「火垂るの墓」は、見れば鬱になるのは確実な映画だが、一年に一度くらい、家族全員でこの映画を見て、戦争が庶民に何をもたらすのか考え、あの戦争の罪悪(自国と他国のすべての庶民に与えた惨禍)について思いを馳せるのは、国民としての義務だ、と考えてもいいのではないだろうか。それがつまり、あの戦争の総括なのである。社会としての総括と贖罪の前に、個人個人であの戦争について精神的に総括し、父祖の罪について心の中で贖罪するべきだろう。
過去の悪行や愚行への後悔と反省と責任者への処罰なしに先に進むから、この国はいつまで経っても進歩しないのだ。
(以下引用)
高畑勲監督の劇場版アニメ「火垂るの墓」(1988年)が6年ぶりに終戦記念日前後に放送されることが31日、明らかになった。終戦記念日前日の8月14日午後9時~同10時54分に日本テレビ系の「金曜ロードSHOW!」で放送される。
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同作は毎年、終戦記念日前後に放送されていたが、2009年8月14日を最後に終戦記念日前後での放送は途絶えており、2013年には11月に放送されている。6年ぶりに終戦記念日前後に放送することに同局の谷生俊治プロデューサーは「戦後70年のこの夏『火垂るの墓』を終戦記念日の前日にお届けすることに、放送に携わる者として身の引き締まる思いです」と語っている。
また谷生プロデューサーは作品について「悲しい要素も含んだ作品ですが、清太と節子という幼い2人が懸命に生きる『いのちの輝き』を描いた物語だと考えています。見たことのない方はぜひこの機会に、すでに鑑賞されたことのある方もあらためて、ご覧いただければ幸いです」とコメントしている。
「金曜ロードSHOW!」では「3週連続ジブリの夏」と題し、「火垂るの墓」を皮切りに高畑監督によるジブリ3作品をノーカットで3週連続で放送する。8月21日は午後9時~同11時24分に「おもひでぽろぽろ」(1991年)、8月28日には午後9時~同11時29分に「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994年)を放送する。また、連動企画として、作品の豆知識が盛り込まれた「お得情報メモ」を、放送前に同番組の公式サイトで公開する。