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政治家と宗教

東海アマ氏の「カトリック教徒がシオニズムを支持するはずがない。したがって、バイデン大統領は偽物だ」という説への参考(反証)として「シオンへの架け橋」というサイト(おそらく、イスラエル情報中心のサイト。ユダヤ側からの情報が主か)から転載する。カトリックとシオニズム(ユダヤ)との関係は、単純なものではない。そもそも、政治家の宗教は、選挙対策なども含めた偽信教であり、真面目に信じているわけではないだろう。本来のカトリック(伝統的カトリック)から言えば、バイデンの堕胎容認やLGBT推進は唾棄の対象であるはずだ。
まあ、バイデンが本物だろうが偽物だろうが、DSにとっては(単なる役者だから)関係がないのだが。

(以下引用)

イスラエルの宗教事情

キリスト教とユダヤ教の微妙な関係


米国の「キリスト教右派」がイスラエルを支持していることは、よく知られています。 ブッシュ政権の強い支持基盤も、やはりキリスト教右派でした。 しかし、キリスト教とユダヤ教の関係は、実はそれほど良いわけではありません。 キリスト教右派、特に「クリスチャン・シオニスト」出現の背景と、その他のキリスト教各派の動きについて解説してみます。

キリスト教の歴史


ホロコースト博物館 wikipediaより


キリスト教と一口に言っても、実は複雑に分かれています。 まず、東方教会と西方教会。 ロシア正教、ギリシャ正教などの東方教会は、ユリアヌス暦という古い暦を使っているので、クリスマスは1月に祝われます。 エルサレムを訪れるキリスト教徒の多くは東方教会系です。
東方教会もユダヤ人を迫害しましたが、西方教会(カトリック)は残虐なユダヤ人迫害を行ないました。 ユダヤ人は「キリストを殺した犯罪者」としてひどい扱いを受け、改宗するか、殺されるか、外国に移住するか、三者択一を迫られたのです。(イスラエルの歴史参照)
エルサレムのホロコースト記念館に行くと、最初の部屋のパネルに、キリスト教の教えがユダヤ人迫害の原因だったと明記されています。 また、ローマ教皇のピオ12世が、ホロコーストを黙認したとの疑惑を示す展示もあります。

ホロコーストとキリスト教

カトリックから分かれたプロテスタントも反ユダヤ的神学を継承しました。 ホロコーストの背景に、宗教改革者ルターの激烈な反ユダヤ神学があったとの指摘もあります。
そのような中で、19世紀から20世紀になって「ディスペンセーション神学」という神学が勢いを増し、その中から「ユダヤ民族の救い」を説く人々が出現しました。 日本で、その流れをくむキリスト教指導者として知られるのが中田重治(1870-1939)です。
神がユダヤ民族を最後に救われるという神学は、1948年にイスラエルが建国され、1967年にエルサレムが2000年ぶりにユダヤ人の支配下に戻って、勢いを増しました。 キリスト教右派の人々は、この考えにもとづきイスラエルを支持します。

クリスチャン・シオニスト

1967年の第三次中東戦争以降、イスラエルを支持するキリスト教団体が数多く誕生しました。 これらの団体を総称して「クリスチャン・シオニスト」と言います。
代表的なものは、ICEJ(在エルサレム国際クリスチャン大使館)、B.F.P.(日本にも支部がある)、エルサレムサミット、 最近登場したIFCJ(クリスチャンとユダヤ人の国際懇談会)などです。 これらの団体は、かなり莫大な支援金をイスラエルに送り、様々な人道支援活動を行っています。
ユダヤ人のイスラエルへの帰還を助けるJA(ユダヤ機関)は、ユダヤ人からの献金の減少で活動資金に困っていたのですが、IFCJの支援を受け入れました。

ユダヤ人の応答

クリスチャン・シオニスト団体の献身的な働きが認められ、近年では「クリスチャンは友人」だという印象が広がっています。
2000年から始まった第二次インティファーダは、この傾向を加速させました。 全世界の人々がイスラエル非難を強める中で、イスラエルを愛するクリスチャンだけがイスラエルを支持したからです。
そこで「唯一の友人を敵視したままでいいのか」という危機感から、2004年には、超党派の「キリスト教同盟者議員団」(KCAC)が結成されました。 今、ユダヤ人の側からクリスチャンに友好を呼びかけるという前例の無い動きが始まっているのです。
2007年に東京で開催された「エルサレム・サミット・アジアⅣ」も、こうした動きの一環です。

