今朝は驚かされた。突然、凍結が始まったのだ。
 中津川市では、例年、12月に入ったなら車はスタッドレスタイヤに交換するのが普通だ。朝晩、氷点下の気温が普通になるからだ。
 我が家では、12月になると、シンクや風呂など水道管末端ではポタポタ出し作戦、離れのトイレは、夜間石油ランプをつけて保温するのだが、11月14日の未明にトイレに入ったら水がスムーズに流れない。凍結していたのだ。

 慌てて温度を調べるとマイナス2度だった。恵那市街でさえマイナス1度になっている。昨夜の予報ではプラス2度だったので、まだまだ保温対策は必要ないと油断していた。
 普通はマイナス4度くらいから凍結がはじまるのだが、風が吹いているときは、零度でも凍結が起きることがある。
 中津川市のような山間部では、おおむねマイナス7度くらいまで下がるが、年に数日、マイナス10度以下に冷える。こんなときは、水道管が破裂しないことを祈りながら寝るしかない。

 水道管が破裂するときは、まるで小さな爆弾が破裂したかのようで、未明に「ボン!」という爆発音が聞こえる。布団のなかで「やっちまった」と思うが出て行く気にはなれない。
 翌朝見ると、塩ビ水道管の鋭い破片が周辺に散らばっていたり、良くて、バルブや管に亀裂が入り、接着剤接合部がすっぽ抜けていたりするが、まだ他の部分が凍結しているので水は出ない。
 昼頃までに凍結が溶けて、破損箇所から水が噴き出すようになる。その前に修理しなければならない。

 鉄管なら破裂しないかというと、同じように破裂する。だから、修理のしやすさも考えて、高価な鉄管水道管は使わず、一番安価な塩ビ管を使っている。
 修理は依頼すると目玉が飛び出るので、自分でやらねばならない。バルブやジョイントなどの部品はいくつも用意してある。

 幸い塩ビ管の切り貼りは、のこぎりと接着剤でできるので、それほど難しくないが、水抜きしたとき、管内に滞留水が残らないように設計するのは結構難しい。それに、容易に修理できるように触れない死角を作らないように組み立てる必要がある。
 滞留水が凍結して、破裂の原因になるため、水抜栓で完全に抜けるように、傾斜を工夫しなければならない。

 無茶苦茶寒いとき(マイナス10度以下)は、完全水抜き(井戸ポンプの電源は入れたまま)をして、トイレもバケツに貯めた水を使うが、普通の寒さなら、チョロだしと保温でなんとかなる。
 しかし、ポタポタでは、そのままの姿で凍結して氷柱ができて凍結するので、流水を増やして、ちょろちょろに変えなければならない。
 我が家は井戸水なので13度と暖かいから、ほとんどポタポタですむが、自治体水道は流路で3度くらいまで冷えているので、多めにチョロ出しする必要がある。

 市販の水道管保温材料(ウレタン)が役立つのはマイナス4度までで、それ以下では役に立たない、保温材を巻いたまま凍結するのだ。むしろ、冷風対策として考えた方がいい。
 テープヒーターは有効だが、電気代が相当にかかるので、田舎では使わない人が多い。チョロだしの方が安く上がるのだ。
 離れのトイレの場合は、床に置いた7分芯の石油ランタンが有効である。一晩で1リットルは使わないし、トイレがほのかに暖まって都合が良い。
 https://item.rakuten.co.jp/vastland/vl0248-1/?iasid=07rpp_10095___e0-loxmgqkc-8g-f8aed708-7ea0-40d9-8071-fe1d38edb5e1

 これらは、日本列島内陸や東北北海道では、常識的な風景だが、都会の人は、厳冬期の凍結に対する認識が甘い人が多い。
 田舎暮らしの冬は、凍結との戦争が毎日続くのだ。名古屋あたりから中津川に移住してきた人は、最初の冬で、凍結知識のなさから大きなダメージを受けるのである。

 今朝、畑に出てみたら、霜が降りて、馬鈴薯の葉が黒く変色しはじめていた。夕方までに、馬鈴薯は相当に傷むだろう。
 こんなときはU字支柱を立てて寒冷紗を貼るしかないが、肺線維症末期の私には苦しい作業だ。もう少し大丈夫と甘いことを考えていた私も、ダメージを受けた。

