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宗教的奴隷と政治的奴隷

オウム真理教の非論理性が、次の引用からよく分かるのではないか。しかし、教祖や上位者への習慣化した盲目的追従(これが「修行」の中で育成されていく)が、その教義の非論理性をも見えなくしたのだろう。
ついでに言えば、オウム真理教の「成功」の最大の理由は、教団内部の「序列制」にあると思う。軍隊的な序列の特徴は上の者への絶対服従である。「修行」を積めば、あるいは献金や奉仕活動など教団への貢献度が高いとどんどん階級が上がる。そして、その「修行」は予備校の授業のように「カリキュラム化」されているのである。自分の「偏差値」を上げようと、信者は修行に励むのだ。自分の修行が無意味だと思いたくないから、修行に疑問を持たないようになる。つまり、宗教の軍隊化と予備校化だ。別の言い方をすれば「奴隷製造工場」である。奴隷制度の一番の成功は、「奴隷制度の内在化」である。つまり、自ら進んで奴隷の地位に安住するようになることである。オウム真理教徒の事例を拡大すれば、日本人は、米国によって精神的奴隷になっていると言える。


(以下引用)

 

輪廻とカルマ

教団では輪廻転生が信じられていた。麻原は自らの出版物を通して、徳川家光朱元璋など多くの前世を持つと称していた[320]。中でも意識堕落天の宗教上のは直前の生であったため、その世界で麻原に帰依していた人たちが多く転生し、現在の信者になっていると教団内では信じられていた。また、道場では「宿命通」というアニメビデオを放映し、麻原のエジプトでの前世の物語を展開していた。ジェゼル王の時代に彼は宰相のイムホテップとして王に宗教的指導を施し、最古のピラミッドである「ジェゼル王の階段のピラミッド」を造ったとしている[321]

輪廻転生と関連してカルマ(業)の法則も信じられていた。虫500匹を殺すカルマが人1人を殺すカルマに相当する、接触しただけでカルマが交換される、スポーツやグルメを楽しむとカルマを負って低い世界に落ちるなどといった独特の教義があった[322]。一方で、1986年に麻原は「解脱すれば現世で罪になることをしてもカルマにならない。だから、解脱者には罪はない」と説いた[323]


この他、教団に不利益を与えた者はカルマ返しを受けるとし、信者への体罰はカルマ落としとされた[324]。その人の悪いカルマを落としてあげるには苦しみを与えればいいとされた[325]。楽しいことをしたり、美味しいものを食べたり、十分睡眠をとると徳が減る、苦しければ苦しいほど徳を積む事になる、だから相手を苦しめるのはその人のためにいいことである、オウムを批判する人を攻撃するのもカルマ落としであるとみなされた[325]。1991年10月16日には「教学試験でカンニングしている者がいたら、構わず殴りつけろ。叩きのめせ。それは彼らが、来世、三悪趣に落ちるカルマを落とす意味においてだ。自分より強そうなら、2,3人で、それでだめなら10人で殴れ。これは私が認めただ。教学を勉強しない者については、怒鳴るとエネルギーをロスするから、しっかりといじめてやれ。精神的に、飯を食わせないとか、眠りそうになったら起こすとか。」とし、四無量心が根づけば殴ってでも修行させた方がいいと説き、リンチいじめを肯定した[326]

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