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一神教の本質

知人から貰った本の中に小谷野敦(「あつし」とも「とん」とも読ませているようだ)の新書がいくつかあって、どれもなかなか面白いので、今、最後の「日本人のための世界史入門」を序論だけ読んだところだ。
彼は論争的(カタカナ語があるが、失念)な精神的体質の人間で、やたらに他人というか他論者を批判し食ってかかっているが、だいたいにおいて他者(他論者)を非論理的だと思っているらしい。特に、途中で持論を適当に変えている人間や、その議論の中の矛盾には我慢がならないようで、私から見ればゴリゴリのリゴリズム(rigorism:厳格主義)人間だが、その自分の論説自体、途中で内容がズレたりしているようだ。まあ、論理への過信だろう。そもそも人文系の議論に論理がどれほど有効か、分かったものではない。一部では通用しても、その一部以外には通用しない論である場合も多いだろうが、それを「論理的一貫性がない」と批判するのは、攻撃自体が愚かなのではないか。世のあらゆる事象は多岐に渡っており、それぞれの境界も曖昧なのである。
だが、小谷野の書く文章は面白いし痛快だから読む価値はある。しかし、その主張をすべて信じるのはお勧めしない。まあ、7割か8割くらいは妥当、という感じか。その主張自体、それほど意義があるようにも見えない。わりとマスコミ論者同志や人文系学問内部の問題なのである。やや右派的思想が感じられるが、「軽評論」と言うべきだろう。根が正直に思えるので、意図的に世間を騙す意図は無いと思う。
要は、「高校教科書や大学教養課程レベルの知識も無い人間が多すぎる」ということへの苛立ちが、彼の論争的体質の中心なのだろう。まあ、それでいくつも本を出せたのだから結構なことではないか。

さて、本題に入る。前書きに小谷野のことを書いたのは、彼が「民主主義」に否定的で、また「民衆史観」にも否定的なようなので、「民主主義」と「民衆をどう見るか」の問題を論じ、ひいては政治体制としての民主主義の是非を考えてみようか、ということだ。

と思ったが、先ほど、「日本人のための世界史」を読み進めて、もっと興味深い問題に出会ったので、そちらを紹介する。この引用だけでもかなり物議をかもしそうな文章である。論争屋小谷野の面目躍如だ。これ(下記引用内容)を言った人を私はほかに知らない。だが、同じ思想を持つユダヤ教については東海アマ氏が何度も書いていて、それは何も「タルムード」を読まなくても、「旧約聖書」を読めば、その思想は明白なのだから、この思想は一神教の本質だと私は思っている。その中でキリスト教だけが異質と言えば異質なのである。だからキリストは十字架で処刑されたのだ。
さてその思想とは何か。前掲の書から引用する。


「『クルアーン』を読んで驚くのは、それが『旧約聖書』とほとんど内容が同じということで、(中略)だからイスラム教は、本来キリスト教徒とユダヤ教徒は『啓典の民』として特別扱いし、言葉をもってイスラム教に改宗するよう説得すべきだとしているが、それ以外の民、つまり仏教徒(無神論)などは、問答無用で殺していいことになっている。


これは大問題の発言で、私は「クルアーン(コーラン)」を読んだことは無いので、この言葉が事実かどうかは分からない。しかし、イスラエルという国の軍隊やイスラム系テロリストの強さや残忍さ、あるいは殺しても死なないようなしぶとさ、執念深さの根底には、この思想があるのではないか、と思われる。日本で言えば信仰をバックボーンとした一向一揆のようなものだ。「厭離穢土欣求浄土」の思想が、戦国最強の織田信長の軍隊をもっとも悩ませたのである。