警戒するユダヤ人たち

ところが、こうしたキリスト教団体の動きには、ユダヤ人側から懸念の声が出ています。 2008年初めに、膨大な支援金を拠出したキリスト教団体が、JA(ユダヤ機関)に役員を送り込もうとしたところ、諸団体から非難が相次ぎました。
また、ICEJの主催する仮庵の祭りへのユダヤ人代表の参加を、チーフラビ庁が「ユダヤ法違反」として差し止める動きも出ています。
その背景にあるのは「ユダヤ人をキリスト教に改宗させる動きではないか」という、ユダヤ人の懸念があります。

「改宗」の意味するもの

キリスト教への「改宗」は、ユダヤ人にとっては脅威です。 キリスト教は、長年にわたって改宗したユダヤ人に「あなたは、ユダヤ人をやめてクリスチャンになったのだ」教えてきました。 そして、ユダヤ人も「キリスト教を信じた人はユダヤ人をやめた」と解釈していたのです。
現在でも、子供がキリスト教に改宗すると「お葬式」をして家から閉め出すという話は、よくあります。 強制改宗でも、心からの改宗でも、結果は同じ。要するにユダヤ人が一人、失われるのです。 全ユダヤ人がキリスト教徒に改宗すれば、実質的にはユダヤ民族が「絶滅」することになります。 これが、クリスチャンとの関係改善について、ユダヤ人が抱く懸念なのです。

メシアニック運動

ユダヤ人としてイエスを信じる「メシアニック運動」の主張は、簡単に言うと「イエスを信じてもユダヤ人であり続けること」。 これは上記の考え方を完全に否定するものです。 一見すると、この運動はキリスト教とユダヤ人の「架け橋」になるように思えますが、実際にはそうではありません。 ユダヤ人から見るとこの運動は「ユダヤ人を騙す宣教団体の新手の策略」であり、一方、保守的なキリスト教からも、メシアニック運動は異端だとする見解が根強いのが現実です。 そして、前述のクリスチャン・シオニスト団体に対しては、ユダヤ教の側から「メシアニック運動を支援しないように」との様々な圧力が加えられています。 また、ユダヤ教とキリスト教の対話では、ユダヤ人側の反感を招かないように、メシアニック運動を外すのが普通です。 メシアニック運動の存在は、ユダヤ人にもキリスト教にも複雑な影響を与えているのです。

現代のキリスト教とイスラエル

親イスラエルのキリスト教団体の動きだけを見て、キリスト教が全てイスラエル支持だと考えるのは早計です。 クリスチャン・シオニスト以外のキリスト教が、イスラエルに対して持っている立場を要約すると以下の通りです。
1)二契約説
 ユダヤ人はイエス・キリストを信じなくてもユダヤ教で救われるとする見解です。 カトリックは、イスラム教やユダヤ教との関係を改善するため、ノストラ・アエターテという宣言で、実質的に「どんな宗教でも救われる」という見解を出しました。
2)置換神学
 ユダヤ人は神に捨てられ、その地位は教会に受け継がれたとする見解です。祝福の約束は教会に引継がれ、ユダヤ人には神の呪いだけが残りました。 ユダヤ人は、他の民族よりも呪われており、永遠に地上をさまよう運命を与えられています。
3)民族は無関係
 キリストの前に全人類は平等。ユダヤ人とか、イスラエルの土地とかいう話は、旧約聖書のものであり、新約時代では無効であるとする見解です。 最も常識的であるため、この見解を持つキリスト教徒は多いです。



現在のところは、以上のような見解が多数派で、ユダヤ人によるイスラエル国家の再建を支持するクリスチャンはまだ少数派です。 現代イスラエルを批判し、パレスチナ人の闘争を支持するキリスト教派も多くあります。

雪解けの兆し


ナザレの街のクリスマスの様子


近年、イスラエルではキリスト教に対する人々の意識が急速に変化しています。 その背景の一つは、1990年代に急増したロシア移民です。 彼らは宗教的にはロシア正教の人々が多く、クリスマスなどの風習をイスラエルに持ち込みました。
また、若い人を中心にキリスト教文化が静かなブームとなっています。 クリスマス・キャロルを聴くために教会に行く人が増え、ヘンデルのメサイアの演奏会は毎年盛況です。 イエス・キリストや新約聖書を文化として好意的に取り上げる出版物も増えてきました。

今、イスラエル社会はキリスト教に対する対応で揺れ動いています。 インターネットでは「クリスチャンを追い出せ」という意見と「唯一の友人を敵に回してどうする」という意見を、ユダヤ人同士が激しく戦わせています。




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