その初爻は、易をやる者の間では有名な「霜を踏みて堅氷至る」というもので、下の「高島易断」の解説にあるように、「小さい悪事を見逃せば、初霜が堅氷に至るように、やがて大きな悪事に至る」というものだ。岸田の改造内閣の性質を表す、これ以上の卦は無いだろう。
だが、これは私に言わせれば「積小成大」という、人生訓にも通じるものである。つまり、いい方向に行動するなら、「塵も積もれば山となる」大きな成果を得られるわけだ。
解釈するのも面倒なので、「高島易断」を解説した某サイトの解説をそのまま載せておく。
(以下引用)十円とか百円というのは、硬貨を使って易占する方法を示している。赤字部分は夢人による強調。岸田に関する占いとしては、赤字部分だけを読んだほうが分かりやすいと思う。
坤為地 ■■■■■■
十円の表■ 十円の裏■ 百円の表● 百円の裏●
○坤は、元(おお)いに亨(とお)る。牝馬(ひんば)の貞に利(よろ)し。君子往(ゆ)く攸(ところ)有り。先んずれば迷い、後(おく)るれば主を得(う)。西南に朋(とも)を得(え)、東北に朋を喪(うしな)うに利(よろ)し。貞に安んずれば吉。
坤(こん)の時は大いに成就する。メス馬のように、主(あるじ)に順うがよい。脇役の君子には、進むべき道がある。
先頭に立てば道に迷い、主(あるじ)に仕えれば、生涯の仕事に巡り逢える。西南(故郷)に居る時は家族や友達を大切にする。東北の地に赴けば(故郷を出れば)家族や友達と別れるが、それが進むべき道である。迷うことなく、脇役に徹すれば、幸を得る。
○地勢(ちせい)は坤(こん)なり。君子以(もっ)て德を厚くし物を載(の)す。
大地に大地が重なるように、万物を、その上に載せている。これが坤の形。脇役の君子は、陰德を厚く積み上げて、あらゆるものを包容(ほうよう)する。
(占)人に当て嵌めれば、身体を養う衣食住だけ考え、心の德性に目を向けない。このような人は、貪るように人から奪い取っても、汚らわしいとは思わず、卑しくケチ臭い性格で、恥知らずである。この卦は本来「凶」ではなく、その人が無知蒙昧だから、物事に迷って凶運に至るのである。それゆえ、何事も調和することを心がけ、柔順に剛毅で明朗かつ見識のある人に随い、その教えを守れば、何事も成就するようになる。
○坤は「動静」の「静」の時。「静」であることが何よりも大切。
○人から命令を受ける。 ○人に使われる。 ○大勢の人と共同して利益を追求する。
○器量に欠ける時は凶。 ○急速に事を計ってはならない。
○人に先んずることなく、遅れて行なうことは、柔順にして吉。
○万事、命じられて行なうがよく、自ら進んで行なうことはよくない。志を守ることができない人は凶。 ○自分の職分を守って、妄りに動き求めなければ吉。
○散々苦労して、ようやく成功する。 ○大衆。 ○倹約。 ○卑賤で愚鈍。
○農家は田園を守って(本業を守って)、他の仕事をうらやましく思ってはならない。
○物価は安くなるので、買うと利益を得られる。 ○吝嗇。 ○偏執。
○柔和・温厚・安静・順直・謙譲・恭敬・貞節・丁寧など全て吉。
初六 ■■■■■●
○初六(しょりく)、霜(しも)を履(ふ)みて堅氷(けんぴょう)至る。
初霜(はつしも)を履む季節が来れば、やがて堅い氷が張る厳寒の季節が到来する。
小さな悪事を見逃せば、初霜が堅氷に至るように、やがて大きな悪事に至る。
(占)善悪の分かれ道に立つ時。善に進めば慶びと幸せを得るが、悪に進めば大きな災いを招く。小さな事が大きな事に発展する時。よくよく戒めなければならない。