ちなみに、この文章を読む前に、私は娯楽記事中心の別ブログでこんなことを書いている。

(以下自己引用)注記すれば、キリスト教は「汝の敵を愛せよ」(あるいは「良きサマリア人」のエピソード)に見られるように革命的一神教であるので、ユダヤ教やイスラム教と同列ではないが、そのキリスト教国家が異民族を虐殺し、奴隷化したのは言うまでもない。つまり、キリスト教は彼らに根付いていないのである。これを「偽善的キリスト教」とでも言っておく。「偽キリスト教」でもいい。キリスト教の変質については詳しくは「革命者キリスト」参照。


前に「詩情と笑い」という一文で「ナルニア国ものがたり」をつまらないと批判したが、その理由を作者が詩人でありユーモアが欠如しているから、とした。その部分を後で自己引用するが、その前に、少し考えが深化した気がするので、それを先に書く。それは「一神教には反戦思想は無い」というものだ。
これは当たり前の話で、一神教というのは、その神を信じている者は善、信じない者は悪であるという思想であり、つまり、その神を信じない相手がどういう国や民族であろうと、それは悪なのであり、戦争して国土を奪ってもいいし、その国民を皆殺しにしても奴隷にしてもいい、となる。つまり「帝国主義は一神教文化圏の必然」なのである。




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詐欺社会で美味い目を見るのは詐欺師だけ

いかにして楽に高い評価を得るか、というのは学生にとって当然の話なのだから、生成AIが一般に使用されたらそれを宿題や課題、論文作成に使うようになるのは理の当然である。とすると、「それを評価するのはほとんど無意味」となる。つまり、パソコンやスマホを使えない状態での試験しか学生評価の方法は無くなる。それすらいずれ突破されるのではないか。
まあ、AIで代用できる仕事もいずれAI化が進むだろう。単なる学校秀才は無意味化する分野が多いわけだ。事務作業、知識集約的作業、具体的には医者や弁護士、裁判官、中級官僚などがそれだ。ある意味、健全な進化かもしれない。国民の半分は第一次産業、残りは建設作業員や警官や自衛隊員、看護関係、コンピューターオペレーターになるのではないか。そして金融資本主義(不換紙幣資本主義)が続くなら、相変わらず、(自分では労働はせず)カネでカネを生む金融業者が上級国民になるだろう。社会の1%が富のほとんどを握ることになる。

苫米地英人曰く「カネを無限に刷ってよいと認めてしまった金融資本主義は、本質的には詐欺以外の何物でもない」(「テレビは見てはいけない」より)

(参考までに、記事タイトルのみ転載)

中学生ら3人逮捕 生成AIを使用 「楽天モバイル」不正アクセスか


(以下引用)

大学生の「ほぼ全員」が生成AIを使っているとの調査結果で教育界に激震が走る

イギリスのシンクタンクである高等教育政策研究所(HEPI)が2025年2月26日に、イギリスの学部生の10人中9人以上が何らかの形でAIを使用しており、3分の2だった前回の調査から大幅に増加したとのレポートを発表しました。専門家は、学生の行動様式がこれほど急激な変化を見せたのは前代未聞だとしています。


Student Generative AI Survey 2025 - HEPI


https://www.hepi.ac.uk/2025/02/26/student-generative-ai-survey-2025/


Surge in UK university students using AI to complete work

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https://www.ft.com/content/d591fb1a-9f6c-4345-b5fc-781e091ae3f8


HEPIは2025年2月26日に発表した「Student Generative AI Survey 2025」で、2024年2月の前回調査に応じた全日制の学部生1041人を対象に、市場調査コンサルタント会社・Savantaを通じて、生成型AIツールの利用状況を調べました。


その結果、何らかの形でAIを使う学生の割合は2024年の66%からわずか1年で92%に急増したことがわかりました。また、試験や課題、レポートなど成績を評価される際に生成AIを使う学生も前年の53%から88%に増加していました。


生成AIの用途を尋ねる質問に対する回答(下図)は主に概念の説明、論文の要約、研究アイデアの提案など補助的なものでしたが、AIが生成した文章を直接自分の作品に使用すると答えた学生も18%(下図の赤枠の部分)とかなりの割合に上りました。


