このニュースは、今朝のNHK朝のニュースではまだ流されていなかったと思う。6時45分配信だから、この後、緊急速報として流れるのかもしれないが、私は今朝は7時のニュースの一部しか見ていないので、その前に流れた可能性もある。
しかし、こうした人質事件でいつも思うのは、外国の政府というものは人質の生命などほとんど考慮しないということだ。
おそらく、軍の「救出部隊」は、犯人と区別などせずに、人質も銃射したのではないか。もちろん、「死なばもろとも」で犯人たちが人質を先に殺し、その後で軍によって射殺されたという可能性もあるが、普通の頭で考えれば、人質は立て籠もり犯の命綱なのだから、それを自ら殺すことはまずしないだろう。するにしても、自分たちの覚悟を見せるために、一人ずつ「見せしめ」に殺すはずだ。
今回の場合は、軍の「救出作戦」によって人質も一緒に射殺されたと私は見ている。
つまり、「救出」する気は最初から無い、ということだ。それが外国での人質事件ではよく見られるパターンである。
もちろん、犯人側の要求を飲めば、それが「悪しき先例」になって、また同じような事件が起こるから、こうした「断固とした処置」こそが正しいのだ、というのが「やる側の論理」だが、それで殺された人質たちとしては、今後のことよりも自分たちの命を救ってほしかっただろう。
もちろん、私はこの犯行を肯定はしないが、こうした「人命が軽視される世界」というものには疑問を持たざるをえない。
この立て籠もり事件の詳細はこれから出てくると思うが、動機は隣国マリでの政治動乱と関係があるようだ。例によってさまざまな真偽入り乱れた情報が溢れ出てくるだろう。
通常の人間から見れば海外で工場プラントを設置するなどの仕事は、その国にとっては自国の産業発展に寄与してくれる恩人なのだから、その類の外国人を人質に取ったり誘拐したりするのは理解しがたいだろうが、資源輸出国の底辺の人々から見れば、そういう外国人は全部、自国資源の収奪者の一味、と見られているのではないだろうか。つまり、こうした「テロリスト」は、ある意味ではグローバリズムと戦っている、という見方もできるような気がする。
もちろん、だからと言ってテロリズムを容認するわけにはいかないが、しかし、彼らの戦いの動機くらいはぜひ知りたいものである。というのは、彼らの側から流される(信頼できるような)情報はまったくと言っていいほど無いからだ。
なお、アルジェリアはかつてのフランス植民地である。ということは、独立後の政権はすべてフランスの傀儡政権であろう、と私は推定している。
(以下引用)
【アルジェリア法人拘束】日本人2人含む人質30人死亡
産経新聞
2013年01月18日06時45分
【カイロ支局】アルジェリア南東部イナメナスの天然ガス関連施設で日本人ら多数がイスラム武装勢力に人質として拘束された事件で、ロイター通信は17日夜(日本時間18日早朝)、同国治安筋の話として、日本人2人を含む人質30人がアルジェリア軍による人質救出のための攻撃の過程で死亡したと伝えた。
同筋によると、死亡した人質のうち、8人がアルジェリア人で、少なくとも7人が外国人とされ、日本人2人と英国人2人、フランス人1人が含まれているという。
また、国営アルジェリア通信は、軍による救出作戦が17日夜(日本時間18日未明)に終了したと報じた。
(1月19日追記)「産経ニュース」より転載。銃射ではなく爆撃だったようだが、「人質もろとも犯人を殺す」という推測は当たっていたようだ。それにしても他の新聞などではこうした記事(人質の人命無視の暴圧作戦の実情)は出ていないようだから、産経系列はこの事件では頑張っている。
【アルジェリア邦人拘束】
「人質を乗せた車両は爆撃された」 現場逃れた男性が証言 拙速な作戦で多数の犠牲者?
