さる7月、アメリカではミシガン州デトロイト市が1兆8千億円を超す負債総額で財政破綻した。

アメリカでは過去にはカリフォルニア州ストックトン市やアラバマ州ジェファーソン郡などが破産法を申請しているが、デトロイトの負債額はそれらを大きく上回る。夕張市は炭鉱、デトロイト市は自動車と、特定の産業に財政の比重が集中していたことが原因だが、ストックトン市は不動産バブルで投資に走り、それが暴落して立ち上がれなくなった例である。アメリカにはこのような破綻寸前の自治体が数多く存在する。
今デトロイト市が行っている破綻処理は、今後同じような自治体の処理のひな型となるだろう。それは3月にキプロスで破綻した銀行を救済するために預金者のお金が使われたように、市の債権者である銀行を救済するために、公務員の年金が奪われるというスキームである。キプロスもデトロイトも銀行は保護され、その他大勢の人々が犠牲となるのだ。
金融危機の多発する欧米諸国は70年代後半から民営化と規制緩和を推し進め、それによって少数の人がいかがわしいほどの利益を手にするようになり、特に金融分野で顕著である。銀行業務と証券業務の分離を定めたグラス・スティーガル法を廃止し、銀行が預金と貸し出しだけでなく、株やデリバティブなどの売買も行えるようになり、規制が緩和される一方で銀行の救済保護は強化された。
興味深いことに、ブラジル、ロシア、インド、中国などではこれほどの金融危機は起きていない。パブリック・バンキング・インスティテュートのエレン・ブラウンによれば、なぜならそれらの国では銀行は国営で、厳しく規制されているからだという。たしかに、銀行が国営ならウォール街からお金を借りたりデリバティブ商品を買うこともない。
民間銀行からお金を借りる代わりに政府が銀行を作り、そこからお金を借りる。その公共の銀行は政府の資本を信用とし、その信用を税収などで裏打ちして配当として政府に利子を返す。これは中国やロシアの話ではなく、すでにアメリカのノースダコタ州で州有のバンク・オブ・ノースダコタという銀行が州の人々のためにやっていることだ。民間銀行との大きな違いは、利子は銀行の利益として取られるのではなく州に入る。カナダのアルバータにも州政府が設立したATBと呼ばれる金融機関が州民に銀行と同じサービスを提供している。
公共の銀行はとっぴなアイデアではないのだ。日本もゆうちょ銀行を国営のまま残すべきであり、それ以外にも国営銀行を作り、政府はその銀行では株やデリバティブなどは禁じ、預金を100%保証するようにすればよいと思う。
エレン・ブラウンによると、世界の4割の銀行は公共であり、さらに今、アメリカの20の州が公共銀行法案の通過を待っているという。デトロイトに続かないためにも、地方政府が自分自身を守るために自分の銀行を作ることを検討しているという動きがあることを、日本国民も知っておくべきである。





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