大学生の「ほぼ全員」が生成AIを使っているとの調査結果で教育界に激震が走る

HEPIの政策マネージャーであるジョシュ・フリーマン氏は、「学生の行動がこれほど急激に変化するのはほとんど聞いたことがありません。これは教育機関にとっての喫緊の教訓です。あらゆる評価方法は、AIで簡単に済ませられるものなのかどうかを再検討されなくてはなりません。そうするためには、生成AIの力と可能性について、教員に大胆な再教育を施す必要があるでしょう」と述べて、大学側は学生を評価する方法を根本的に変えることを迫られるとの見方を示しました。


今回の調査では、生成AIの利用に関する根強い「デジタル格差」も浮き彫りになっており、貧しい家庭の学生よりも富裕層の学生の方が、女子学生よりも男子学生の方が頻繁にAIを使用する傾向が高いことが示されました。


AIが生成したコンテンツによって「自分の科目でいい成績が取れる」と感じたのは人文科学系の学生ではわずか29%でしたが、科学・工学・医学関連の学位取得を目指す学生ではほぼ半数の45%がそう感じていると答えました。


調査に対し、学部生らはAIを勉学に使う最大の理由として「時間の節約(下図の一番上)」を挙げました。また、ほぼ同じ割合の学生が「作品の質の向上(下図の上から2段目)」のためにAIを使っていると答えたほか、「即座にサポートを受けるため(同3段目)」と答えた学生も相当数いました。


大学生の「ほぼ全員」が生成AIを使っているとの調査結果で教育界に激震が走る

大学もAIへの対応を進めており、「職員がAIの利用をサポートするのに十分な準備が整っている」と答えた学生の割合は1年で18%から42%へと倍増しました。その一方で、多くの学生は依然としてAIの使用に関するルールが明確ではないと訴えています。


ある学生は調査に対し、「まだすべてが非常に曖昧で、いつ、どういう理由でAIを使えるのかは不透明です」と話しました。また別の学生は、「大学側はこの問題を回避しています。AIは禁止はされていませんが、推奨もされていません。もし私たちがAIを使えば学術上の不正行為になりますが、講師は自分たちがAIを使用していると私たちに言ってきます。これは非常に矛盾したメッセージです」と話しました。


イギリスでは、ピーター・カイル科学技術大臣が2025年1月のインタビューで、「子どもたちが宿題をするためにChatGPTを使ってもいいのでしょうか?」という質問に「監督者がいれば、イエスです」と答えて物議を醸したばかりなだけに、イギリスの教育界が今回の調査結果から受けるインパクトは大きいと、同国の経済紙・Financial Timesは示唆しています。

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キリストとサド

石井洋二郎という人の「フランス的思考」の終章を先に読んで、「合理性とは理性を最高の原理とし、それに反するものを否定する思想上の立場」という辞書的定義が書かれているのを見て、「最高の原理とみなすものに反するものを否定する」生き方という点ではキリストとマルキ・ド・サドは双子ではないか、と思ったので、サドについてのウィキペディアの記述を載せておく。
キリストは「神という存在への絶対的帰依」のためにユダヤの民に処刑され、サドは「みずからの欲望を満たすことだけが唯一の『理』であった」と書かれているが、その理に従った一生は刑務所と精神病院が生涯の後半の住居のほとんどである。つまり、どちらも「自分の信条に徹底的に従った」生涯だったのである。言わば、どちらも合理性の極地であったわけだ。言い換えれば、ふたりとも精神世界の英雄だったと言える。(「悪霊」のスタヴローギンにはサドの面影がある。)
なお、論理性で言えば、(神の存在証明は不可能であり、おそらくインチキだから)私はむしろサドに軍配を上げる。だが、キリストにせよサドにせよ徹底した論理は危険なものだ。我々の思考は曖昧さと非論理性に満ちているからこそこの社会で生きていけるわけだ。



