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老々介護問題の完全な解決策

認知症の人間を個人で(家庭で)面倒を見ること自体が無理なのである。理不尽と言ってもいい。もちろん、その無理を承知で自分の家で面倒を見る、という人々には感心するし尊敬もするが、そうした行為を他の家庭にも強要することはできないだろう。
私は老親を介護施設に入れることは「精神的な姥捨てだ」と前に書いたが、それを批判したり非難したりしているわけではない。これはその家族にとってはやむを得ない決断なのだ。だが、その行為自体は「姥捨て」であることを自分自身で正直に認めるべきだろう、と言っているのである。
昔の姥捨ては、山に遺棄して死ぬに任せたが、現在の姥捨ては、施設の中で「ほとんど廃人として生存していく」というだけの違いである。認知症の人間を廃人呼ばわりすることも問題視する人間がたくさんいると思うが、問題を明確にするために、私はあえて廃人と呼ぶ。だからこそ、家庭での介護が困難なのではないか。相手が「通常のコミュニケーションができない存在」なら、それを廃人でないと言えるだろうか。
そうした存在を長年介護してきたら、最後には疲れ果てて、相手を殺して自分も死のう、となるのは、むしろそうなって当然の成り行きだろう。つまり、この事件は、「日本社会がシステム的にそう仕向けた」事件なのである。
では、どうするか。
簡単な話だ。認知症患者の介護が家庭で不可能な家は、その患者を無料で施設に入れることができるような制度を作ればいいだけの話である。その国立介護施設では、職員に高給を支払うことも制度化すればいい。ただそれだけのことである。
あなたは、あの無能で、場合によっては有害な政治家たちに年に何千万の給与を支払うのと、介護施設の職員の月給を最低でも30万円にするのと、どちらを支持するか。
ただそれだけの話だ。
月給30万円が最低給与なら、介護離職など無くなるどころか、希望者が殺到するに決まっている。そして、介護の仕事が月給30万円に値しないと思う人間は、自分で介護をやってみればいいのである。




(以下引用)

介護疲れで妻殺害容疑の夫 逮捕後に食事拒み続け死亡

2月23日 19時28分
介護疲れで妻殺害容疑の夫 逮捕後に食事拒み続け死亡
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今月5日、埼玉県小川町の住宅で無理心中を図ろうと77歳の妻を殺害したとして、83歳の夫が逮捕されましたが、夫は逮捕後、食事をとることを拒み続け、23日、入院していた病院で死亡しました。
今月5日、埼玉県小川町の住宅で國崎誠一容疑者(83)が妻の恭子さん(77)の首を刃物で刺して殺害したうえ、みずからの首や手首も刃物で切りつけ、殺人の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、國崎容疑者は調べに対して、「認知症の妻の介護に疲れ、無理心中を図った」などと話していたということです。
警察によりますと、國崎容疑者は逮捕後にはほとんど取り調べに応じず、食事もとらなかったため、警察は医師と相談したうえで今月17日、町内の病院に入院させていました。しかし、入院後も食事をほとんどとろうとしなかったため、点滴などで栄養補給をしていましたが、23日午前10時ごろ病院で死亡が確認されました。
國崎容疑者を留置していた小川警察署は、「本人はほとんど何も話さなかったので、なぜ食事をとることを拒み続けたのか理由は分からない。警察としても食事をとるよう説得していただけに、このような結果となり残念だ」としています。

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