私は黒人奴隷制度を非人間的制度として厳しく批判する者だし、べつにジェファーソンに対する愛憎も関心も無いが、この(二番目の引用文中の)話をジェファーソンが鬼畜であったという個人的問題とするのはどうかと思う。彼はおそらく「法に従うしかなかった」のだろうというのが、トクヴィルの「アメリカの民主主義」の一節から推定できる。
(以下「アメリカの民主主義(井伊玄太郎訳)」より引用)
「わたくしは連合体の南部で、自分の奴隷として使っていたニグロの女たちの一人と、非合法的な関係を結んで同棲していたひとりの老人にであったのである。彼はこのニグロ女に生ました七人の子供をもっていたが、これらの子供も彼の奴隷になったのである。彼は幾度となく、彼等に少なくとも自由を遺産として贈りたいと思ったが、立法者によって奴隷解放を妨げられている障害を除去することができないうちに何年かの歳月が流れていった。この歳月の間に彼は老人となり死にかかっていた。そのとき彼はその息子たちを引きつれて市場から市場に立ち現れたが、父の権威を失ってその息子たちに対してはあかの他人のようになりかかっていた。これらの恐ろしい幻想(夢人注:自分の子供たちが奴隷として送る生涯の幻想かと思う。)は彼の消えかかった想像を狂乱に陥しいれた。彼は絶望の苦悶にもだえていた。そしてそのときわたくしは、法律が彼に加えた打撃に対して自然がどのように復讐することができるのかを悟ったのである。」
「これらの害悪はいうまでもなく恐ろしいものである。けれどもこれらの害悪は現代人の間では隷従の原則そのものから生れでると予想されうる、必然的な結果ではなかったろうか。」
(以下引用)
(以下「アメリカの民主主義(井伊玄太郎訳)」より引用)
「わたくしは連合体の南部で、自分の奴隷として使っていたニグロの女たちの一人と、非合法的な関係を結んで同棲していたひとりの老人にであったのである。彼はこのニグロ女に生ました七人の子供をもっていたが、これらの子供も彼の奴隷になったのである。彼は幾度となく、彼等に少なくとも自由を遺産として贈りたいと思ったが、立法者によって奴隷解放を妨げられている障害を除去することができないうちに何年かの歳月が流れていった。この歳月の間に彼は老人となり死にかかっていた。そのとき彼はその息子たちを引きつれて市場から市場に立ち現れたが、父の権威を失ってその息子たちに対してはあかの他人のようになりかかっていた。これらの恐ろしい幻想(夢人注:自分の子供たちが奴隷として送る生涯の幻想かと思う。)は彼の消えかかった想像を狂乱に陥しいれた。彼は絶望の苦悶にもだえていた。そしてそのときわたくしは、法律が彼に加えた打撃に対して自然がどのように復讐することができるのかを悟ったのである。」
「これらの害悪はいうまでもなく恐ろしいものである。けれどもこれらの害悪は現代人の間では隷従の原則そのものから生れでると予想されうる、必然的な結果ではなかったろうか。」
(以下引用)
PR