(以下引用)


マルキ・ド・サド(Marquis de Sade, 1740年6月2日 - 1814年12月2日)は、フランス革命期の貴族小説家。マルキはフランス語侯爵の意であり、正式な名は、ドナスイェン・アルフォーンス・フランソワ・ド・サド (Donatien Alphonse François de Sade [dɔnaˈsjɛ̃ alˈfɔ̃ːs fʀɑ̃ˈswa dəˈsad])。


サドの作品は暴力的なポルノグラフィーを含み、道徳的に、宗教的に、そして法律的に制約を受けず、哲学者の究極の自由(あるいは放逸)と、個人の肉体的快楽を最も高く追求することを原則としている。サドは虐待と放蕩の廉で、パリ刑務所精神病院に入れられた。バスティーユ牢獄に11年、コンシェルジュリーに1か月、ビセートル病院(刑務所でもあった)に3年、要塞に2年、サン・ラザール監獄英語版に1年、そしてシャラントン精神病院英語版に13年入れられた。サドの作品のほとんどは獄中で書かれたものであり、しばらくは正当に評価されることがなかったが、現在は高い評価を受けている。サディズムという言葉は、彼の名に由来する。

生涯

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生い立ちと教育

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父のサド伯爵、1750年ごろ。



母マリー=エレオノール。

マルキ・ド・サドは、パリのオテル・ド・コンデフランス語版かつてのコンデ公の邸宅、現在のパリ6区コンデ通りフランス語版ヴォージラール通りフランス語版付近)にて、サド伯爵ジャン・バティスト・フランソワ・ジョセフフランス語版と、マリー・エレオノール・ド・マイエ・ド・カルマン(コンデ公爵夫人の女官。宰相リシュリューの親族)の間に生まれた。彼は伯父のジャック・ド・サド修道士による教育を受けた。サドは後にイエズス会リセに学んだが、軍人を志して七年戦争に従軍し、騎兵連隊の大佐となって闘った。


1763年に戦争から帰還すると同時に、サドは金持ちの治安判事の娘に求婚する。しかし、彼女の父はサドの請願を拒絶した。その代わりとして、彼女の姉ルネ・ペラジー・コルディエ・ド・ローネー・ド・モントルイユとの結婚を取り決めた。結婚後、サドは息子2人と娘を1人もうけた[1]


1766年、サドはプロヴァンスのラコストの自分の城に、私用の劇場を建設した。サドの父は1767年1月に亡くなった。

牢獄と病院

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サド家は伯爵から侯爵となった。祖父ギャスパー・フランスワ・ド・サドは最初の侯爵であった[2]。時折、資料では「マルキ・ド・マザン」と表記される。


サドは「復活祭の日に、物乞いをしていた未亡人を騙し暴行(アルクイユ事件)」「マルセイユの娼館で乱交し、娼婦に危険な媚薬を飲ます」などの犯罪行為を犯し、マルセイユの娼館の件では「毒殺未遂と肛門性交の罪」で死刑判決が出ている。1778年にシャトー・ド・ヴァンセンヌ英語版に収監され、1784年にはバスティーユ牢獄にうつされた。


獄中にて精力的に長大な小説をいくつか執筆した。それらは、リベラル思想に裏打ちされた背徳的な思弁小説であり、エロティシズム、徹底した無神論キリスト教の権威を超越した思想を描いた小説でもある。だが、『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』をはじめ、淫猥にして残酷な描写が描かれた作品が多いため、19世紀には禁書扱いされており、ごく限られた人しか読むことはなかった。


