高度成長期の日本が所得税最高税率75%という累進課税により所得の平準化を図り、その結果、世界でも稀な「資本主義体制下の社会主義的平等国家」を実現したという事実を、なぜ多くの人は無視しているのか、私にはまったく理解できない。
そして、もう一つ。そこには「年功賃金、終身雇用」という、今の新自由主義的経営とまったく反対の経営方針が採られ、その結果、社会は経済的に発展し、人々は安定した生活設計ができ、経営者は労働者から憎悪されることもなく、労働者も経営者もみな幸福な生活を送れたのである。
それはグローバル時代とは無縁の、過去の「閉鎖された日本」の中での話だ、と言うのなら、なぜ今からでも鎖国をしないのだ、というのが私がずっと前から言い続けていることなのである。
近い過去には幸せな日本があった。なのに、なぜそれを振り返ろうとしないのか。
我々は「ハメルーンの笛吹き」の子供たちのように、我々を地獄に連れて行く先導者の後に付いていくのだろうか。
(以下引用)
『今だけ、金だけ、自分だけ』
1960年代から1970年代にかけての日本の所得税の最高税率は75%であり現在の3倍。1億総中流の豊かで平等で平和な日本が、何と保守政党である自民党で実現していたのですから驚きである。
今の名前は以前と同じだが、格差を極限まで拡大する極右国粋主義の安倍晋三の自由民主党とは大違いなのです。
当時の日本国は年功序列と終身雇用、勤労者を100%完全雇用していたので、我が日本は『世界で唯一成功した社会主義国家』であると揶揄されていたくらいである。
経験が無い若年労働者は賃金が低いが、その分企業の責任で職業訓練を施していたし、勤続年数が上がる分給料も上がる。
日本は同一賃金同一労働の職能給でも能力や功績に応じて高くなる能力給でも無くて、支出が少ない若年層を低くして家計の支出が増える中高年世代の給与を高くする仕組みであり、日本的社会主義そのものである。
結果世界一安定した平等で平和な国家が出来上がり、敗戦国だった日本は瞬く間にアメリカに次ぐ世界第二の先進国に駆け上がる。
ところがゲームのルールが唐突に変更されるのですが、この原因はバブル崩壊では無くてベルリンの壁の崩壊に続く23年前のソ連の崩壊(冷戦終結)である。
怖いライバル(仮想敵国ソ連)を失ったアメリカは誰にも遠慮することなく自分勝手に振舞いだす。
グローバリズムと称する『アメリカ化』の悪影響で、日本を含めて世界中が、まさに『今だけ、金だけ、自分だけ』の悪魔の碾き臼新自由主義で世界は大混乱に陥ったのです。その中でも特に日本の被害が酷かった。(世界から見て一番成功している国々は地理的にフィンランドやスウェーディンなどソ連に一番近い欧州の資本主義諸国である)