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超訳「踊るドワーフ」#3

「君は素晴らしい踊り手だ」私は彼に叫んだ。「君は音楽そのものだ」
「ありがとう」少し気取った感じで彼は答えた。
「君はいつもこんな風にやるのかい」
「まあね」と彼は言った。
そしてこのドワーフは足の爪先で美しい回転を行い、彼の柔らかな波打つ髪は風に流れた。私は拍手した。私はこれまで、これほど完璧なダンスを見たことがなかった。曲が終わるとドワーフは敬意をこめたお辞儀をした。彼はダンスをやめ、タオルで汗を拭いた。針がレコードの中心部でこつこつ音をたてている。私はプレーヤーのアームを持ち上げ、スイッチをオフにし、そのレコードを一番手近にあった空のジャケットに入れた。

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プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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