サドは革命直前の1789年7月2日、バスティーユから「彼らはここで囚人を殺している!」と叫び、革命のきっかけの一つを作ったと言われる。間もなくシャラントン精神病院にうつされたが、1790年に解放された。当初共和政を支持したが、彼の財産への侵害が行われると次第に反共和政的になった。1793年12月5日から1年間は投獄されている。1801年、ナポレオン・ボナパルトは、匿名で出版されていた『ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』と『ジュリエット物語あるいは悪徳の栄え』を書いた人物を投獄するよう命じた。サドは裁判無しに投獄され、1803年にシャラントン精神病院に入れられ、1814年に没するまでそこで暮らした。

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偏見と狂信の人

「東海アマブログ」の最新記事の末尾で、アマ氏がこの一節を書いた意図がよく分からない。その前の部分はトランプの全否定論調であるから、トランプ批判の意図であるのは確実だろうが、トランプ政治の結果としてここに書かれたことが起きるなら、日本にとって非常に結構なことではないか。米国の操り人形になって中国と戦争をしなくて済み、安保を廃棄して米軍基地が無くなれば、日本が米国に搾取されることも無くなるわけで、まさにすべて万歳ではないか。
日本の政治的奇形の根底が、日本が米国の属国であることだ、というのは今では中学生でも知っていることだろうに、アマ氏はどこまでも日本が米国の属国であることを望んでいるのだろうか。つまり、意味不明の中国憎悪、ロシア憎悪の狂信が氏の全身を黒く染め上げているとしか思えない。
反原発についての氏の不屈の活動や膨大精緻な知識を尊敬しているだけに、残念である。


(以下引用)

 世界はトランプの思い通りには決してならない。
 EUや日本に対する25%関税は、アメリカを世界から孤立させてしまうだろう。
 日本もEUもアメリカとの関係を清算して、今後は、独自のブロック経済圏を成立させるしか生き延びる道がない。
 トランプは、「アメリカンファースト」の真逆の結果をもたらそうとしている。

 日本は、日台比越でブロック経済圏を作り、EUとタッグを組んでEPA・FTA経済圏を成立させ、傲慢なアメリカを排除する結果になるだろう。
 また安保条約やNATOも、トランプがプーチンに連携する姿勢を鮮明に示したことから、アメリカを除外して再編されるしかないだろう。安保はデメリットの方が多いので、廃棄され、米軍基地も返還してもらうしかない。
 今後、アメリカの経済成長は完全に止まってしまう。

 アメリカがトランプを排除して自浄しないかぎり、アメリカは、二流国へと衰退してゆく運命だ。日本は、台湾と中国に対する地政学的理由で、合併するしかなくなるだろう。
 韓国は北朝鮮を併合し、苦難の道を歩むことになる。金一族は、残酷に殺害される。

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疲労と疲労感と「健常」概念

「農業社会の遺制としての家族」「封建社会での労働力としての子供」という問題を考えようかと思うが、それはまた気が向いた時にやる。
ここでは、早朝散歩の時に考えた「疲労と疲労感と『健常』概念」という、何のことやらと思われそうな浮遊思考を少し考察してみる。まあ、「医療・健康」分野の話だ。

最初に言いたいのは「疲労と疲労感の違い」である。これは本質的に違う、というのが先ほど私が考えた浮遊思考である。
「疲労」とは文字通り「労働(運動・体の使用)」による「疲れ」である。
ところが「疲労感」は体を使っていなくても生じるのである。つまり、或る種の体の不全状態、不調に対して日本社会がいい加減につけた名称が「疲労感」なのである。私の推測では、その不調はある種の栄養分の欠乏から来るもので、「運動」によるものではない。まあ、細胞活動も運動だと強弁すれば話は別だ。
たとえば、朝起きた段階から体がぐったりして足が重い、そしてその原因が特に思い当たらない、というなら、それは「運動による疲労」ではないから、それを「疲労感」と名付けること自体が不適切なのである。まあ、強いて名付けるなら「不全感」だろうか。「不調」だと漠然としすぎているようだ。少なくとも「疲労感」ではない。

