山下一海著「戯遊の人 与謝蕪村」をぱらぱらとめくっていて、蕪村の或る句で「この世界の片隅に」の或るシーンを思い出したので、メモしておく。
「明月やうさぎのわたる諏訪の海」
という句で、この諏訪の海は瀬戸内海ではなく諏訪湖であり、うさぎがわたるのも昼ではなく明月の下という違いはあるが、水面を走る白い波をうさぎにみたてるのは昔からあったようである。
同じ本の中でも、建長寺の僧自休の詩
「緑樹影沈ンデ魚木ニ上リ、清波月落チテ兎波ヲ奔ル」
や、謡曲「竹生島」の
「緑樹かげ沈んで魚樹にのぼるけしきあり、月海上に浮んで兎も波を奔るか」(もちろん、自休の詩によるものだろう。)
などが紹介されている。
「この世界の片隅に」の作者が、これらの古典を知っていたのか、偶然なのか、どちらでも面白い。
「明月やうさぎのわたる諏訪の海」
という句で、この諏訪の海は瀬戸内海ではなく諏訪湖であり、うさぎがわたるのも昼ではなく明月の下という違いはあるが、水面を走る白い波をうさぎにみたてるのは昔からあったようである。
同じ本の中でも、建長寺の僧自休の詩
「緑樹影沈ンデ魚木ニ上リ、清波月落チテ兎波ヲ奔ル」
や、謡曲「竹生島」の
「緑樹かげ沈んで魚樹にのぼるけしきあり、月海上に浮んで兎も波を奔るか」(もちろん、自休の詩によるものだろう。)
などが紹介されている。
「この世界の片隅に」の作者が、これらの古典を知っていたのか、偶然なのか、どちらでも面白い。
PR