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「丹毒」と「蜂窩織炎」

今、チェーホフの「六号病室」をゆっくり読んでいる途中だが、先ほど読んだ部分に「この病室では丹毒が蔓延している」という趣旨の記述があり、「丹毒」という言葉を久しぶりに見て、そう言えば、私は「丹毒」とは何か、知らないなあ、と思って、調べてみた。
この種の「昔から本によく出て来るが、意味や内容を知らない言葉」というのは無数にあるのである。というのは国語辞書には載っていないことも多いからだ。載っていても、たとえば「破傷風」の「風」にはどういう意味があってその病名の一部になっているのかなど、分からない事柄が無数にある。
で、「丹毒」の話に戻るが、「丹毒」の「毒」は、何かの障害、症状であり、我々が日常的に使う(「毒殺事件」などの)「毒」という言葉の趣旨とは違うようだ。「破傷風」の「風」も同じような用法ではないか。現在では、かつての「毒」も「風」も感染症ということになるかと思う。(「毒を飲ませる」などの「毒」は、広範囲な意味での「毒」から、その中心的傷害要素を分離して使用可能にしたものだろう。)(ここに書いたのは今適当に考えたことで、たとえば「中風」は感染症ではない。しかし、昔の人間がどういう考えで「風」という字をこの病気に使ったかは不明だ。)

下の説明から読み取った内容から見ると、「丹毒」は現在では「蜂窩織炎」という、誰もソラでは書けない難しい漢字の病名になっていて、名称自体はこちらのほうがよく知られているはずだ。まあ、この名称の取り柄は、この病気が「炎症」であることが明瞭であること、それが形状的に「ハチの巣」に似た要素があるらしいことが推定できることだろうか。「織」も何となく「皮膚組織」を連想させる。ある意味、これが漢字の威力・機能性だろう。これがラテン語やギリシャ語などだと推理しようもない。(英語の医学用語はラテン語由来の言葉が多いらしい。)


(以下引用)

蜂窩織炎、丹毒の症状


蜂窩織炎(ほうかしきえん)・丹毒(たんどく)は皮膚~皮下脂肪に細菌が感染し、熱をもって赤く腫れ、痛む病気です。赤く腫れます。全身どこにでも生じますが、蜂窩織炎は膝から下に、丹毒は顔に多く見られます。水ぶくれや内出血は重症化のサインです。重症化すると入院が必要になるため、早めの治療が大切です。

    蜂窩織炎・丹毒の原因

    主に蜂窩織炎は黄色ブドウ球菌、丹毒はA群β溶血性レンサ球菌によりますが、他の細菌によって生じることもあります。これらの細菌が、小さい傷や毛穴から侵入して発症します。足の蜂窩織炎の場合は、水虫による傷が原因のことが多いとされています。むくみがあるとさらに起こりやすくなります。


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