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「カラマーゾフの兄弟」第一回はどうだったか

「ドラマ@見取り8段実0段」というブログから転載。
うまい批評である。文章に芸がある。
私の就寝時刻はだいたい夜の6時から7時ごろ、つまりほとんど日没と同時に寝るので、「深夜」11時台のこのドラマは視聴不可能だし、テレビに録画機能も無いのだが、こうしたブログを読むことで大体の内容を知ることができるから、実に結構な時代になったものである。実は「純と愛」の進展も、こうしたネット記事で知ることが多い。それで、何回か見落としても、ドラマの進行についていくことができるわけである。
下記記事で読むかぎり、これは成功したドラマになりそうな予感がする。
第一回の段階ではグルーシェンカもスメルジャコフも出てきていないようだが、どういう俳優がどういう演技をするか楽しみだ。そして、一番の不安材料であった父親(フョードルと言ったか?)役の吉田鋼太郎はなかなか素晴らしい演技であったようで、安心した。彼の演技(殺されても仕方のない奴を演じられるかどうか)如何によって、このドラマを見る側の生理的好悪の念が左右されるという重大な役であったので、まずは一安心である。
しかし、自分で見てもいないドラマについてこんなに熱心に書く自分も何だかなあ、と思わないでもない。(笑)



*もしかして長男の同棲相手の遠藤加奈子とやらがグルーシェンカ役か? 同棲ねえ。それだと、父親との関係はどうなるのだろうか。原作では、先に父親の愛人であったというのがおおっぴらに知られているからこそ、その女に目くら滅法に惚れこむ長男の狂気的情熱や父親への殺意が際立つのだが、はたしてこのドラマはどうなのか。同棲相手とは別に、「グルーシェンカ」がこれから登場するのだろうか。





(以下引用)



【カラマーゾフの兄弟】 第1話 初回感想 【 ドラマ@見取り八段・実0段 】この記事に含まれるタグ :
カラマーゾフの兄弟 市原隼人 斎藤工 林遣都 高梨臨 松下洸平 渡辺憲吉 安藤サクラ 吉田鋼太郎 芳賀優里亜

【カラマーゾフの兄弟】 第1話 初回感想
↑ 2013/01/13 (日) カテゴリー: 2013年「カラマーゾフの兄弟」
そのとき、お父さんへの殺意が芽生えたのではないんですか?


殺意?
んなもん、もっと前からだよ。

…でも殺しませんよ。
   だって親ですから。


カラマーゾフの兄弟 第1話

   
 
原作はドストエフスキーの長い長い長い小説である。
学生時代に読んだ記憶はあるけれども、内容はそれほどくっきり覚えてはいない。

しかし、キャストを見た時点で犯人が誰だかは解っちゃっているので、
ネタバレしないレビューを心掛けたいと思います。(原作通りなら…ね)

そう、原作通りなら…キャスティングの妙を感じる…。
え、理由は言えないけど。


原作は、もっともっと宗教臭い話だった気がする…。

何せ、原作の三男は修道僧だ。
それをドラマでは精神科の医学生にするのね、そうなのね。
宗教世界を取っ払って精神世界に話を持っていくのは、日本の現代のドラマとして
上手い改変の仕方だと思う。

しかし、父上のご遺体は思いっきりキリストだった。


ストーリーは、事件後の取調室から始まり、事件前へと遡る。

長男・満の借金申し出…いや、遺産の生前贈与申し出を機に父親から「家族会議」
として招集された3人の兄弟。

長男・満は、放蕩息子で定職に就かず遊び歩いているダメンズ。斎藤工さんの定番とも言える。
原作でも兄はこんな感じのしょーもないダメンズなので、ほぼ合ってる。

次男・勲は、堅物の弁護士。イッチーには珍しい堅い職業かな…。
しかし、スーツ姿は決まっていた。落ち着いた喋りもハマってる。
原作では、もう少し厭味ったらしい感じ。

三男・涼は、医学生で精神科医を目指している。
繊細で優しく清々しく…のイメージが林遣都くんにピッタリ。
先ほども書いたけれども、原作では修道僧である。

刑事は3兄弟の誰かが犯人だと決めて尋問していく。
冒頭では3人がそれぞれスパゲティ・カレー・オムライス…と、お子様っぽいメニューを
食べている。しかも、警察で。


それにしてもよく食べられますよね。お父さんが殺されたというのに。

腹減ってんだからしょうがねえだろ。

何があったって人間、食べないと生きていけませんから。

黒澤文蔵さんは息子からさえ愛されなかったということですか。
烏目町の有力者でありながら周囲の誰からも死ねばいいと恨まれていた。

…そのお父さんを殺したのは、あなたですか?


