忍者ブログ

トランプとハリスの優劣は、演説内容で既に決着していた

「隠居爺の世迷言」記事で、話の枕部分は省略。
記事の内容よりも、その中の引用記事の持つ空気、昔風に言えば「大人(たいじん)の風格」に感心する。まあ、「大人(たいじん)」を「大人(おとな)」と読んでも同じで、日本人の精神年齢の低さ(実は、現在の欧米人も同じ)との比較で言えば、明らかに中国人が大人である。
私など、根が子供だから、記事の中につまらない冗談を入れないと記事を書いた気もしない。

トランプ氏はほぼすべての演説の冒頭で「アメリカは破綻国家だ」と言っている。

という指摘は、日本のネット記事で(欧米記事の紹介記事含め)読んだことがない。あまりにも大きすぎて目に入らない文字の類である。改めて言われたら、「そう言えばそうだった」と思う。

(以下引用)赤字は夢人による強調。かなり重要な指摘だと思う。「アメリカにとって」大惨事になる、と予言しているのである。60%の関税が「販売価格に上乗せされる」のだから、当然、今以上のインフレになるわけだ。それに対抗できるだけの製品を自力で作るには今のアメリカ製造業は力は無いと思う。では、安い「移民労働者」を使うか? www




それでは、記事のご紹介をしていきます。表題は「中国は3年前に米国がトランプから逃れられないことを知っていた ーバイデン政権は移行政権だったー」(2024.11.7)というものになります。(China Knew the U.S. Couldn’t Escape Trump Three Years AgoThe Biden administration was a transitional administration.


 


 著者は「張 維為」で、ウィキペディア(Wikipedia)によると、「 中華人民共和国の政治学者で、復旦大学の国際関係学の教授、同大学の中国研究院の院長。中国の経済・政治改革、中国の発展モデル、比較政治学について、英語と中国語で幅広く執筆している。」そうです。

 では、本文にどのようなことが書いてあるか、かいつまんでご紹介していきましょう。


「トランプ氏の勝利の理由はそれほど複雑ではない。アメリカが直面している問題は非常に深刻なもので、この点で私たちはトランプ氏と見解の一部を共有している。トランプ氏はほぼすべての演説の冒頭で「アメリカは破綻国家だ」と言っている。」

 私も含めて日本人はほとんどがアメリカのプロパガンダに騙されてしまっていますので、中国人が何かを言っても「うさん臭い」と感じることが多くなっています。ちょっと余談になりますが、私にとっての中国人のイメージといえば例えば以下のようなものです。

 「ちょっとそこのオニさん、こっち見るアルネ。ハイ、そこのオネさんもこっち見るアルヨ。ここに石一つアル。ワタシ今この石、金に変えるアルネ。ホントのことアルヨ。よく見るアル。」

 いやはや、こんな中国人のイメージがいつどこで私の頭にインプットされたものか、全く覚えていません。ということは私がかなり小さい頃のことなのでしょうか。日本のプロパガンダなのか、アメリカのプロパガンダなのか、それとも華僑と呼ばれる人たちは実際にこのようなものだったのか。

 ともかく、日本人の中国人イメージはこのようなものですから、今回ご紹介する記事のように、「どうも端的に事実を指摘しているようだ」「本質を突いている」という気配を感じると、少し不思議な気持ちになってしまいます。

 しかし、現在の日本の政治家、官僚、知識人、マスメディアなどは、その多くが盲目ともいえる状態で、そこらのゴミ箱をあさっては自分たちに都合の良いゴミを拾い集め、それを吹聴することばかりをしています。そんなわけで文章を読む限りは、日本人よりも中国人の方が立派ですね。

 ということで説明を進めましょう。
「トランプ氏はほぼすべての演説の冒頭で「アメリカは破綻国家だ」と言っている。」という点ですが、日本の経済専門家の中にも、アメリカ経済の深刻さを指摘する人はいます。また、私もアメリカの1番の問題は経済的に衰退してきたことであり、それをごまかすために、あるいは回復させるために、戦争を仕掛け、経済的・文化的にも戦っているのではないかと疑っています。

「私はヨーロッパの友人たちに「ヨーロッパは独立と自治を失った。だから、11月にホワイトハウスで誰が就任するかについて、ひどく心配しているのだ」と冗談を言った。私は「中国人は心配していない。私たちはアメリカの選挙を気楽に、あるいは面白おかしく見守っていた。私たちはそのシステムが壊れていることを知っており、彼または彼女自身の能力に対処する準備があり、中国の国力に自信を持っている。」と述べた。」 

 いやあ、羨ましいですね。中国人お得意の大言壮語かもしれませんが、一端の真理はあるように思います。また、上の文章の「ヨーロッパ」を「日本」に変えてもそのまま読めますね。私たち日本も独立と自治を失っています。そして、仮に大言壮語であったとしても言ってみたいものです。「日本人は心配していません。日本の国力に自信を持っています。」と。

「私の観察によれば、多くの中国人はトランプ氏の復帰をどちらかといえば歓迎するだろう。毛沢東主席がかつて、自分はアメリカの右派が好きだと言ったことを思い出す。中国の右派ではなく、アメリカの右派だ。アメリカの右派はアメリカの国民的伝統を重視し、普遍的な価値観やLGBTの権利のような左派の問題にあまり関心がない。彼らはより現実的で、今日アメリカが直面している本当の課題に立ち向かう可能性が高い。」

 う〜ん、素晴らしいですね。中国人がこれだけのことを書けるのですよ。日本人は、特に日本のマスメディアは一体何をやっているのでしょうか。もっと大所・高所の視点を持てないものでしょうか。日本人は総理大臣以下全員が、局所・低所からしか物事を見ることができていませんね。

