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人を愛するということ

「青葉台ブログ」から転載。
私ははっきり言って爺いである。その爺いがアニメを見るだけでも馬鹿にされそうだが、そのアニメのタイトルが「魔法少女まどか☆マギカ」となると、下記記事ではないが、「気が狂ったか」となるだろう。だが、この「まど☆マギ」は、10年に一度という傑作であるから、ぜひ多くの人に見てもらいたい。
内容については下記記事が簡潔に説明しているが、これは脚本・映像・キャラクター・音楽・演出の総合的なレベルの高さによる傑作なので、ストーリー要約だけでは、あまり内容は伝わらないと思う。しかも、第三話の途中までは、まったくの「お気楽魔法少女物」にしか見えないのだから、けっこう多くの人は第一話だけで投げ出す可能性もある。だが、第三話で「えっ?」となり、それから後は「ええっ?」「ええーっ!」となり、後は怒涛のラストまで引きずり込まれていくのである。その間、見る人の心には「これは傑作だ、傑作だ」という思いが絶えず渦巻いているはずだ。もしも、これに感動できない人がいたら、本当に可哀想なことだ。
私は作品をテーマで論じるのは嫌いだが、この作品を一言で言えば、「あなたはどこまで人を、そして人類全体を愛することができるか」という問いのように思える。家族への愛、友達への愛、あこがれの人への愛、そして、自分と同じ魂を持った過去の人々への愛。
愛する人のために自分の人生を捧げた、その愛がまったく報われなかった時、愛は憎しみに変わるかもしれない。それでも、あなたは相手のために自己犠牲ができるか。あるいは、転校生として不安に怯えていた自分に優しい声をかけてくれたという、それだけであなたはその相手に、自分の人生を賭けて後悔しないか。
愛は必ずしも打算と無縁ではないだろう。しかし、人生のある時期には、まったく打算の無い愛に生きることも可能であり、その時人は人間以上のものになるのである。


(以下引用)


「魔法少女まどか☆マギカ」が素晴らしすぎる。
テーマ:書評・映画・演劇・音楽など
私がこんなブログをアップしたら、この作品を知らない人からは、「魔法少女」というタイトルだけで、ついに気でも狂ったかと思われるだろうが、いや、「魔法少女まどか☆マギカ」を見たことがある人なら、うんうん、あなたもね、と共感してもらえると思う。

「魔法少女まどか☆マギカ」は今年前半に、深夜枠で放送されていたアニメで、DVDの1巻が発売されるやいなや、6000円ぐらい単価もするのに、5万枚以上も売れて、この手のアニメではギネスをつくった作品である。
http://www.madoka-magica.com/

この作品の魅力は語り尽くすのも難しくて、ゆえに、あちこちでネット上も考察がたっているし、新聞や雑誌でも評価がとりあげられてきた。

「子連れ狼」原作者の小池一夫氏が激賞し、
http://getnews.jp/archives/137487

またSPAでは、四人のオトナの評論家が大まじめに作品の魅力を語った。
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20110822/zsp1108221121004-n1.htm

なかなかこの魅力を文章で表現するのは難しいが、私の場合は、「意外性の連続」に虜になってしまった。まあ、みごとなまでに、裏切る展開が続き、そして最後には落ちつくべきエンディングにくるというスマートさもある。

まずタイトルからして裏切りである。
「魔法少女」とタイトルをつけて、少女漫画っぽく見せながら、ぜんぜんそんな雰囲気から変えていく。
マスコットっぽく登場したキュゥべぇ。そもそもキャラデザインが「萌え系」であること。
それらすべてが、どんどん裏切っていって、ジェットコースターに乗せられた気分になる。
最終回まで見終えて、「魔法少女まどか☆マギカ」って、これ主人公は、まどかなの?とそういう最後の裏切りも感じた。しかし、先入観を打ち砕く裏切りの連続が心地いいのである。

また音楽も映像も素晴らしい。魔女の世界に入るあたり、まるでディズニーランドのホーンテッドマンションに初めて入った時のようなワクワク感があった。

作品の世界観としては、芥川龍之介や、太宰治の作品を読んでいるような錯覚を感じたりもする。

最後に、私自身が一番響いた示唆は、最終回で時間遡行を繰り返すほむらが、まどかのことを「道しるべ」と呼んだことだ。

この作品のこれまた魅力なのだが、私たちもまた現実世界では、彼女たちのようなしがらみや悲しみ、迷いの中に生きている。

キュゥべぇのようなブラック企業の人事担当に騙されて、入った会社が、ひどいことばかりだが、「契約」のために逃げられないしがらみに苦しむこともある。

魔法少女たちのように、誰かのためにやったことを、恩をアダで返されて、また、理解されないことなんて毎日のことだ。

流されて、囚われて、逃げられなくなって、自分を見失い、どうすることもできない無力感の中で、私たちはどうやって生きていけばいいかと途方に暮れる。
そんな中で、「道しるべ」となるべきものの存在。

ほむらにとっては、まどかだった。

ぜひ、この作品はできるだけ多くの人に見てほしい。
そう思って、ブログ記事を書きました。

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