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日本と世界の経済的未来像

田中宇の記事配信が途絶えていて気になっていたが、健在のようで結構だ。彼の記事を私はよく批判するが、勉強になることも多く、彼のサイトの存在は有難い。
で、新しい記事は有料記事なので内容紹介文以上のものは分からないが、これだけでも疑問を感じるので、考察ネタにしてみる。まあ、「徽宗皇帝のブログ」向きの経済問題だが、経済学の素人が考えても、首を傾げるので、疑問に確信は無いがここに書いてみる。

(以下引用)

意外と正しい日銀の円安放置
 【2022年9月8日】日本が緩和策をやめず、円安を放置しているのは意外と良い策だ。最良の策でないが次善の策だ。米英中銀がQTと利上げを加速するのは愚策であり、近いうちに巨大な金融危機を引き起こす。日銀はQEを続けることにより、米英が金融危機になった時、日本だけ危機をいくらか緩和できる。

(以上引用。以下考察)

先に経済用語についての私の理解を書いておけば、「QT=金融引き締め」「QE=金融緩和」だと思うが、調べるのも面倒なので、とりあえずその方向で考察する。つまり、QEは市場のカネ(現金以外の小切手その他も含む。これを「流動性」と変な言い方をするようだ)を増やすこと、QTは市場のカネを中央銀行が吸収して減らすこと、と理解している。「利上げ」は金利を上げることだから、企業も一般人もカネを借りにくくなるので、景気は鎮静化(悪化)するが、利上げされた国債への投機は増え、その国の貨幣価値は上がる。それがドルならドル高になる。
まあ、このように素人判断で私は理解している。経済専門家とは逆の見方かもしれない。日本が異常な高度成長をしていた間、金利は非常に高かったのだから、金利と景気の関係は逆かもしれない。あるいは金利と景気の間の関係はさほど無いのかもしれない。最初の判断で行けば、欧米のQTと利上げは、ドル高やユーロ高(現実にユーロ高になっていない理由は後述)、の契機にはなるが、大きく見れば、景気は悪化させ、不況の呼び水となる、と見ている。とすれば、田中氏が言うように「愚策」である、と判断してよさそうだ。表面的なドル高だけを見ていてもダメだということになるか。ただし、ドルやユーロの貨幣価値は上がるわけだから、欧米の輸入企業には有利になる。だが、ロシアからの輸入は停止されている(と思う)ため、欧州のエネルギー危機の解決にはつながらないだろう。(ユーロの価値低下はQTや利上げより、ロシア問題が大きな原因だろう。)
さて、日銀の円安政策だが、これは資源・エネルギー輸入国である日本にとって最悪の政策であるのは何度も書いてきた。それを繰り返すだけである。田中氏が言う、「近いうちに金融危機が起こる」の「近いうち」がいつになるか知らないが、その時に日本が円安やQEのために救われるという、どんな理屈があるのか。低金利だから被害が少ない、ということだろうか。低金利だろうが、借入金額が巨額なら同じことだろう。まあ、一番いいのは、アメリカやヨーロッパとの経済関係をすべて断ち切り(あるいは最小限にし)、ロシアや中国やアジア諸国との経済関係を強化することである。今のアメリカやヨーロッパは滅亡するしかない運命だ。つまり、同じ船に乗っていると、共に水没するだけである。


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