では「健常者」とは何か。どういう状態を指して「健常」と言うのだろうか。
一般的にはこれは五体満足で病気でない者を指すようだが、慢性的な病気を持っていても、肢体不具者でなければ健常者だとみなすことが多いようだ。精神面は無視するので、残忍非道酷薄そのものの健常者はゴマンといる。
そして、なぜか人というものは、身体的健常者であることをもって、身体部位に欠損を持つ者を「自分より劣った者」と見なす資格があると思っているものだ。同情すら、自分が上位であることを意識する満足感を伴っていることもあるだろう。だから、不幸な人々は同情されることを嫌うのである。まあ、そのあたりは小説や漫画でうんざりするほど描かれたものだ。

で、健常という状態は、私の考えでは「自分が存在し、生きていること自体に幸福感を持っている状態」と定義したい。その前提が「身体的苦痛がない」だが、それ以上に「身体的精神的に健康であることの実感や幸福感があること」でありたい。まあ、老年になればなかなかそうはいかないが、若い時期なら、そよ風が頬を撫でる感覚や、道を歩いて、足が地面から受ける反動自体が、生きている幸福感を呼びさますこともあるのではないか。そういう状態をこそ私は「健常」と呼びたい。そういう意味で自分が健常なら、世界や他者への悪意は生まれようがないはずだ。

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AIの賢さと人間の賢さ

「シャンティ・フーラ」サイトの記事で「ぴょんぴょん」という人の記事らしいが、最後はシャンティ・フーラへのゴマすり発言なので省略した。冒頭部のAIと人間の頭脳の必要コスト(電力)の話と「賢さ」の区別の話が重要だと思う。AI推進がイコール原発推進、かつ人間不要化(人口削減への道)になるわけだ。つまり、AIの有能さは認めるとしてもAI全能思想は悪魔的思想だろう。

(以下「混沌堂主人雑記」から孫引き引用)結局、容量不足なので記事後半は省略する。

AIのある日本の未来について語る3人の識者


寒い寒い、雪も積もるし、道は凍るし。

まったく、「なにが温暖化?」って言いたくなるよね。

暖房費節約のために、日が昇ったらふとんから出る、日が沈んだらふとんに入る。

なんか、昔の人みたい。それじゃ、時間を持て余すでしょ。

いやいや、ふとんの中でラジオを聞いとるのよ。テレビを捨ててからとゆうもの、ラジオの世話になっててな。ちょうど今年は、「ラジオ放送100周年」とかで、特別番組も多いし。中でも、NHKラジオの「放送100年 じっくり語ろう日本の未来」は、発言者の人選が良くて、おもしろかった。
中村桂子(89歳):40憶年にわたる生き物の営みを科学的に読み解く「生命誌」研究家。
磯田道史(54歳):独自の視点で歴史を読み解いた数々の著書がベストセラーになっている歴史学者。
安野貴博(34歳):テクノロジーで社会の仕組みを変えていこうと発信を続けるAIエンジニア、SF作家。去年の都知事選で第5位。
で、何を話したの?

AIのある日本の未来について。AIエンジニアの安野氏は、もちろんAI肯定派。生物史研究の中村氏と歴史家の磯田氏は、AI慎重派だ。

それぞれの世代のAI観を代表しているんだね。

その、年齢ギャップを越えた討論がおもしろいのよ。「人間は生き物で自然の一部、機械じゃない」と主張する中村氏は、安野氏に対して、「AIとエネルギー」問題を提起する。

中村:安野さんに伺いたいのは、これからAIって、エネルギーどうなります? 今、ものすごく使ってるでしょ。
安野:はい、ものすごく使ってます。
中村:ね、それで、人間の脳ってね、20ワットなんですよ。
安野:ものすごい、効率がいいですよね。
中村:AIが今使ってるエネルギーって、すごすぎません? 私、このまま行くんだったら、ここに疑問符をつけたいと思うんです。この先、エネルギーを、AIの世界はどうやって解決していくのかな、と聞きたい。

