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国家訴訟と裁判用語

さて、この集団提訴を裁判所がどう処理するか見物である。原告を勝訴させたら原発避難者全員が同様の訴訟を起こし、被告の国(と言うより「政府」。私は、政府を「国」という習慣はやめるべきだと考えている。国とは国民と国土のことであって、「政府イコール国」ではない。政府は本来、国民に使役されるべきサーバント機関である。)と東電が支払う金は数百億円になるだろう。食品や作物への放射能汚染による被害の訴訟まで起こったら、数兆円、海外への被害補償が生じたら、数千兆円となるのではないか。それらを東電はすべて政府に押しつけるだろうから、日本政府の財政は、これで破綻するわけだ。
もちろん、裁判所もそれが分かっているから、この訴訟は1.門前払い、2.だらだらと時間をかけて審議し、訴訟者がすべて死ぬまで待つ、のどちらかになると私は予想する。3.訴訟者勝訴、という驚天動地の結果が一審で出ても、二審や三審では逆転敗訴になることはほぼ確実だろう。
国家(政府)を被告とする訴訟で一審勝訴というのは、「三審制はちゃんと機能してますよ」、というアリバイ作りのための小芝居であったのが、これまでの国家訴訟のほとんどの例である。
これもどうでもいいような話かもしれないが、「慰謝料」という言葉も私は好まない。犯罪被害者は「慰め」のために裁判を起こすわけではない。もっと切実な、生命と生活の土台のために訴訟するのである。それを「慰謝料」などと言うと、「本当は払う必要もない金だが、たまたま裁判で負けたから、払っておきます」という雰囲気が漂うのである。これがこの法律用語の狙いだ、というのはもちろん私の邪推だが、実際、そういうニュアンスを皆さんは感じないだろうか? もちろん「慰藉」という言葉と音が同じだからというせいもある。はっきりと「精神的損害賠償」や「謝罪補償」とするべきだろう。



(以下引用)*記事の存在は「東海アマ」ツィッターで知った。


国と東電相手に集団提訴=原発避難者ら1650人―請求額53億円以上【震災2年】
時事通信 3月11日(月)11時54分配信

 東京電力福島第1原発事故で避難や低線量被ばくを余儀なくされたとして、東日本大震災から2年となった11日、周辺住民が国と東電を相手に、慰謝料と原状回復を求め、福島地裁、同地裁いわき支部、千葉、東京両地裁にそれぞれ集団訴訟を起こした。原告は4地裁・支部で計1650人、請求額は少なくとも53億6000万円以上になる見通し。弁護団によると、原発事故で国を相手とした集団提訴は初めて。
 福島地裁の提訴には、事故発生当時、福島、宮城、山形、栃木、茨城各県に居住していた800人が参加。このうち、1割が避難指示区域からの避難者。原告側は放射線量を事故前の状態に戻すことと、戻るまでの間、慰謝料として1人当たり月額5万円の支払いを求めた。
 国を被告に加えた理由について、弁護団は「原子力事業は国策として推進されてきた経緯があり、国による事業と同視できる」としている。馬奈木厳太郎弁護士は提訴後、記者会見し「訴訟を通して原告だけでなく、被災者全体の救済につながる制度の制定につなげたい」と強調した。
 同地裁いわき支部への提訴は、いわき市の住民822人が原告となり、放射線量を事故前のレベルに低減することと大人1人当たり月額3万円、子ども同8万円の慰謝料などを求めた。
 一方、福島県から千葉県に避難している住民の弁護団は、国と東電を相手に損害賠償を求め、訴状を千葉地裁に提出した。原告は8世帯20人で、1人3200万円の慰謝料や1世帯当たり3600万円前後の住宅損害など、総額10億円余りを請求している。
 東京への自主避難者8人も同日午後、国と東電に1人当たり1200万円の慰謝料などを求め、東京地裁に提訴した。 



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