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超訳「老子」5

5 天地は仁ではない。
  万物は天地から見れば無価値である。
  聖人は仁ではない。
  人民は聖人から見れば無価値である。
  天地の間とはふいごのようなもので、
  からっぽで外物に屈せず、
  動けばますます多くを産み出す。
  多言すればしばしば窮するものであるから、中を守るにこしたことはない。

[解説]
 この一節は、儒教批判だろう。儒教の最高の徳である「仁」を批判することで、儒教を批判したわけだ。しかし、無理な批判の常として、矛盾が生じている。第八節では「仁」を肯定し、また全体として「聖人」を肯定しながら、聖人は仁ではない、と言うのは無理があるのではないか。とりあえず、天地は仁ではない、というのは問題はない。天地は非人情のものなのだから、仁でないのは当然だ。そして天地は万物の入れ物ではあるが、万物に積極的に関与してはいない、というのもいいだろう。しかし、聖人は仁ではない、というのは問題がある。では他の箇所で「聖人の治」を云々しているのはどういうことか。もちろん、『老子』という作品自体が複数の人間の文章が混ざったものだという可能性は高いので、各章間の矛盾があっても不思議はないのだが……。この一節自体、あまりたいした内容とは思えないので、無理に解釈することはしないでおく。私自身、「多言すれば窮する」可能性もあるので。呵呵。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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