うわあ! ぼくたちの脳は20ワットで働いてるの? なんて、省エネなんだろう!
これに対する安野氏の回答、「同じ計算をするエネルギーはどんどん下がっているが、より賢くなるには、ものすごいエネルギーを使う。ハードウェアのチップの設計、AIを動かすソフトウェアの進化で、効率はよくなりつつあるが、より賢いAIを作ろうとすると、ものすごい量の半導体と、ものすごい量のエネルギーが必要。この10年、エネルギー量は増え続けると思う。」これに対して中村氏は、

中村:縄文時代の人の脳も20ワット使ってたんですよ。今の私たちも20ワットなの。そういうシステムになりませんか? (後略)
安野:(前略)その差も早晩、変わって行くと思いますね。同じ賢さを達成するのに必要なエネルギー量は下がり続けているので。人間の脳より効率的に動くことは十分にありえると思います。
中村:そうですか? 20ワット以下になりますかね?

ここで、一同爆笑。で、場がなごんだ後に、安野氏は言う。

安野:なるんじゃないですかねえ。そこに限界があるとは思わないです。そのときには人間の脳よりも、すごく「賢い」計算をしたがってるはずなので、(後略)
中村:(前略)やっぱり私は、その「賢さ」って何ですか?って問いたいですね。それがほんとの「賢さ」でしょうか?って問いは、やっぱり出てきてしまいますね。

「賢さ」?

安野氏は、計算能力や論理的な正解が出せることを「賢さ」と言っているようだ。一方、中村氏の言う「賢さ」は「知恵」のようなものだろう。違う定義で議論する二人の間に、歴史家の磯田氏が入ってくる。

磯田:大事な論点だなあ。たとえば、量子のレベルのコンピューターにして、エネルギー消費量を落としたとしても、「いっぱい問いたい、使いたい」が増えるから、けっこうエネルギー使うと思うんですよね。そうすると、バンバン原発を作ってね、そこのエネルギーでAIを動かしてみようって作ったけど、AIでもなかなか難しいような廃棄物の山が残るとかね。

なるほど、それはありえるね。原発で悠々とAI動かせても、廃棄物問題がどうなるかが未知数だ。

すると安野氏が、AIは目下、核融合エネルギーの開発に関っており、これが完成すれば、エネルギー問題も解決して、人類にとってプラスになると言う。

核融合発電って、施設も巨大だし、コストもかかるし、放射性物質も出るし、なかなかやっかいだよね。それよりも、植物も鉱物も動物もみんなやってる、常温核融合なら安上がりだし、安全だよ。AIの助けを借りれば、あっという間に実現できるんじゃない?
できたとしても、既得権益からブレーキがかかるだろう。

そういう人たちがいなくならない限り、AIを人類のために使うのは難しそうだね。


AI時代の課題とは


さてお次は、歴史家の磯田氏がAI時代の課題について述べる。約200年前に動燃機関が現れて、蒸気機関から原発にまで発展した。そして今、生成系AIが出てきたことで、「200年ぶりの大変化」が起きている。自分は「200年ぶりの大変化」より前に死んで、見ることはないと思っていたのが、「一番スゲえヤツを見ることになったので、うれしいような悲しいような」と話す。そんな磯田氏は、AI時代の課題を「子どもの教育」だと言う。

磯田:困ったのは、前回200年前は、西洋に、どうやったらいいかの教育モデルもあって、「読み書きそろばん」を高めて、よく勝ち抜いたヤツを帝国大学とかいい学校に入れて、物を生産すればいいんだ、で、話がすんでたんですよ。ところがこれから、どうやって子どもに生きる力をつければいいのか?「脳補助器」「脳もどき器」が現れるときに、それを基底にした社会が現れるときに、子どもをどう教育すればいいのか、っていう課題が、ぼくらに課されている。

AIは「脳補助器」「脳もどき器」?

