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投票(多数決方式)というシステムの限界が見える実験

見出しに騙されて「へえ、意外だな」と思って記事を読んだら、何のことはない、一、二年では賛成多数だが、三年では反対多数である。これを「生徒は『賛成』」というタイトルの記事にするのはどうなのだろう。生徒全体でみれば6割弱が賛成なのだから、「生徒は賛成」と言えるかもしれないが、この程度なら「賛否両論」と言うべきではないか。
まあ、組体操で絆や団結力が高まる、という低学年(中一なんて、小学生並みの精神年齢だろう)にくらべて、怪我したくない、という三年生はさすがに年齢相応の知性はあるようだ。
投票という組織意思決定方式の限界が見える実験だ。つまり、馬鹿の1票も利口の1票も同じ1票という馬鹿馬鹿しさ。
「票の意味」もまた問題だ。賛成票や反対票の意味するものが同じだとは限らない。。
各種の「競争競技」よりはまだマシだから組体操に賛成、という生徒も多いのではないか。
要するに、「運動会」そのものに賛成か反対か、という質問もやるべきなのである。

まあ、見るだけなら、運動会は面白い。参加しろ、と言われれば絶対にいや、という人も多いだろう。私はそれである。学校を離れていいことの一つがそれだ。後は、授業を受けなくていいこと。もっとも、退屈でも役に立った授業もあることはある。

いい案を出そう。運動会(あるいは組体操)に賛成の連中だけで運動会や組体操はやらせればいいのである。不参加希望者はその意思を尊重するだけでいいわけだ。これこそが本当の民主主義であり、現在の「全員参加強制」の運動会や組体操はファシズムと言うのである。

川柳を一つ思いついた。

「絆とか 言えばきれいな ファッシズム」

ファシズムの原意は「束ねる」ことだから、まさに「絆」はファシズムそのものだwww




(以下引用)


組み体操:生徒は「賛成」…東京・豊島の中学で投票実施
 
 
 
 
 
 
 
 

生徒会役員の生徒から組み体操の賛否を投票する模擬投票用紙を受け取る生徒たち=東京都豊島区の区立明豊中学校で2016年4月19日午後1時30分、高木香奈撮影© 毎日新聞 生徒会役員の生徒から組み体操の賛否を投票する模擬投票用紙を受け取る生徒たち=東京…

 「組み体操に賛成か反対か」。各地で事故が続発する組み体操を巡って、東京都豊島区立明豊中学校が生徒に真正面から賛否を問う模擬投票を実施した。主権者教育に力を入れている小林豊茂校長が「身近な材料で投票することの意味を考えてほしい」と提案した。結果は25日の朝礼で発表され、賛成が反対を上回った。小林校長は教員らの意見も踏まえ可否を判断するという。【高木香奈】


理由も記入…意義、安全熟考


 同校では毎年6月の運動会で、3年生男子が組み体操のタワーやピラミッドを披露してきた。小林校長は「運動会の安全を考えるきっかけにしたい」と考え、教員だけでなく生徒にも組み体操への賛否を問うことにした。


 今月11日の朝礼で、組み体操の事故について、生徒の体力以上のことに挑戦したり、安全対策が不十分だったりすることが背景にあると紹介し、「君たちの意見を聞かせて」と呼びかけた。


 事前に区の選挙管理委員会が生徒会役員に選挙の立ち会いの仕方などを説明し、投票箱や記載台も貸与。投票は組み体操への賛否と理由を無記名で書く形式で、15〜21日の間の4日間、生徒たちが昼休みに校内に設けた投票所に足を運んだ。


 開票の結果、投票率57.2%(生徒総数341)で賛成票が6割弱と反対票を上回った。投票率は1年生の8割に対し2年生は4割に届かず、学年でばらつきがあり、賛否も3年生は66%が反対した一方、1年生は70%、2年生は65%が賛成した。賛成理由は「運動会の文化だから」「絆や団結が強まる」。反対理由は「けがをしたくない」「けがをした友達を見たくない」などが目立った。


 25日の朝礼で小林校長は「皆さんの意見を踏まえて、先生とも話し合って判断する。組み体操に限らず、運動会ではけがをしないよう気をつけてほしい」と話した。投票した3年男子生徒は「自分たちの意見を聞いてもらえたのはうれしい。投票の仕方もよく分かった」と感想を話した。






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