地球の記録 - アース・カタストロフ・レビューさんのサイトより
https://earthreview.net/switzerland-is-starting/
<転載開始>

rmx.news

室内温度が20℃でも罰金

ヨーロッパは多くの国が深刻なエネルギー危機の渦中にありますが、先月、ドイツで「エネルギー安全保障法に基づく規制が可決」されました。


その法律は、職場や店舗、公共施設などでは、冬の暖房温度を 19℃以下にしなければならないという内容のものです。


(記事) ドイツで厳しい省エネ規制が適用される。冬の室温暖房は19℃まで (2022/08/29)


 


ドイツのこの新しい法律は、あくまで企業や公共施設に対して施行されたものでしたが、このたび、スイスでは、


「一般家庭に対しての室内温度に関する法律」


が可決される見込みであることがスイス国内で報じられています。


この法律によると、この冬は、すべての家庭で、室内温度は 19℃以下にしなければなりません



このスイスの法律で注目すべきは、以下の点です。


 


・罰金刑を伴う (違反と度合いと収入により、最大、日本円で 45万円程度)


・懲役刑を伴う (最大 3年)


 


しかし、「室内温度が規則に違反しているかどうか」は普通は外からはわからないものですが、この法律では、


 


・警察による戸別の気温チェックが認められる方向


 


となっており、(隣人からの密告等により)抜き打ちで、個人の家庭の室温を警察がチェックできるようになるようです。気温が 19℃を少しでも超えていた場合 (20℃でも)、罰金となり、繰り返す場合は、懲役が適用されるということなのかもしれません。


 


まあ……スイスって冬は寒いんですよね。


チューリッヒの例ですと、12月から2月までの最低気温の平均は、-2℃ほどで、1月などは、全体の平均気温が 0℃ということで、北海道の札幌などより寒いです。


そのような地域での暖房制限は、体にもこたえますが、精神的に厳しそうです。私も寒い地域で若い時に育ちましたけれど、「家の中が暖かい」ということは、それだけで大変幸せなことでもありました。


しかし、何より気温が低いと死亡率が上がるのです。


以下の記事で取りあげたことがあります。


 


[記事] エネルギー危機が今後「経験したことのない過剰死」に直結する予測が…
 In Deep 2021年11月3日


 


これは昨年の記事ですが、今年のヨーロッパは昨年までとは違う冬となりそうです。


そして、このスイスの方式は、今後ヨーロッパへのエネルギー供給の状況により、欧州の広範囲に広がっていくかもしれません。


報道をご紹介します。

この冬に室内を過剰に温めたスイス市民は、多額の罰金と3年の懲役に直面する可能性がある

Swiss citizens who overheat their homes this winter could face hefty fines and 3 years in jail
rmx.news 2022/09/07


スイス政府の急進的な新しい立法提案により、市民が家庭内の過剰な暖房について隣人に報告する可能性がある。


スイスでの新しい暖房規則は、今年の冬、家庭の室内気温を 19℃以上に暖房することを禁止していることが判明した。違反した場合、 日あたり最大 3,000 スイス フラン (約 45万円)の罰金と最大 3年の懲役が科される可能性がある。


スイス政府の、エネルギー供給を対象とするこの新しい法律により、エネルギー不足の場合に室内を 19℃ 以上に加熱することは違法となる。


さらに、お湯は 60℃を超えて加熱してはならず、ポータブル電気ヒーター、サウナ、温水プールは禁止される。

なお、世界保健機関 WHO は、子供、高齢者、および既存の健康状態に問題がある人たちには、20°C を下回らない温度が推奨されると長い間主張している。

スイス経済省の報道官マルクス・シュペルンドリ氏は、「国のエネルギー供給に関するこの法律の違反は、犯罪でさえあり、州によって職権で訴追されなければならない」と説明した。

この新しいエネルギー法に違反していることが判明した消費者に課される罰金は、1日あたり 30フラン (約 4,500円)から最大 3,000フラン (約 45万円)までの範囲であるとシュポルドリ氏は述べ、金額は違反の性質と経済状況に依存することを確認した。

さらに、政府のガイドラインに故意に違反した場合、消費者は最長で 3年の懲役刑に処せられる可能性がある。

「この条例案は主に、スイスの人たちの大多数が法律を尊重しているという事実に基づいている」と彼は付け加えた。

ガイ・パーメリン経済相は、先週の連邦評議会での記者会見で、「スイスは警察国家ではない」と述べたが、スイスの報道機関ブリックが報じたように、人々が法を順守していることを確認するために個別の家庭へのスポットチェックが行われる可能性があることが理解されている。

スイスの各州は 9月22日までに提案を議論し、どのように実施するかを検討する必要がある。

そのため、スイス経済省は、「室内気温違反が報告され、それが(警察によって)チェックされ、証明された場合」にのみ罰金が科されると想定している。 しかし、スイス警察長官は、実際の取り締まりは難しいと考えている。

「明らかにしなければならない未解決の問題がまだいくつかあります」と長官は ブリックに語り、エネルギー警察が戸別訪問するのを見たくはないと付け加えた。