磯田:(前略)最重要なキーワード、裏テーマは教育なんですよ。そいでねえ、これが困ったことにですねえ、AIが得意なことっていうのは、ことごとく、これまでぼくたちが塾に行って、試験を突破させるようなことなんですよ。つまり、人間をAIに近づけるのが学校であり、入試なんですよ。「人間AI化過程」と言っていいんですよ。そりゃそうですよ。記憶をしてくれと、そいで、記憶したら、定義とか、そういうのを適応してくださいと。それで結果を出す。で、目的が決まっている。

まさに、おっしゃる通り! 学校や塾は「人間AI化過程」だ。

磯田:工業化の段階の、工場で経済を高めてた頃には、効率いいですよ。軍隊作るとか、人間の道具化ですから、きわめて効率よく、それでG7の一角にポンと入ったわけですよ、アジアの国から、ぼくらの国はねえ。だけどですよ、AIがあるのに、AIのまねをしてあれすると、なんか長篠の合戦で、馬防柵のものに、馬で突撃する武田軍みたいなことに、子どもはなりつつあるわけですよ。
 
アッハハハ! 子どもは、鉄砲隊に向かって馬で突撃する武田軍か? つまり、無謀ってことだね。さすが、歴史の先生。

磯田:笑ってる場合じゃ・・もう、自分では笑わないと話せないコワい話なんですよ、私も。で、どうするか? (中略)...どうしたらいいかわかんないから、おそらく早いとこ、子ども、塾入れて、試験突破できるようにして、払いのいい会社の所属にしていくように、いわゆる偏差値の高い大学に入れば、「一流企業」と言われたところの抽選券がもらえるワケですよ。(中略)...それを知っている親は、試験に出る、金太郎飴のような知識を子どもに授ける塾に、お金を、だんだん減ってくる収入の中で払い続けている、という状態なんですよ。恐ろしいですね。(中略)...みんなで金太郎飴にして、同じ知識を持ってると、あっという間にやられるのね。ぼくはマニアックの勧めを思ってるんですよ。
これは鋭い指摘だね。AIとの競争に敗れるとわかっているのに、今まで通りに、子どもに金太郎飴の教育をするために、なけなしのお金を払う。でも、そんなことしてたら、いずれ子どもは、AIに仕事を奪われて、路頭に迷うことになる。

磯田氏は、江戸時代は違ったと言う。あの時代が西洋に追いつけたのは、多様性の社会だったからで、司馬遼太郎も「江戸時代はバラエティに富んだ社会だった」と言った。だから、今までどおりに、金太郎飴のような人材育成をしていたら、半世紀、取り返しのつかないことになると言う。

じゃあ、どういう教育をしたらいいの?

磯田氏も、確たる答えはないと言いながらも、こう言っている。

(以下、内容が薄いので省略)

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16歳の売春婦

1日10人前後を相手にするとは、従軍慰安婦並(それよりは少ないか?)である。それが「自分の意志」での売春なのだから、女衒たちだけを逮捕し処罰して済む話だろうか。
家出をした時点で、こうなることは明白な話だったのではないか。
まあ、当人が馬鹿だと言えばそれまでだが、嫌な世相である。

家庭教育にも学校教育にも根本的なモラルや生きる上での判断力の涵養という面があまりになおざりにされていないか。マスコミやネットに問題はないか。スマホに問題(犯罪利用の利便性)はないか。
不登校児の激増を座視している社会全体も問題である。何度も言うが、ただ大学進学のための高校教育、高校進学のための中学教育というピラミッド構造が、ある意味、最大の社会問題なのかもしれない。

(以下引用)


1日1食の生活で100人以上と性行為...”グリ下キッズ”が陥った「地獄の売春ツアー」の中身


配信

FRIDAY

まともに食事も与えられず……

居場所を失った“グリ下キッズ”は社会問題化している(画像はイメージです)



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HN:
酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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