 そして、意外なのは中国がバイデン政権よりもトランプ政権の方がいいとみなしていることです。この記事は「The China Academy」というサイトに載っているものですが、どう考えても中国政府の検閲が行われているのではないかと思います。そこにおいて、バイデンよりもトランプがいいと表現しています。まあ、これから付き合いの始まるトランプを誉めておいた方がいいと考えているのかもしれませんが。


「今回の選挙は対照的だ。トランプ陣営は一貫して、苦境にあるアメリカ経済と移民問題という2つの争点を強調している。一方、ハリス陣営は「民主主義が脅威にさらされている」「ファシズムが政権を握る」「妊娠中絶の権利」などに重点を置いているが、これらはアメリカの喫緊の課題であるとはいえず、米国社会の最も切迫した懸念とは切り離されているように思える。」

 私が今回この記事をご紹介しようと思ったのは、この段落を読んだためです。トランプが経済と移民についてバイデン政権を批判しているのは知っていましたが、カマラ・ハリスが「民主主義が脅威にさらされている」「ファシズムが政権を握る」「妊娠中絶の権利」を争点にしていたとは知りませんでした。

 カマラ・ハリスというと、都合が悪くなるとすぐに笑ってごまかすくらいしか知りませんでしたが、ちゃんと選挙に臨むにあたって争点を持っていたのですね。それがピンボケであったために、「カマラ・ハリス命」の日本ではあまり報道されなかったのでしょう。あるいは、私自身がある意味どうでもいいことだと思っていたせいで、聞き流してしまったのかもしれません。


「中国モデルの観点からすると、政府がこれほど長い間国民の生活を改善できないのであれば、その制度と統治方法に根本的な欠陥があるのは明らかだ。この場合、改革が求められている。さもなければ、アメリカに未来はないだろう。」

 ひょっとして日本のことを書いているのかと何回か読み直してしまいました。日本はこの点においてアメリカよりももっと深刻ですから。それでも、日本政府は手をこまねいているというか、余計なことばかりをして日本国民の生活を悪化させています。どうやらバイデン政権も、日本と同じようなものなのかもしれません。

今、トランプは関税を60%に引き上げることを話している。率直に言って、それはアメリカ経済にとって大惨事であり、インフレが急上昇するだろう。彼が開始し、バイデンがさらにエスカレートさせたテクノロジー戦争も完全な崩壊の瀬戸際にある。」

 そうです、これです、これです。やはり中国は伸び盛りの国ですね。問題と真正面からぶつかるだけの勇気というか、気概というか、勢いを持っています。日本人のように多くの者が問題から目をそらし、知らんフリをすることで、問題がないかのように振る舞っているのとは大きく違っています。

「個人的には、トランプ氏は米国の主要な問題のいくつかを正確に把握しているが、その解決策は根本的に間違っていると思う。トランプ氏が本当に米国経済を復活させたいのであれば、まず中国に協力と支援を求めるべきだ。それがなければ、成功の望みはほとんどない。それが今日の中国の強みだ。」

 うわっ、来ますねえ。これぞ中国流という物の言い方のような気がします。30年前なら鼻で笑われたことでしょう。しかし、現在のようにアメリカがすっかり傾き、経済的には中国の方がすでにアメリカを上回っているのではないかと言われるようになってくると、あながち大言壮語とばかりはいっていられなくなりましたね。

 しかも、世界中で戦争を仕掛けては、多くの人を殺してきたアメリカ相手の物言いですから、私としては「ざまあ」と言いたくなってしまいます。ワクチンの件もありますしね。


「北京が武力を使って台湾を統一した場合、トランプは中国製品に200%の関税を課すだろうと発言したが、この発言は中国のネットユーザーから驚くほど好意的な反応を得た。ビジネスマンとしての彼のアプローチは主に費用対効果の計算に基づいており、実際、彼との付き合いはやや容易である。」

 おっとっと、ガンガン来ますねえ。トランプさんはそんな発言をしていたのですね。それに対して中国はなんと小気味の良い反応を示しているのでしょうか。つまり、アメリカが冷静な計算に基づいて対応しようとするならばやりやすいと言っています。

 なんだか日本への皮肉であるかのようにも聞こえてしまいます。何一つ合理的な計算も見通しもなく、闇雲に特攻するくらいしか能のないのが日本人であり、日本政府ですからねえ。


「私の直感的な判断では、トランプは当初は威嚇し虚勢を張るだろうが、おそらく合意を成立させようとするだろう。台湾はすでに非常に神経質になっているかもしれないが、中国の立場は変わらない。」
「中国統一に向けた我々の計画は、我々独自のスケジュール、タイムライン、方法に従っている。それは平和的なもの、非平和的なもの、あるいはその両方の組み合わせになる可能性があるが、米国の選挙で誰が勝利してもそれは変わらない。」


 逃げないですねえ。アメリカが、トランプが、どのように仕掛けてこようが、中国は中国の考えに基づいて独自路線を進むと言っています。これぞ堂々たる独立国家ですね。1000年前に戻って、日本は中国をお手本として国づくりをやり直した方がいいのかもしれません。"アメリカ金魚"の糞に落ちぶれているよりも、その方がマシなような気がします。

拍手

PR

この記事にコメントする

Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー

11 2024/12 01
S M T W T F S
23 24 25 26 27 28
29 30 31

カテゴリー

最新CM

プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

ブログ内検索

アーカイブ

カウンター

アクセス解析