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東海アマ氏の「結婚(一夫一婦制)否定論」

「東海アマブログ」から記事の一部を転載。アマ氏はフリーセックス主義者で、一夫一婦制に反対のようだ。その信念が民俗学などで得た知識に裏付けられているらしい。
まあ、私もアマ氏同様一知半解、かつ知見の狭い人間なので他人のことは言えないが、私は「一夫一婦制は楽で便利である」という思想なので、あまり賛同はしない。
もっとも、精神的には独身が一番楽だろうが、家族がいるというのは苦労もあるが精神的充実もあるはずだ。勉強はしたくないが、志望大学には入りたい、という思考に近いものを、アマ氏の論説(フリーセックス礼賛論)には感じる。セックスは、そんなに自由にしていいものか? 社会のかなりな割合がサイコパス、あるいは劣等人格であるのに。つまり、結婚というのは「この人なら大丈夫」という判断が前提なのであり、その失敗は拙速な判断(ただし、封建社会では、結婚は家と家の結合であり、当人の意思ではない。)の結果にすぎない。
で、フリーセックス制の社会では家族というのが果たしてアマ氏の言うような天国になるのかどうか非常に疑問なわけだ。そもそも「家庭」というのが無意味化するのではないか。つまり、全員が他人の社会なわけで、まあ、孤立無援の生き方をしてきたアマ氏が、そうした生き方を礼賛するのは自画自賛に近い、自己慰撫の言説だろう。私はアマ氏の生き方を尊敬もするが、それを他人にまで押し付ける言説はいかがなものか、と思う。

結婚(一夫一婦制)否定論は、家庭の働き手(社会的な稼ぎ手)と家庭内作業が分担されていた時代から、ひとりでその両方をやる時代になった社会状況を肯定するものだが、果たしてそれは幸福な状況なのか。
コンビニと電化製品があれば妻(家庭維持任務者)はいらない、というのが今の時代なわけで、(これは独身主義者の多くの妄想で、妻の仕事は料理や掃除や洗濯だけではない。特に育児は男にはまず無理である。納税や公共料金の支払い管理だって面倒くさい仕事だ。)全員が独身主義になれば、性欲の処理は水商売、売春に頼ることになる。つまり、ある意味ではアマ氏の言うフリーセックス社会はかなり現実化しているわけだが、それは幸福な社会か、と私は問うているわけだ。はたして、独身女性が相手の分からない子供を産んだ時、それを「村全体で育てる」か? 馬鹿なことを言うんじゃない、と言いたくなるような妄想、妄言だ。



(以下引用)かなり、嘘、あるいは誤解、あるいは妄想が入っていると思う。

 さらに、時代が進むと、国家権力が統治の都合上、一夫一婦制を強要し、戸籍を作って民衆を管理し、税や兵士を徴用するようになる。
 ここで、国家は民衆の自由なセックスを否定し、一夫一婦制家族社会の成立が求められる。つまり、徴税と徴兵の必用が、母系氏族社会を破壊してゆくのである。

 だが、弥生文化の浸透した地方では、1960年代に至るまで、妻問婚→夜這いの風習が残った。
 娘が初潮を迎えると近所に赤飯が配られ、娘は離れに寝るようになる。この離れには小さなにじり戸があって、やがて茶室として利用されるようになった。

 赤飯を見た近所の青年は、真夜中に娘に忍び寄ってセックスを求める。妊娠すると、娘は、夜這いに来た青年たちのなかから自由に婿を指名する権利があった。
 青年は娘の指名を断る権利がなかった。もし拒否すれば、「村八分」の制裁を受け、集落から出て行かねばならなかった。
 集落全体が一つの家族だったからだ。

 夜這い文化圏では、性の観念が実におおらかであったことは、宮本常一が「忘れられた日本人」などの著書でたくさん報告している。
 夜這いを経験した人たちは、中高年になっても、昔の「無礼講」を覚えていて、割合、自由に不倫をしてしまう。
 だから西日本では、性的な暴走に寛容な地域が多い。女性のお尻や乳を触ったりの性行為など、普通のつきあいの範疇なのだ。

 私は、宮本の著作を夢中になって読みふけった時期があるのだが、現在、原本を示すことができず残念だ。ネット上から著作が消えてしまっている。
 https://booklog.jp/author/%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E5%B8%B8%E4%B8%80

 それでは、冒頭に紹介した「次男が自分の子ではない」と騒いでいる主役は、なぜ妻を離縁したり、慰謝料を請求したりと怒っているのかというと、「夫婦は貞操を守って父親の子を遺す義務がある」という地縁よりも血縁を重視する東日本社会の価値観を絶対視しているからである。

 この価値観は、奈良時代に遣唐使が日本に持ち帰り、家康が林羅山に命じて全国の武家階級に規範として強要した「儒教=朱子学」から来ているものだろう。
 儒教の本質は「序列主義」で男尊女卑だ。女性は「男の子を産む道具」にすぎないというのが孔子の考えだったが、この考えは実は旧約聖書から来ているものだ。

 母系氏族社会が地域に飽和してくると採集資源の縄張り争いが始まる。それが戦争に発展したとき、男子が大きな力を持つようになり、部族の権力が母から父に移ってゆくのである。
 権力を得た男は、女性を囲い込み「自分の子」を産ませるためにハーレムを成立させる。

 これが旧約聖書に描かれた男系氏族社会であり、イスラム教は、このハーレム時代を正当化するための宗教である。
 このとき、姦淫、姦通した女性は、投石で殺害されたり、激しく弾圧を受けるようになる。
 世界中の男系氏族社会で、女性の姦淫不貞が犯罪とされる倫理が成立することになる。

 ここで、男尊女卑やイスラム圏のような一夫多妻制が成立するのだが、女性の地位が貶められた原因は、戦争における立場にあることを意味している。
 戦争が増えれば「女は弱いもの、見下すもの」という観念が生まれてしまい、それが男女差別を拘束するのだ。

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