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エンタメにおける「いい作品」と「売れる作品」の違い

特に書きたいことも無いので、私の別ブログ(娯楽ブログ)に載せてある「エンタメ評論」のひとつを載せる。これは、エンタメ系創作者には重要な問題だと思うが、商売としての成功不成功とは無関係で、「売れさえすれば何でもいい」という電通的には笑い飛ばされる話だろう。

(以下引用)一部改訂。主にアニメ作品を論じている。念のために言えば、「いい作品」が同時に「売れた作品」でもあることも多いのであるが、下品・愚劣だが売れた作品もまた多いのである。後者はたいてい、宣伝効果による成功、つまり電通的成功である。「エスキモーに冷蔵庫を売りつける」類だ。(最近ではエスキモーを別名で呼ぶらしいがどうでもいい。大昔のポリコレの走りだ。)

アニメを含む、エンタメ商品においては、作成者の誠意、つまり、「いいものを作りたい」という気持ちが大事で、それは受容者に伝わるものである。ただ、そこから先が問題で、「いいものを作る」ということへの誤解が、作品を素直に受容できるものと、受容に抵抗を感じさせるものに分ける。要するに、「いいもの」と「売れるもの」は別だという話である。

前者(エンタメとしていいものを作りたいという精神)を「サービス精神」、後者(売れるものを作りたいという精神)を「媚び、スケベ心、受け狙い」と言えば分かるだろうか。実に上手く、破綻なく作られた作品でも、その「スケベ心」を感じると、受容者(視聴者)は不快感を感じるのだが、それはエンタメ作品受容の経験が長い人間に起こるのだろう。一般人は、「媚び、スケベ心、受け狙い」に関してほとんど拒否感は持たない。だから、後者の、私にとっては「不快な作品」がベストセラー、ヒット作品になることも多い。

先に前者の「サービス精神」に溢れた作品の事例から言えば、ほとんど世間からは無視されていると思われる「ダンジョンの中の人」がそれだ。こうした、誠実な作品、サービス精神にあふれた作品の特徴は「再視聴性」が高いことで、私はこの作品を5周くらいしているが、飽きることがない。それは、自分の好きな人間と毎日会話をして飽きるか、飽きないか、ということだ。愛着心が生じたら、飽きることはほとんど無いのである。ちなみに、EDクレジットアニメで次回予告をするが、そこで声優ふたりにコント(メタ的コント)をさせ、それが面白い。そこまでサービス精神が溢れているのである。
後者の事例が、たとえば「チ。」などである。映像は実に丁寧な作りだが、「サービス精神」はゼロに近い。作者や作成者たち側の自己満足、オナニーである。「こうしたら、読者(視聴者)は感心し、感動するだろう」という計算が見え透いている。それを私は「スケベ心」と言っているのである。そもそも「チ。」というタイトルが既に「物欲し気」である。読者の気を惹くための、「意味深そうな」気取ったタイトルだ。「受け狙い」という点では「ダンダダン」などが目立つ。実際、ある種の層には受けているようだ。(海外のアニメマニアなど)
私も楽しく視聴した作品の中では、「負けヒロインが多すぎる」などは、「受け狙い」過剰だが、キャラが面白いので、「キャラが好きになると、視聴者は視聴継続する」という路線で成功している。「チ。」や「ダンダダン」にはそれはない。

宮崎駿の後継者と考えられたアニメ作家のほとんどが、後期ではダメになったのが、この、「スケベ心」のためである。「天気の子」など、私は視聴開始30分くらいで投げ出した。(←訂正。「すずめの戸締り」だった。「天気の子」は見ていない。このアニメ作家は典型的な「書きたいものを持っていない」作家である。だから、初期ですべてを出して、後期では無理やりに作品を作っている。それは「作品をヒットさせたい」という「スケベ心」でもある。いや、誰でもその心はあるが、本物の作家は「書きたいもの」があるから作品を作るのである。と言って、「狼こども」のアニメ作家のように、「自分の書きたいもの」が視聴者とかけ離れているのを作るのは「サービス精神の欠如」なのである。ある種の傲慢であり、自分の才能レベルを見誤っている。)

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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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