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若者はなぜネトウヨ化するか

最近、ネトウヨ系のブログやツィッターでよく引用されるmeiという女性がいるが、当然この女性もネトウヨである。そのmeiの発言の中に、沖縄の老人は馬鹿(つまり左翼的)だが、若者には賢い(つまり自分の賛同者、つまり右翼的な)者も増えている、という趣旨のものがあった。
で、私が考えるに、右翼的、あるいはネトウヨ的な若者が増えているというのは、沖縄に限らず、事実だろうと思う。
そこで、「若者はなぜ右翼的になるのか」ということを考察したいのだが、これは商売右翼とは異なる、「かぶれ現象」だというのが当座の結論だ。青春期に起こりやすい一種の精神病だと言ってもいい。問題は、これが病気だとは本人はまったく思わないし、むしろ自分の優秀さ、優越性の現れだ、と思い込むことである。「周りはみんな馬鹿で、自分は賢いから周囲とは逆の思想を持つ」というのが大前提であるわけだ。その「周囲」というのが、大人であり、マスコミである。
沖縄の場合は、琉球新報と沖縄タイムスの両紙が「沖縄を守る」姿勢ゆえに中央政府批判の言論をしばしば書くことはよく知られているだろう。そのためにこの二紙は「左翼だ」と見做されたりする。まあ、単に中央政府の沖縄への理不尽な仕打ちを当たり前に批判しているだけだが、若者から見ると、「政府に非協力的な、左翼新聞」となる。沖縄の人間でありながら、日本政府を優先して考えるわけだ。これが「ネトウヨ的愛国思想」である。つまり、「自分の郷土の利益より、大局的見地から左翼新聞を批判し、老害世代を批判する俺って凄いだろう」という愛国主義だ。これが昂じると、「国家のためには地方は犠牲になってもいい」「国家のためには個人は犠牲になってもいい」となる。要するに、国家(あるいは政府)という抽象物の利益のために、自分の身近なすべての人々を犠牲にする思想だ。その犠牲の中に自分自身も入るから、「そういう(空想の中だけだがww)自己犠牲のできる俺スゲー」となる。
これを要するに、沖縄の(左翼的ww)二大紙ゆえに、若者が右傾化するという、実に奇妙な現象がある、と私は分析している。昔なら、日教組のために逆に生徒が右翼的思想になったのだ。
他県での若者の右傾化の状況は知らないが、大人が普通に政府批判をしたりしたら、「大人は馬鹿」という定式に従って、「だから賢い俺(私)は大人と反対の意見を持つべきだ。つまり、政府は『やむなく』あれこれの、一見不祥事に見えることをやっているのであり、簡単に政府批判をするような『馬鹿な』ことをするべきではない。俺は政府の立場で考えるべきだ」と考える。その習慣が積もって、やがて立派なネトウヨが出来上がるわけである。
結論を言えば、若者の満たされぬ「自己承認願望」を実現するのが「ネトウヨ化」である、ということである。自分は賢いつもりの若者ほど、そうなりやすいはずだ。つまり、「国家と自己の一体化幻想によって、無価値な自分を自分で承認し、プライドを維持する」のがネトウヨ化という青春期の精神病だ。


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