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日本の季節感と旧暦

私は、毎年年末になると翌年の「運勢歴」を百均で買うのだが、その理由は「旧暦」を知りたいから、というのが大きい。まあ、運勢も興味はあるが、あれはだいたい9年周期で誰にも同じような運勢が来る、というようなものであり、あまり真面目に考えるような類のものではないと思っている。いわゆる「厄年」思想などはそれに類するものだろう。ちなみに、その本には方位の吉凶なども出ているが、だいたいが凶方位(吉方位は2割程度だろうか)で、それを信じたら必要な時にどこにも行けなくなる。平安時代じゃあるまいし、「方違え」をするようなアホは現代にはいないだろう。それでも方位の吉凶を載せるのがこの種の本である。
だが旧暦に関しては、それを載せているカレンダーが現在はほとんど絶滅状態なので、旧暦に基づく習俗もどんどん無くなっている。旧正月や旧盆などである。まあ、それは別に構わないのだが、実は日本の「季節感」は旧暦のほうがふさわしいのではないかと私は思っている。
たとえば、今年の旧正月は太陽暦だと2月5日のようだが、実際、その頃になって「一陽来復」という感じになるのではないか。もちろん、北国では話は別で、1年のうち3か月も雪に閉ざされているところでは2月はまだまだ寒さの最中だろう。
要するに、旧暦だと立春と正月がほぼ同じになり、まさに「さあ、これから春だ」というのと、「さあ、これから新しい年だ」というのが重なって気分がいいのではないか、ということだ。中国で春節(旧正月)を祝うのも、その気分があるからだと思う。新年(=春の到来)を祝う気分が大きいからこそ、正月が来る前に立春になった年は何だか騙されたような気分になり、「年のうちに春は来にけり。一年(ひととせ)を今年とや言はむ、去年(こぞ)とや言はむ」という歌になったりする。
ちなみに、旧暦は月の満ち欠けを基準とするのでだいたいひと月は29日か30日であり、31日は無い(と思う)。だから、大晦日が今のように12月31日ではなく、今年の旧暦の大晦日は12月30日である。この、月の満ち欠けが旧暦ではすぐに分かる、というのが実は私が「運勢歴」を毎年購入する理由のひとつでもある。室内の電灯を消すと寝室の窓から凄い月明かりがして、見てみると満月だった、などという時に、旧暦ならその日がその月の十五夜だとあらかじめ分かっていたのにな、と残念な気がすることが多いのである。つまり、「あと何日で満月だ」という期待感が新暦ではまったく存在しないのだ。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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