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地獄への道は

「毎日jp」より転載。
赤十字に集まった金がどの程度の割合で被災者に届くかも怪しいものである。まあ、そのうち40%くらいは赤十字の「経費」として、その大部分が幹部のポケットに入ることだろう。こういう「人道的組織」という看板や名目だけで世の人々は簡単に金を出すから、「彼ら」は笑いが止まらないだろう。もちろん、何度も書いているようにその赤十字の下の人間は使命感を持って誠実に働いているはずだ。
金というものは「下の者(貧乏人)から上の者(富裕者)へ」「善人(被支配者・庶民)から悪人(支配者・既得権益層)へ」流れるようになっているのである。こうした災害でさえ一部の人間には金儲けの好機でしかない。
江戸の大火を見た紀伊国屋文左衛門が紀州の材木を買い占めて巨冨を得た話は商売人にとってはお手本だろうが、材木買占めと値段高騰で苦しんだ江戸庶民にとっては極悪非道な話である。
原発そのものが強欲の象徴、弱者を虐げて強者が富裕になるという現代資本主義(拝金主義)の象徴なのである。(災害は原発だけではないが)
ネットゲリラに原発関連天下り団体の名前が掲載されていたが、原発関連だけで20以上もある。金に群がるのは企業だけではなく、役人もそうだ。そして彼らのために、利権とは無関係な一般国民がこれだけの大被害を受けているのである。
話が赤十字のことから逸れたが、「言葉ではなく実際の行動で相手を判断しろ」という判断方法を国民全体がやっていれば、日本はこのような国にはなっていなかっただろう。
悪人どもが国家を誤らせたのではない。それを阻止できなかった愚かな国民に罪はある。それは、「他人の言葉を鵜呑みにする」というお人良しさの罪なのである。
教科書の記述を鵜吞みにし、学者や専門家の言葉を鵜呑みにし、大企業経営者や政治家の言葉を鵜呑みにする、そういう人間があまりに多すぎる。そして、人を疑うことを知らない彼らは確かに善人なのである。

「地獄への道は善意で舗装されている」というのはそういうことだ。


(以下引用)


東日本大震災:日赤義援金594億円 配分には時間
 日本赤十字社は30日、東日本大震災の被災者のために取りまとめている義援金が594億円に達したと発表した。発生後15日間で160億円余が集まった95年の阪神大震災時を大きく上回る過去最高ペース。一方で、被害が広範囲にわたり、全容が把握できていないことから、配分を検討する委員会の設置などは未定で、被災者の元に届くにはもう少し時間がかかりそうだ。

 日赤への義援金は、29日現在で594億2128万4898円。「赤い羽根共同募金」で知られる中央共同募金会にも、90億1284万9473円(25日現在)が寄せられた。

 厚生労働省などによると、災害義援金は、国の防災基本計画に基づき、被災した地方公共団体が日赤などと配分委員会を結成。阪神大震災では、発生8日後に委員会が設置され、約2週間後、死者や行方不明者の家族に見舞金10万円など1次配分が行われた。

 今回は、被害が東日本各地に広がっていることから、12日に地震が発生した長野県なども含め10都県で委員会を設置する案も浮上。一方、義援金の使用計画の基となる被害の全容把握が難航している。

 被害が集中している県の担当者からは「被害が把握できない地域もあり、単純な割り算ではうまくいかない」(岩手県)などと苦慮する声が聞かれ、宮城県の担当者は「日赤などが中央で各県共通の基準を決めて対応した方が良いという話も出ている」と語る。厚労省社会・援護局総務課は「まだ、救援活動で手いっぱいという県もある。何とか早く善意を届けられるようにしたい」としている。【曽田拓、松谷譲二、平野光芳】

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