まず「Too Young」の歌詞を載せておく。歌詞はシルヴィア・ディーという人らしいが、その下に説明抜きでシド・リップマンという名前があり、この人が作曲だろうと思われる。
歌詞の下の妄想は、英語の苦手な私が調べもせずに書いたものだから、間違いがあっても責任は取らないww
Too Young
They try to tell us we're TOO YOUNG
TOO YOUNG to really be in love
They say that love's a word, a word we've only heard but can't begin to know the meaning of.
And yet , we're not TOO YOUNG to know
this love will last tho'years may go
And then, some day they may recall we were not TOO YOUNG at all.
歌詞の中のlastは「最後の」ではなく、「続く」の意味。まったく相反する意味が同じ言葉にあるのが面白い。
tho'はthoughの省略形だろう。
racallは「思い出す」。「再び呼ぶ(re-call)」が「思い出す」を意味するのが面白い。つまり、記憶の底から再び呼び出すのが「思い出す」ことであるわけか。なお、公民の授業で言う「リコール」が同じ英語かどうかは不明。当選してその座(偉い人の地位)にある人物を再び「一般人として呼び戻す」というのが私の考えた屁理屈である。
最後の一節で、「then」「day」「they」の最初の音が、日本人の耳にはすべて「で」としか聞こえないのも面白い。英米人にはすべて違う音に聞こえるのだろうか。それとも文脈でこれはこの単語だろうと判断しているのか。
下の記事の中で「merry old soul」を「こころおおらか」と訳しているのは、誤訳でなければ意訳だろう。soulには「人」の意味がある。つまり、適訳は「朗らかなお年寄り」である。「楽しいお爺さん」でもいい。
2022年9月の紹介
Old King Cole
Old King Cole Was a merry old soul, And a merry old soul was he; He called for his pipe, And he called for his bowl, And he called for his fiddlers three. |
Every fiddler, He had a fiddle, And a very fine fiddle had he; Oh, there's none so rare As can compare With King Cole and his fiddlers three. |
コール王さま こころおおらか いつでもほがらか パイプに さかずき バイオリンひき三人ごしょもう |
バイオリンひきの バイオリン それぞれ音色じまん これぞ おにあいの くみあわせ コール王さまとバイオリンひき三人 |
マザーグースの本のタイトルにも使われるほど有名なマザーグースです。歌う際のメロディがきれいなのも人気の一因でしょう。まるで3人のバイオリン弾きの音色にのって歌うかのように,軽やかに歌いたいマザーグースです。最初の三行では,Old King Cole(he)とmerry old soulを反転させて,美しく強調しています。これは交錯配列法(chiasmus)と呼ぶ,聖書にもよく見られる表現方法です。
コール王のモデルは諸説あります。紀元前3世紀の頃,イングランド東部のエセックス州に実在したケルトの王様のコール王だったという説。または17世紀にイングランド南東部のバーク―シャー州にいた毛織物商で大金持ちのコールブルックだったという説。コールブルックには300人の召使いと,自宅には140人の使用人がいたといわれています。
マザーグースによく出てくる「fiddle」ですが,日本では多くの場合「violin(バイオリン)」と呼びます。同じ楽器ですが,演奏のスタイルなどによって呼び方が変わります。クラシック音楽やオーケストラ,交響曲,室内楽の場合に使用されるときはバイオリンと呼ばれます。一方フィドルは,フォーク・ミュージックやカントリー・ミュージックなどを演奏するときに呼ばれます。Old King Coleのために演奏していた3人は,どんな音楽を奏でていたのでしょうか。
【画像】“Old King Cole” by William Denslow