2013.1.18 11:19 [中東・アフリカ]
デジタルグローブが撮影した、アルジェリア南東部イナメナスのガス田施設=2012年10月8日(AP)
人質を乗せて施設を出発した5台の車列のうち4台が、アルジェリア軍に爆撃された-。アルジェリアの天然ガス関連施設で起きた外国人拘束事件で人質になり、九死に一生を得て現場を逃れたアイルランド人男性が生々しい現場の状況を家族に証言、その内容をロイター通信が報じた。
「彼ら(犯行グループ)は5台の小型四輪駆動車に人質を積んで施設を出た。まさにそのとき、アルジェリア軍に行く手を遮られた。5台のうち4台が爆撃されて車は大破した」
男性の乗った車両も損壊して停止。爆撃された他の4台については「乗っていた全員が恐らく死亡したと思われる」と語った。
男性はまた、「人質たちは口にテープを張られ、首に爆弾をぶら下げられていた」とも家族に証言したという。男性がその後、どのように脱出したかは明らかでない。
アルジェリア軍による制圧作戦では、どのような攻撃が行われ、何人の人質がなぜ犠牲になったのか、詳細は不明のままだ。男性の証言通りだったとすれば、拙速な作戦で多数の犠牲者が出たとの批判が高まる可能性がある。
しかし、こうした人質事件でいつも思うのは、外国の政府というものは人質の生命などほとんど考慮しないということだ。
おそらく、軍の「救出部隊」は、犯人と区別などせずに、人質も銃射したのではないか。もちろん、「死なばもろとも」で犯人たちが人質を先に殺し、その後で軍によって射殺されたという可能性もあるが、普通の頭で考えれば、人質は立て籠もり犯の命綱なのだから、それを自ら殺すことはまずしないだろう。するにしても、自分たちの覚悟を見せるために、一人ずつ「見せしめ」に殺すはずだ。
今回の場合は、軍の「救出作戦」によって人質も一緒に射殺されたと私は見ている。
つまり、「救出」する気は最初から無い、ということだ。それが外国での人質事件ではよく見られるパターンである。
もちろん、犯人側の要求を飲めば、それが「悪しき先例」になって、また同じような事件が起こるから、こうした「断固とした処置」こそが正しいのだ、というのが「やる側の論理」だが、それで殺された人質たちとしては、今後のことよりも自分たちの命を救ってほしかっただろう。
もちろん、私はこの犯行を肯定はしないが、こうした「人命が軽視される世界」というものには疑問を持たざるをえない。
この立て籠もり事件の詳細はこれから出てくると思うが、動機は隣国マリでの政治動乱と関係があるようだ。例によってさまざまな真偽入り乱れた情報が溢れ出てくるだろう。
通常の人間から見れば海外で工場プラントを設置するなどの仕事は、その国にとっては自国の産業発展に寄与してくれる恩人なのだから、その類の外国人を人質に取ったり誘拐したりするのは理解しがたいだろうが、資源輸出国の底辺の人々から見れば、そういう外国人は全部、自国資源の収奪者の一味、と見られているのではないだろうか。つまり、こうした「テロリスト」は、ある意味ではグローバリズムと戦っている、という見方もできるような気がする。
もちろん、だからと言ってテロリズムを容認するわけにはいかないが、しかし、彼らの戦いの動機くらいはぜひ知りたいものである。というのは、彼らの側から流される(信頼できるような)情報はまったくと言っていいほど無いからだ。
なお、アルジェリアはかつてのフランス植民地である。ということは、独立後の政権はすべてフランスの傀儡政権であろう、と私は推定している。
(以下引用)
【アルジェリア法人拘束】日本人2人含む人質30人死亡
産経新聞
2013年01月18日06時45分
【カイロ支局】アルジェリア南東部イナメナスの天然ガス関連施設で日本人ら多数がイスラム武装勢力に人質として拘束された事件で、ロイター通信は17日夜(日本時間18日早朝)、同国治安筋の話として、日本人2人を含む人質30人がアルジェリア軍による人質救出のための攻撃の過程で死亡したと伝えた。
同筋によると、死亡した人質のうち、8人がアルジェリア人で、少なくとも7人が外国人とされ、日本人2人と英国人2人、フランス人1人が含まれているという。
また、国営アルジェリア通信は、軍による救出作戦が17日夜(日本時間18日未明)に終了したと報じた。
(1月19日追記)「産経ニュース」より転載。銃射ではなく爆撃だったようだが、「人質もろとも犯人を殺す」という推測は当たっていたようだ。それにしても他の新聞などではこうした記事(人質の人命無視の暴圧作戦の実情)は出ていないようだから、産経系列はこの事件では頑張っている。
【アルジェリア邦人拘束】
「人質を乗せた車両は爆撃された」 現場逃れた男性が証言 拙速な作戦で多数の犠牲者?
2013.1.18 11:19 [中東・アフリカ]
デジタルグローブが撮影した、アルジェリア南東部イナメナスのガス田施設=2012年10月8日(AP)
人質を乗せて施設を出発した5台の車列のうち4台が、アルジェリア軍に爆撃された-。アルジェリアの天然ガス関連施設で起きた外国人拘束事件で人質になり、九死に一生を得て現場を逃れたアイルランド人男性が生々しい現場の状況を家族に証言、その内容をロイター通信が報じた。
「彼ら(犯行グループ)は5台の小型四輪駆動車に人質を積んで施設を出た。まさにそのとき、アルジェリア軍に行く手を遮られた。5台のうち4台が爆撃されて車は大破した」
男性の乗った車両も損壊して停止。爆撃された他の4台については「乗っていた全員が恐らく死亡したと思われる」と語った。
男性はまた、「人質たちは口にテープを張られ、首に爆弾をぶら下げられていた」とも家族に証言したという。男性がその後、どのように脱出したかは明らかでない。
アルジェリア軍による制圧作戦では、どのような攻撃が行われ、何人の人質がなぜ犠牲になったのか、詳細は不明のままだ。男性の証言通りだったとすれば、拙速な作戦で多数の犠牲者が出たとの批判が高まる可能性がある。
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