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弁護士と弁護師、詐欺師と詐欺士

前の記事に書いた小谷野敦の本の中に、「看護士を看護師と書くなら弁護士を弁護師と書くべきではないか」という趣旨の言葉が書いてある。
この部分を読んで、私は「弁護士」が「弁護師」と書かれた瞬間に「詐欺師」の一種に見えるという効果に驚いたのだが、それは私だけの感覚だろうか。そもそも、「詐欺師」はなぜ「師」なのだろう。
「詐欺士」、つまり「士」と書くと、何か、侍的な志がある人物に見えるが、「詐欺師」だとまあ、詐欺をすることも当然かな、という印象になる。というのは、「師」というのは、漱石の「猫」にもあるように、「知らないことを生徒に聞かれても、知らないとは言えない」職業なので、必然的に誤魔化す術に長けるわけだ。だから、教師も詐欺師も共通点はある、と言えるだろう。で、弁護士も同じ共通点があるとして、「弁護士」ではなく「弁護師」と呼ぶのは当を得ているという、まあ、これは冗談だ。
ところで、女性看護師のみなさんは本当に「看護婦」と呼ばれることに不快感を持っていたのだろうか。

念のために言えば、小谷野敦は改憲論者(9条否定論者)で、私とは政治的立場が対立する存在である。馬鹿(つまり、無名人も著名人も、当然私も含め、世間の、いや、世界の大半の人間)への彼の差別的言辞も嫌いである。彼の本は単に読み物として面白いから読んでいるだけだ。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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