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去勢者とオカマタレント

今読んでいる本の中にこういう一節がある。

「去勢者が、意地悪く、恥知らずなことは、ごく普通のことで、卑屈かつ傲慢になりがちなのです」

この言葉が事実かどうかはさておき、かりに事実ならなぜそうなるかということを考えてみる。
まず、「卑屈かつ傲慢」という、一見矛盾する性格については、「その人間が置かれた状況によって、時には卑屈になり、時には傲慢になる」と考えれば、何もおかしくはない。権力者の前では卑屈で、無力な人の前では傲慢になるというのは官僚だけでなく我々の周辺でもよく見かけることだ。我々自身も大半がそうだろう。女子供や店員に対しては傲慢で、ヤクザや警官や大男相手には卑屈になる男性など腐るほどいるはずだ。
それよりも、去勢者が、「意地悪く、恥知らず」になるのはなぜか、ということだが、それは「男権社会」から追放されたという屈辱のためかと思う。男であることの特権を享受していた人間が、その特権の場所から追放されるのが去勢(宮刑)なのである。しかも、女でもないから女としてのメリットも享受できない。妾にもなれないし、「子供を産む機械」として尊重されることもない。そういう人間が「意地悪く、恥知らず」になるのは当然かな、と思う。つまり、自分をこういう目に遭わせた社会への憎悪である。で、周囲から軽蔑される存在だから、今さら他人に憎まれても平気である。となれば、いくらでも意地悪く恥知らずになれるわけだ。
これは、テレビに出ているオカマタレントと重なる部分があると言うと物議をかもしそうだが、彼らの作り出す笑いが世間への意地悪い観察の結果であり、その毒舌が、「笑われても嫌われても平気である」という鉄面皮さ、つまり恥知らずであることから来ているというのは無理な説明だろうか。そのあたりは、普通の女性コメディアンや女性漫才師とはかなり異なると思う。彼女たちは人を「笑わせる」ことを仕事としているが、実は「笑われる」ことや恥をかくこと、嫌われることに案外耐性が無い、と私には思えるのである。

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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
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考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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