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一部の者が悪魔を受け入れ、周囲の全員が破滅する

「JBプレス」から転載。記事の後半は国際問題なのでカットした。
まず、東日本大震災と福島原発事故の後始末と現地の人々の生活立て直しが政治の真っ先にやるべきことのはずだが、それをまったくやらないどころか首吊りの足を引っ張るような「消費税増税」や「生活保護削減陰謀」に血道を上げているのが今の政治だ。これでTPPにも参加となれば、日本は外資に食い散らかされて国民の大半は貧困のどん底に陥るだろう。
まずは被災地の現状をマスコミが伝えることが一番大事である。というのは、いくらネットに真実の一部が流れても、それを見る人の数があまりに少なくて、政治的なエンジンになりえないからだ。
もう一つの問題は、被災地においてさえ、まだ権力の抑圧があって、政府批判や東電批判の声を上げることができない、という状況だ。
東電や原発のおかげでみんなが食べていける。それに文句を言う奴はけしからん、という抑圧によって、おおっぴらに文句は言えないのである。これは米軍基地所在地でこれまでずっと続いてきた抑圧の構造だ。
金というのは恐ろしい。人間を悪魔に変え、無情なロボットに変える。原発を地元に受け入れた県や町は、そういう「金の支配」をも同時に受け入れたのである。


(以下引用)


神戸発:オ政論

1週間に1人が命を絶っている原発被災地の現実
家と職を失い心が荒む人々が安心して定住できる場を

2012.06.29(金)


福島1区の前衆議院議員・亀岡よしたみ氏を電話ゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。

 マスメディアでは報じられない被災地の現状を伝える亀岡氏のリポートを中心に、中山氏が、軍事面・科学技術面で活発な動きを見せる中国の動向などを解説した。

一時帰宅後、首つり自殺したスーパーの経営者


中山 東日本大震災発生から早1年以上が経ちますが、被災地の現状はいかがですか。
亀岡 復興に向けてだいぶ進んでいるように思われていますけれど、実際は全く逆なんです。
 福島では、原発事故で設定されていた避難区域が解除されたことで、皮肉にも生きる希望をなくす方が増えてしまったのが現状なんです。
中山 先日、亀岡さんとたまたま東京でお会いした時に聞いて非常に驚いたのですが、亀岡さんの地元である福島では1週間に1人ものペースで自殺が起きているというのは本当ですか。
亀岡 先週も南相馬市で自殺者が出ましたし、もう毎週1人が亡くなっているような状況です。
 浪江町ではこんなことがありました。スーパーを経営する夫婦が一時帰宅した際、ご主人が途中で姿を消したそうです。慌てて奥さんが通報し、捜索したところ倉庫で首をつって亡くなっているのが消防団員に発見された。
 背景を説明すると、一時帰宅してその方が経営するスーパーに帰ると、冷蔵庫や商品棚に腐った食品がこびり付いており、サビが酷くて使用できる状態ではなかった。自宅はカビだらけでとても住める状態じゃない。しかし、震災前に設備投資した借金だけは通帳から引き落とされていく・・・。
 その現実を目の当たりにしたご主人は、「月10万円支給される見舞金だけでは生活できない。再建も無理だ」と悲観してしまった。それが原因で思い詰めたのかどうかは定かではありませんが、結果として自殺に至ってしまいました。
 避難区域の解除はありがたいことですが、無理やり避難させて立ち入り禁止にしておきながら、ある日突然帰宅を許可されて帰された方々の気持ちを政府は分かっていないと思います。
中山 そんな状況にあるというニュースを被災地から離れた私たちが目にすることはほとんどありません。本当にショックです。そんな中、平野(達男)復興相が山形を訪れ、避難生活を続ける住民と意見交換を行ったと報じられましたが、どう思いますか。
亀岡 自宅に帰れない苦しみを抱える方、ようやく帰宅して酷い状況を見てしまった方の心は、誰にも救いようがないんです。
 だからせめてインフラ整備事業を進め、住環境を整えた上で帰宅許可を出すのが最低限の責任だと思います。平野復興相は真面目に一生懸命やってくれる方かもしれませんが、本当に今やるべきことをきっちりやってほしい。でなければ皆、明日からの希望が見えませんよ。


被災者の反発を呼ぶ「仮の町」構想

中山 先ほど話に出た見舞金というのは、東電から支払われるものですよね。それは年齢に関係なく支給されるのですか。
亀岡 そうです。年齢に関係なく1人月10万円ずつ支払われます。しかし、問題点もあります。例えば、アルバイトをして3万円の収入を得たとします。その場合、収入額を報告する義務があり、報告すると3万円分を差し引いた7万円が支給されるのです。
 つまり働いた分だけ減らされるわけですから、何もせずに満額もらった方がいいということになりますよね。だから誰も働く意欲がなくなってしまうのです。
中山 そんな状況では、仮設住宅に住む方々の経済的な自立も遠のいてしまいますね。
亀岡 仮設住宅への入居から1年以上が経ちますが、今、入居者たちの心が荒み始めています。南相馬市では一人暮らしの孤独死が増えていて、早急に手を打たなければならない問題になっている。
 この現実を少しでも多くの方に知ってもらわなければ、もっと犠牲者が増えてしまう可能性は高いと思います。
中山 今、被災地が最も望んでいる支援のあり方は何でしょうか。
亀岡 生活基盤が第一ですから、まずはきちんとした住宅に住みたいという思いがあります。
 その時に大切なのは、自分たちが今まで生活していたコミュニティ、つまり近隣の人たちがいてくれるという安心感を持てることです。ですから我々としては、ニュータウン設立のための支援をしていただきたいと思っています。
 避難住民が別の自治体に一時集団移住して生活拠点をつくる「仮の町」構想が検討されていますが、この「仮の町」という名前を皆嫌がっている。ニュータウンなら新しい夢を追えるけれど、仮の町では仮設住宅と変わらないじゃないか、と。
 だからニュータウンで一戸建て、しかもコミュニティがある中で次なる生活設計の夢を描きたいというのが皆の願いです。
 ただ、これは国が企画・立案しない限り実現しませんから、まずは国を変えなければならない。国に対して我々が提言することを、一緒になって力を合わせてやってもらえるとありがたいですね。
中山 このままいくと国政ではまた政権交代が起こる可能性が高いですが、次の政権を担う政治指導者は被災地対策を優先的に進めるべきだと思います。
亀岡 政治というのは本来、地に足を着けてしっかりと国民生活を見てくれるものであるはずです。本当に困っている国民がいるのだからまずそこに目を向けてほしい。原発再稼働の問題も大事かもしれませんが、その前に原発で困っている多くの国民がいることを理解してもらいたいですね。

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