 こんなことを書こうと思ったのは、気象庁が長期予報で暖冬を公表しているにもかかわらず、現在、2030年から17世紀のマウンダー極小期が再来し、小氷期になると予測する気象学者が増えているからで、すでに寒冷化が徐々に始まっているという。

 2030年から始まる小氷期問題 2022年09月01日
 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5962568.html

 気象庁の長期予報は当たらないのが普通になっている。今年も、暖冬予報でありながら、厳冬が来る可能性が高くなっている。
 というより、驚異的な暖冬と厳冬が交互にやってくるのだ。温暖化だから寒冷化と相殺できるなどと都合のよいものではない。両方ともやってくる。
 11月に九州で30度を記録したかと思えば、北海道では、中標津ですでにマイナス10度を記録している。この分では2016年のような極寒が必ずやってくる。
 夏場の気温が40度で、冬場の気温がマイナス10度以下という世界になるのである。

 今年、2016年に起きたような、大寒波が襲来する可能性が小さくない。今朝の予想外の凍結を見て、今冬の意表を突くような大寒波を私は予感した。

 2016年、何が起きたのか?
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%88%9028%E5%B9%B4%E3%81%AE%E5%A4%A7%E9%9B%AA

 https://www.youtube.com/watch?v=PsgsT6jd_BY&ab_channel=%E7%A6%8F%E5%B2%A1%E3%83%BB%E4%BD%90%E8%B3%80KBCNEWS

 温暖な九州地方が、私の住む中津川のような寒冷化に見舞われた。
 例年、厳冬期の凍結など経験したことのない地域で、マイナス7度という寒さがやってきたので、ほとんどの家で水道管が凍結を起こし、修理の経験もない人々は、なすすべがなかった。
 あまりにも凍結破裂が多すぎて、地域の水道屋では手が回らなかった。また、ほとんど恒久的な鉄管仕様なので、修理したくとも道具もなかった。
 漏水していても、元栓の止め方も知らない人が多かった。

 これが、鉄管でなく修理の容易な塩ビ管だったなら、もっと手早く復旧できただろう。
 また、寒冷地では必ず作ってある、元栓を止めて水を抜く、専用の水抜き栓もない家が多かった。
 マイナス10度以下だと、もう普通の保温は通用しない。必ず元栓を止めて、家中の蛇口を解放し、水抜栓から残存水を完全に抜いておかねばならない。
 だから、今冬、元栓の位置確認と水抜き栓の新設(複数)を準備する必要がある。

 トイレの水は、風呂桶に貯めておきバケツで利用する。調理の水はポリタンクに貯めておく。寒波が去ってから元栓を開けるしかないのだ。
 北海道では、この方法が普通である。廊下に水の入ったバケツがあるのは、そのためだ。だいたい寒冷地方では、水の使用量の少ない寒冷用簡易水洗トイレが普及している。

 もしも、大都会で、これから夏は40度、冬はマイナス10度という激変気温が普通になるとすれば、何はなくとも冬場の水道管を守らなければならない。
 ウレタン保温材を巻けばなんとかなるのは、マイナス4度までだ。マイナス10度まではチョロチョロ出しと、トイレや風呂の石油ランタンやミニヒーターによる保温が必須で、可能なら元栓を閉めて水抜きする。

 2030年から地球は小氷期に入ることが確実視されていて、これから毎年、冬は寒くなる一方であると思うべきだ。もちろん、まだらのように暑い日も現れる。
 気象は、極端から極端に激しく移行を繰り返す。
 これは地球気象を極端な変動から守ってきた、熱帯雨林、自然林を皆伐して砂漠に変えた人類の罪でありカルマである。気象の緩衝作用を担ってき大森林を、新自由主義の市場原理思想により金で売り飛ばして破壊してしまえば、我々は、こういう運命を享受しなければならないのである。
 だから、大都市圏の居住者でも、これから2016年九州のような恐ろしい凍結に見舞われる可能性が増えてきている。

新自由主義思想があるかぎり、我々人類に待っているのは地獄だけだ。
 それが、どれほど恐ろしいことか、これから気象激変による被害で、我々は思い知らされることになる。