以下は、この事件から何となく連想的に考えただけの一般論である。この事件の関係者には何の関係もない話だ。要するに、「法とモラル」ということへの考察から始まって、「法と暴力」という主題になった論考である。
私は、法的な犯罪以上に悪質な、法では裁きにくい道徳的悪というのもあると思っている。つまり、状況によっては、相手を殺すしかない、ということは戦場に限らず普通の社会でもある(たまにある、いじめ事件のいじめの残虐性はそれだ。)という考えである。(戦場での殺人だけは許容されるという思想そのものが不道徳の極みだろう。)法律で裁けるのは、あらゆる悪の一部だけである。カネや権力の力で法的な処罰から悠々と逃れている社会的名士やその眷属・関係者は無数にいるだろうし、いただろう。維新前の維新の志士など、当時の社会ではテロリストである。そして新選組は、体制側のテロリストだ。悪政に対するテロを革命と言う。つまり、正義のテロもある。
私は平和主義者であり、当然殺人を基本的には否定する者だが、法と刑罰による国家の「暴力の独占」が社会を悪化させている(社会的弱者が常に泣き寝入りになる)面があるとは思う。少なくとも「悪事に対する報復は大きく情状酌量するべきだ」という考えだ。もっとも、それが報復だという証明が難しいから、一律処罰になるのが法的には、あるいは政治的には楽だろう。
(以下引用)
「こんな格好でも普通に男です!」 ススキノ頭部切断事件、被害者が人気者だった「民宿女装パーティー」
札幌市・ススキノのホテル一室で、首が切断された男性の遺体が見つかった事件。北海道警は24日、死体遺棄などの疑いで、札幌市厚別区に住む女(29)と医師の男(59)を逮捕した。生前の被害者をよく知る人物が、意外な素顔を明かしてくれた。 【写真を見る】セクシーなポーズを決める女装姿の浦仁志さん ***
撮影された場所は、北海道のさる港町にある民宿。バイクで岬めぐりとしゃれ込むライダーたちとの、宴席でのワンシーンである。事件当日も女装姿で犯人と思しき人物とススキノのホテルに滞在していた被害者は、全く別の場所でも奇抜な格好を目撃されていたのだ。 「浦さんは年4回ほど来ていて、最後に泊まったのは今年5月のGWで、7月の3連休も予約を入れていた。亡くならなければ会えていたのに残念です……」 そう肩を落としながら話すのは、件の宿の女将(おかみ)だ。 「初めて浦さんが来たのは8年前です。最初は女装していなかったのですが、“面白いものを見せてあげる”と言って変身し始めた。アニメのキャラクターを模した美少女フィギュアを作るのが趣味で、自分も美しい格好をしてみたいと、女装を始めたそうです。脚は脱毛しスタイルもよく、実年齢より若く見えましたよ」
“君、女装が似合いそうだよ”
この宿では、談話室に宿泊者が勢ぞろいして宴会をするのが常で、常連の浦さんは人気者だったという。 「自己紹介で“こんな格好でも普通に男です!”と話し、周囲に“君、女装が似合いそうだよ”と勧めていました。いつも夜9時頃に皆で記念写真を撮るのですが、それまでに化粧や着替えを済まさなければいけない。1人あたり30分位かかるんですが、浦さんがすべてやってくれました」(同) 参加者の一人に聞くと、 「手間がかかるため女装は1日4、5人が限度でしたが、浦さんは身長や体形に合わせた化粧がうまくて、“この子、キレイになるわ”と言いながら、変身させていく様を目の当たりにして、皆が驚き盛り上がるんです。私もやってみましたが、自分がこんなに変われるのかという面白さがあり、浦さんの気持ちが分かった。彼のことを変人だと言う人はいませんでしたね」
家族はどう思っていたのか
再び先の女将によれば、 「つけまつ毛や化粧品などはダイソーで、衣装は主にしまむらで調達。なるべく安い掘り出し物を見つけるようにしていたみたいです。さすがに地元では買いづらいので、旅先で物色していると言っていました」 自宅のある恵庭市周辺では世間体を気にしていたようだが、家族はどうだったのか。 「奥さんは女装趣味をどう思っているのか浦さんに尋ねたら、“小遣いの範囲内ならいいんじゃない”と言ってもらっていたそうです。息子さんと一緒に宿へ来た時だけは、さすがに女装しませんでしたけどね。ススキノにあるディスコや女装好きが通うバーの常連で、そういう場所では女性から声をかけられて、モテるんだと話していました」

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