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「中孚、小過、既済、未済」の占断

61:中孚(風沢中孚)【○○× ×○○】「中なるまこと」*「孚」は「ふ」と読む。

中孚(の卦)は吉である。大きな企てによい。貞固であると利がある。

*卦辞の中に「中孚 豚魚吉」という謎の言葉がある。豚魚は河豚(ふぐ)ではなく、「豚と魚」のことのようだが、この卦に何の関係があるのか。先達の解説は屁理屈じみている。「孚」とは「誠」「誠実さ」の意味らしい。中孚とは心中に誠がある意味のようだが、なぜ、「孚」という奇妙な漢字を使ったのだろうか。風とか沢という、軽薄そうな象に「誠」を結びつけるのも無理がありそうで、「孚」を「誠」と解釈したこと自体が間違いではないか、と思うが、まあ、強弁はしない。「豚魚吉」について、彖伝では「信豚魚に及べばなり」とある。人間だけでなく、豚や魚までがその人を信頼する、ということだろうか。象伝で「君子もって獄を議し、刑を緩くす」とあるのは、その信頼があってこそ、獄を議し、刑を決められるのだ、ということか。(漢和辞典で確認すると、「孚」は鳥が卵をかえす、たまご、はぐくむ、まこと、とりこ、などの意味がある。鳥が卵を孵すような、無心の行為を「真心」と見るなら、それは豚でも魚でも同じような真心はある、と言える。親が子を育てるのも、別に将来の利得を考えての行為ではない。そういう無私無欲の愛他的行為を「孚」と言ったのではないか。)

62:小過(雷山小過)【××○ ○××】「小事における行き過ぎ」

小過(の卦)は通る。貞固であると利がある。小事にはいいが、大事には不可である。上にのぼるような行為には良くないが、下るような行為には良い。(その場合)大いに吉。

*山や坂道を登るにしても、上りは苦しいが下りは楽である。まして、山頂で雷が鳴っているなら、さっさと下りるべきだろう。人生で言えば、会社の中枢から閑職への移動など、楽であるwww それで不平不満を持つのは欲が深い。山頂や上り坂は険難の連続だ。世間の目も上級国民には厳しい。金持ちは羨望されるが、その転落は大喜びされる。彖伝では「上ることは逆で、下ることは順である」としている。川も下流から上流に流れはしない。上から下に行くのが自然の常だ。

63:既済(水火既済)【×○× ○×○】「完成」

既済(の卦)は少し通る。貞固であると利がある。初めは吉だが、終わりには乱れる。

*完成を示す卦だが、卦辞は景気が良くない。というのは、易は変化を宇宙の真理と見ているので、完成したら、後は衰退に向かうと見るからである。ここから衰退に向かうのだから、その乱れを覚悟しつつ、長所や美点を固守するのがよい、ということかと思う。火の上に水がある象がなぜ既済なのか、それは調理を意味するからだ、というのが先達の屁理屈だが、まあ、最初に易を作った人がどんな気持ちでこの卦を「既済」としたのか、分かるはずはない。象伝に言う、「君子以て患を思って予めこれを防ぐ」が、この卦の大事なところだろう。一見、すべてが完成したような時こそ、将来の災いに備えよ、ということだ。


64:未済(火水未済)【○×○ ×○×】「未完成」

未済(の卦)は通る。しかし、子狐が川を渡ろうとして最後で水に落ちるようなうっかりぶりでは、ほとんど利は無いだろう。

*象伝に言う、「君子、以て慎んで物を弁じ、方に居(お)く」と。この卦を得たら、慎んで、物事をよく思慮し、正しく処理せよ、ということかと思う。




以上で「易経」の解釈は終わりである。まあ、ほとんど直感で解釈したものばかりだが、素人でも占いとして使用可能なレベルではあると思う。何なら、自分で文庫本の「易経」を買って占って、自分で解釈するといい。多くの人生訓が入っている書物だから、読み物として面白いし、有益だと思う。

これで、私の宿題の主なところは終わったので、後は死ぬまで生きるだけのことである。まあ、文芸関係、特に詩歌に関して少し書きたいところはあるが、書かなくても書いてもいいという程度のものである。



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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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