その「愛されるはずもない」ような人格の父親を演じている吉田鋼太郎が、とにかく凄いわ。

黒澤の酒好き、金好き、女好き。

と、作中でも言われていたけれども、最低オヤジである。

二言目には「俺の金」「俺の金で教育を受けさせてやった」「俺の金は渡さん」。

子どもの頃の回想シーンではDV親父だし、子どもにも妻にも愛情の欠片もないらしい。

その結果、満の母は男と駆け落ちし、勲と涼の母は自殺した。

この慈悲深く優しい母を安藤サクラが演じている。これは新境地では~。

なのに、父の言う事が酷いんだよねーー。


あのな、お前たちにもこの際はっきり言っとくぞ。
俺の遺産をもらえると思ったら大間違いだよ!

俺はな、お前たちに1円たりとも残すつもりはない。
あのバカ女どもの血を引いたお前たちに俺の金をやると思うとむしずが走るよ。

特にあのくそ女!詩織だよ。

俺の家を血で汚しやがって!

手首を切って死んだ母親の部屋は血まみれだった。
それを悲しむどころか家を汚したと言い切るクソ親父…。

殺されて当然!
みたいなこの役を、本当に憎々しく演じている吉田鋼太郎さん。凄い。


そのとき、お父さんへの殺意が芽生えたのではないんですか?
と、刑事は聞く。

殺意?
んなもん、もっと前からだよ。

目が座っている満。


そして、

…でも殺しませんよ。
だって親ですから。


と、静かに言い放つ勲。

微笑みをたたえたような目で。
でも、決して笑ってもいないし、怒ってもいない。

それが不気味。


ここからEDに入っていくのが、何かカッコ良かった。

演出、上手いなぁ…そして、みなさんの演技も素晴らしい。


今時「カラマーゾフの兄弟」やるって、「Wの悲劇」みたいになるんじゃね…。
と、不安に感じていたんだけど、重々しい映像と演出で安っぽくないドラマに仕上がった。

BGMの選曲も面白い。


もう、とにかくドロドロと真っ黒な内容でカラスもバサバサ飛んでたりしますが、
「カラマーゾフ」が「真っ黒」のような意味なので、黒くて当然なのです。
「Paint It, Black」だよね。


なかなか面白かったです。
今期もこの枠は期待できそう。


原作:「青空文庫」にもありますよん。もちろん無料→「青空文庫/カラマゾフの兄弟」

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

黒澤家当主・黒澤文蔵(吉田鋼太郎)は、海沿いの町・烏目町一帯に多くの土地を持ち
“クロサワ"という会社名で不動産業と建設業を営んでいた。
町の経済は“クロサワ"中心に回っており、町内で文蔵に盾突く者はほとんどいなかったが、
文蔵のビジネスは利益最優先の自己中心的な取引ばかりで恨みを買うことも多く、文蔵は
“クロサワの酒好き、金好き、女好き…"と町中で揶揄されていた。

その文蔵には3人の息子がいた。
前妻・梓との間に生まれた長男・満(斎藤工)と、梓が文蔵に愛想を尽かして出ていった後に
結婚した詩織(安藤サクラ)との間に生まれた次男・勲(市原隼人)と三男・涼(林遣都)。
長男・満は失業中の身で借金も抱えていたが、遠藤加奈子(高梨臨)と同棲しながらヒモのような
生活をしていた。
次男・勲は東京の一流大学法学部、法科大学院を卒業後、司法試験にも一発で合格して東京の
法律事務所で働いていた。
三男・涼は医大生で、寮で暮らしながら精神科医の道を目指していた。

そんなある日、文蔵が自宅の寝室で殺されているのが発見される。
死体はなぜか奇妙な形をしていた…。
間もなくして3兄弟は“文蔵殺し"の容疑者として連行され、刑事(滝藤賢一)から取り調べを
受けることになる。
刑事は、3兄弟それぞれに父・文蔵を殺す動機があることをつかんでいた。

それは文蔵が殺される2週間ほど前、黒澤家で開催された家族会議が発端だった…。

(あらすじは「Yahoo!TV」より引用)


よろしければ→【2013年1月期・冬クールドラマ何見ます?】ラインナップ一覧とキャスト表と展望






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